The History of Binoculars
双眼鏡の歴史プリズム式双眼鏡の発展と技術の物語
内容見本PDFをダウンロード概要双眼鏡をよく使っている人でも、その双眼鏡の歴史について聞かれたら「?」という人が多いはず。本書は双眼鏡の歴史とその製作技術の発展史についてくわしく述べるものである。商用プリズム双眼鏡としては世界第一号の「カールツァイス8×20」(1894年発売)をはじめ、歴史上、特筆に値する100台以上の双眼鏡を実機とその分解写真で紹介。海外ならびに日本の双眼鏡の黎明期からの発展史が、この一冊で手に取るようにわかる。中でも日本の陸・海軍の軍用双眼鏡については、世界最大の口径25cm機の実物を写真で紹介するなど、特にくわしく解説。海軍の艦艇に搭載された直視型・高角型双眼望遠鏡や、陸軍の対空型双眼望遠鏡の分解写真も多数掲載し、それらの内部構造を明らかにする。旧日本軍の光学兵器の実機をこれほどの台数まとめて紹介した本は、世界中見渡しても他には存在しない。本書は双眼鏡の解説書ではあるが、写真や光学系断面図などを数百枚以上使用しており、そのビジュアルさは比類がない。 かつての雑誌『月刊天文』掲載の中島隆氏連載「Binoculars Old & New」をもとに、新たな機種を追加し大幅に書き改めた、双眼鏡史研究家の著者ならではの渾身の大冊である。 (※掲載機種は、原則として第二次世界大戦終了時までに製造された双眼鏡が対象となります。) 著者中島隆1954年東京都新宿区に生まれる。小学校低学年からの天文好き。双眼鏡との初めての出会いは4年生の時に行った箱根の新宿区立の林間学校だったが、天文好きのため双眼鏡に先立って中学1年生の時、天体望遠鏡を親に買ってもらう。大学時代のアルバイトで初めて自分の双眼鏡を購入。天文関係の古書といった文献の収集は高校時代に始まり、その延長線上に光学関連資料もあったことから、やがてカメラや望遠鏡、双眼鏡そのものに興味の対象が広がり現在に至る。資料としての双眼鏡との出会いは1988年。翌1989年9月から国立科学博物館理工学研究部の非常勤職員(技術補佐員・調査等補助協力員)として勤務。研究資料、文献の調査だけでなく、科博で行う夜間天体観望会では望遠鏡の操作と解説も担当している。 目次まえがき■ プリズム双眼鏡前史 ■ 第1章 草創期から第一次世界大戦終了後までの双眼鏡の技術動向(ヨーロッパ〜アメリカ製品) Carl Zeiss 8×20(1894年発売) Carl.Poul.Göerz 9×20(1890年代後半発売) Ross 10×20(1895〜1900年頃発売) E.Krauss 8×20(1900年頃発売) Zeiss 6×18,Krauss 12×25,Ross 12×19 ポロU型プリズムと光学機器 M.Hensoldt 7×30 Zeiss Feldstecher 5×20 Zeiss Marineglas 5・10×24 C.P.Göerz 6×20 Armee Trieder(1901年発売) C.P.Göerz 7×20 Armee Trieder(1905〜1910年) W.P.H. 8×20 CF (発売年不明) Zeiss DF 6×24 (1910年代〜) Hensoldt 6×35 DialytU Spezial-Jagdglas(1905〜1909年) Zeiss Silvamar 6×30 C.P. Göerz 6×24 Armee Trieder E.Leitz DF03 6×24 Ernemann-Werke A-G 6×24 Zeiss Turexem 6×21 CF Väigtlander 8×30 CF Nirvana Zeiss Deltrintem 8×30 CF Zeiss 7×50 Binoctar IF A.Kershaw & Son 8×23 CF,MkU6×30 IF Bausch and Lomb 6×30 Prism Stereo Oigee Oigelet 3×13.5 C.P. Göerz 8×30 Helinox C.P. Göerz 6×30 CF Helinox,4 1/2×20 1/4 CF Neo Universal ■ 日本のプリズム双眼鏡前史 ■ 第2章 草創期から日中戦争開始までの双眼鏡の技術動向(日本製品) 東京砲兵工廠 試製手中眼鏡(森式双眼鏡) 6×23.5(口径実測) 東京砲兵工廠 国産三七式双眼鏡 6×24 藤井レンズ製造所 Victor 8×20(明治44年発売) 藤井レンズ製造所 天佑号 8×27 藤井レンズ製造所 旭号 6倍 藤井レンズ製造所 天佑号 6×32 藤井レンズ製造所 大和号 6倍 藤井レンズ製造所 Victor No 5a & No 5 6×21 藤井レンズ製造所 Victor No.4 大和号 12×23 日本光学工業 Excel No.5 8×19.5 日本光学工業 旭号 6×15 日本光学工業 Luscar 6×20 日本光学工業 Mikron 6×15 平和記念東京博覧会・日本光学特設館と出品双眼鏡 日本光学工業 ノバー 6×42 8.3° 日本光学工業 Orion 6×24(前編) 日本光学工業 Orion 8×26 日本光学工業 Polar 6×24 8.3° 東京瓦斯電気工業 A. No.3 8×20 勝間光学器製作所 Glory 8×20,Glory 6×24 9.3°CF 井上光学工業 HELL 8×26 白木屋百貨店 Shirokiya 8×21.75(口径実測) 菊水マーク(メーカー不詳) 8×22.5(口径表示なし実測),菊水マーク(メーカー不詳) ガリレオ式 3×26 日本陸軍制式八九式双眼鏡 7×50 7.1° 日本陸軍制式九十式3米測高機付属 照準用双眼鏡 