定量的構造活性相関データ集分配係数と置換基定数
概要本書は、2014年に刊行された『定量的構造活性相関―Hansch法の基礎と応用』の下巻に相当する。定量的構造活性相関(Quantitative Structure-Activity Relationships, QSAR)とは、化学物質の骨格的構造と薬学的あるいは毒性学的な生理活性との間になりたつ量的関係であり、本書は、QSARや定性的な構造活性相関(SAR)の研究に必要となる広範な物理化学的パラメータ(オクタノール-水系のlogP値と電子的および立体的置換基定数)を収録した表から構成されている。 各国の環境保護局はどこも新しい工業用化学薬品のlogP値を必要としている。本書に収録されたlogP値は、この分野で最も著名なハンシュとレオが25年間かけて収集したものであり、ホークマンによってデータベース化された。本書に収録された表はQSARを解説した書籍や論文を読む際に、極めて利用価値が高いものである。原著Exploring QSAR: Hydrophobic, Electronic, and Steric Constants (American Chemical Society,1995)著者C. ハンシュ(Corwin Hansch)合成有機化学の分野で1944年、ニューヨーク大学よりPh. D. の学位を得た。イリノイ大学に博士研究員として在籍した後、デュポン社に入社。その後、シカゴ大学などでマンハッタン計画に参画。1946年、ポモナ大学化学科に迎えられ、ポモナ大学を研究・教育活動の拠点とした。主な研究分野は、高温脱水素環化反応と、化学構造と生物活性との相関。2011年没(92歳)。 A. レオ(Albert Leo) 1925年、イリノイ州ウィンフィールド生まれ、2年間をアメリカ陸軍幼年学校で過ごし、1944〜1945年、欧州戦線(ETO)で兵役。シカゴ大学で物理有機化学の修士号と博士号を取得し、反応速度論を学んだ。食品化学の研究開発に15年間従事したのち、ポモナ大学でハンシュ教授の指導の下、MedChemプロジェクトを立ち上げ指揮。このプロジェクトで生物活性化合物の設計に役立つソフトウェアとデータベースを開発した。2021年没(96歳)。 D. ホークマン(David Hoekman) 1961年、ミシガン州ホランド市生まれ。1980年からポモナ大学で物理学を3年間学んだのち生物学へ転向、1985年に生物学で学士号を取得。その後Rancho Santa Ana植物園、カルフォルニア大学バークレー校の植物学科などで学んだ後、関心はコンピュータプログラミングへと向かい、1987年からはMedChemプロジェクトにおけるコンピュータ部門のリーダーとなり、QSARデータベースと解析パッケージの設計に当たった。 訳者江ア俊之(えさき・としゆき)1970年京都大学薬学部卒業。1975年京都大学大学院薬学研究科博士課程修了。1976年〜1985年名古屋大学工学部応用化学科に大学院研究生として在籍。現在、江崎ゴム椛纒\取締役。専攻、理論医薬化学。訳書には、『定量薬物設計法』(1980)、『リチャーズ量子薬理学』(1986)、『コンピュータ分子薬理学』(1991)、 『分子モデリング』(1998)、 『化学者のための薬理学』(2001)、 『分子モデリング概説』(2004)、 『初心者のための分子モデリング』(2008)、 『定量的構造活性相関』(2014)、 『量子生化学』(2019、いずれも地人書館刊)がある。 目次表の使い方 オクタノールLogP Hammettシグマなど 本書に収載された置換基定数の一覧 ■オクタノールLogP LogPの一覧表 ■オクタノールLogPの補注 注釈(F) 文献(R) ■Hammettシグマなど 本表に収載された置換基定数の一覧 置換基定数表 ■Hammettシグマなどの補注 ■溶質構造の描述 |