さらば健康食神話フードファディズムの罠
概要グルテンフリーダイエットや、砂糖や塩、脂肪、グルタミン酸ソーダの危険性など、食べ物について広く信じられている「ニセ科学」。それを「伝説」や「神話」とみなし、徹底的かつ綿密な調査をもとに分析して、嘘を見抜き、だまされないための処方箋を提供する。道教を専門とする宗教学者である著者は、ダイエット本やインチキ健康食本が、神話や迷信をいかにも科学的な言説で覆い隠しているスタイルに着目し、本書を書いた。毎日、毎食、口にしている食品は、神秘の秘薬でもなければ、死をもたらす毒薬でもない。お腹まわりが太くなったり、心臓発作が増えたりする原因は、何を食べる(食べない)かよりも、いかに食べるか(その量)なのだと著者は強調し、食物不安の呪縛から解き放たれ、食を楽しもう、真に健康的な生活をしようと呼びかける。原著The Gluten Lie: And Other Myths About What You Eat (Regan Arts., 2015)著者アラン・レヴィノヴィッツ(Alan Levinovitz, PhD)1981年生まれ。スタンフォード大学で哲学と宗教学を学び、シカゴ大学で宗教学のPhDを取得。現在はバージニア州立ジェイムズ・マディソン大学宗教学准教授。専門は古代中国思想、宗教と医学の関連。多数の学術論文の他、『ワシントンポスト』『アトランティック』『ワイアード』といった著名なメディアにも寄稿している。本書は最初の一般向け著作で、現在、現代の自然信仰の歴史と功罪を扱った著作を準備中。 訳者ナカイサヤカ翻訳家、ライター。ASIOS(超常現象の懐疑調査のための会)運営委員。共著:『謎解き超常現象シリーズ』(彩図社)。訳書:ポール・オフィット『代替医療の光と闇』『反ワクチン運動の真実』(地人書館)、ステイシー・ホーン『超常現象を科学にした男』(紀伊國屋書店)、絵本『ティラノサウルス・レックス』『探し絵シリーズ』全9冊(文溪堂)など。 目次日本語版への序文(アラン・レヴィノヴィッツ) 序 昔々、とある毒がありました…… 第1章 空想科学は空想のまま 辟穀―五穀を断つ/食べ物神話の進化 第2章 グルテンの嘘 グルテンの嘘つきたち/神話の力/本物の専門家はグルテンについてどう言っているのか?/真実を探る/セリアック病小史/グルテンフリーってバナナ?/セリアック病治療法から何にでも効く治療法へ/過去の楽園神話/なぜ私たちはグルテンの嘘を鵜呑みにするのか/嘘が現実になるとき/ダイエットはタブーな言葉/最初に正しい検査を 第3章 脂肪の魔術 なぜデンマークはデニッシュに税金をかけたのか?/すべては大嘘だった/スケープゴート/なぜ魔法がもっともらしく思えるのか/脂肪を食べると脂肪がつく/高潔な菜食と残酷な肉食/変わる食生活、変わらない神話/脂肪の魔術の危険性 第4章 砂糖狂い それならきっと砂糖が悪いんだ!/アリス・ウォーターズは悪魔なの?/大手砂糖企業の甘い嘘/苦い真実―科学は複雑/ 美味しいなら悪いに違いない/砂糖の侵略/実は自然は何が一番いいかわかってない/砂糖―新しいゲートウェイ・ドラッグ/セックスとキャンディ/大手大砂糖企業の過ち/純粋で、白く、偏っている/砂糖を食べよう、正気でいよう 第5章 塩の罪 塩分コントロールはむずかしい?/古の敵、塩/低ナトリウムの奇跡/塩を食べない高貴なる野蛮人/子供たちを救え/食の魔物のデジャブ/戻ってきたバイアス/ファット・シティの神/減塩カルト/ライサーの国 第6章 栄養の神話をデトックス 魔法の霊薬を飲みますか?/スーパーフード? スーパーくだらない!/話型「海藻を合成して製造した有毒な添加物」/すべてががんの原因でもないし、治療薬でもない/神話は感染する/あなたは食べたものでできていない/「第四次元で食べる」ダイエットの勧め/おまけ―ミラクルダイエットプラン! アンパック・ダイエット アンパック・ダイエット(解凍篇) 謝辞 訳者あとがき(ナカイサヤカ) 原注 参考文献 もっと知りたい人に推薦図書など 索引 |