10×50 5° 東京光学機械 Magna 6×24 9.5°IF&CF 東京光学機械 Monarch 8×24 CF(蝶型),Queen 8×21 CF,Renox 6×25 8°IF 東京光学機械 Magna 8×30 7.5°→ 8.5° 日本光学工業 Bright 8×24 CF 榎本光学精機 8×32 7.5°Meibo(明眸) Kaikoshaブランド 6×24(角度表示なし) N.KとK.T 高千穂光学工業(現オリンパス) 6×24 9.3° 日本陸軍制式九三式4倍双眼鏡 4×40 10° 日本光学工業製造 日本陸軍制式九四式六糎対空双眼鏡 旭光学工業合資会社製造(現リコーイメージング) E.Bush 8×26 Stereo-Bislux Tenno,日本製 8×21 Mikado(メーカー不詳) 昭和10年代初期の双眼鏡カタログ ■ 第3章 1920年代後半〜第二次世界大戦開始までの双眼鏡の技術動向(ヨーロッパ〜アメリカ製品) J.D.Möller Tourix 6×22 Zeiss Telita 6×18 CF Zeiss Turita 8×24 CF Sterioxem 6×22 CF(メーカー不詳) Hensoldt Jagd-Dialyt 6×42 CF Rodensutock Lumar 6×27 Lemaire Luminous Stereo 6.8.10(変倍)×25 ソビエト社会主義共和国連邦製(製造工場不明) 6×30 8.5° Ross 6×30 Stereo Prism Binocular Bausch & Lomb 7×50,Universal Camera 6×30 Wollensak 6×30 M5 The I.S.Starrette 6×30 Colmont Mima 8×25 CF,10×40 CF Kern Alpin 160 6×24 Colmont Maxma 8×30 CF Ross Stepnada 7×30 CF 9.5° Zeiss Deltrintem 8×30 CF 改良型 San Giorgio 6×30(1940年製造) Harwix Mirakel 3.5×13 約12°,7×18 約6° ■ 第4章 日中戦争〜第二次世界大戦終焉までの双眼鏡の技術動向(日本製品) 満州光学工業 日本陸軍制式双眼鏡 6×24 9.3° 海軍航空技術廠設計 日本光学工業製造 日本海軍制式機上手持ち双眼鏡 5×37.5 10°(口径は実測値) 東京光学機械 Erde 6×30 11.5° 森川製作所 かとり(香取)号 6×24 9.5° 第二次大戦終結までの双眼鏡・光学関連書籍 高林光学(推定) ○Taka Mod.A 6×24 60°,高林光学 Taka.O.W 8×25 65°CF Koulin 理研光学工業 Olympic 8×24 CF 6° 大和光学製作所 8×30 8.5° 日本海軍制式直視型双眼望遠鏡 15×80 4° 東京光学機械製造 日本海軍制式高角型双眼望遠鏡 15×80 4° 東京光学機械製造 日本海軍の大口径双眼望遠鏡 日本光学工業 50×83×250 1°12′ 44′ 日本陸軍制式十五糎変倍双眼望遠鏡 ×25 2°30′×75 32′日本光学工業製造 日本陸軍制式 航空機搭載用直視型双眼望遠鏡 20×105 3°榎本光学精機製造 日本光学工業 Orion 6×24(後編) 日本光学工業 ノバー 7×50 7.1° 東京芝浦電気「東芝」 マツダ 6×24 9.3°(陸軍制式十三年式双眼鏡),サイクルマーク 7×7.1°(口径表示なし50mm,海軍制式双眼鏡) 日本海軍豊川海軍工廠光学部 7×50 7.1° 日本海軍呉海軍工廠 7×50,佐世保海軍工廠 7×50 日本陸軍制式二式砲隊鏡 8×26 6°,日本陸軍制式二式双眼鏡 8×30 7.5°日本光学工業製造 陸軍制式飛行眼鏡 10×70 7° 日本光学工業製造(社内呼称:空十双) 東京光学機械 10×50 7.1°(口径表示なし)改‐1○航 海軍制式双眼望遠鏡高角型 45° 7.5×60 8°東京光学機械製造 東亜光学 ○臨 ○航 第2号型 8×30 7.5°,岡田光学精機 船用品 6×24 千代田光学精工 日本海軍制式双眼鏡 7×7.1°(口径表示なし),直視型 15×80 4° JAPAN KAIKOSHA K.T. 6×24 9.3° 東京光学機械 10×50 7°IF ポロU型 掲載機種一覧Carl Zeiss 8×20(1894年発売) Carl.Poul.Göerz 9×20(1890年代後半発売) Ross 10×20(1895〜1900年頃発売) E.Krauss 8×20(1900年頃発売) Zeiss 6×18,Krauss 12×25,Ross 12×19 M.Hensoldt 7×30 Zeiss Feldstecher 5×20 Zeiss Marineglas 5・10×24 C.P.Göerz 6×20 Armee Trieder C.P.Göerz 7×20 Armee Trieder W.P.H. 8×20 CF Zeiss DF 6×24 (1910年代〜) Hensoldt 6×35 DialytII Spezial-Jagdglas Zeiss Silvamar 6×30 C.P. Göerz 6×24 Armee Trieder E.Leitz DF03 6×24 Ernemann-Werke A-G 6×24 Zeiss Turexem 6×21 CF Väigtlander 8×30 CF Nirvana Zeiss Deltrintem 8×30 CF Zeiss 7×50 Binoctar A.Kershaw & Son 8×23 CF,MkII 6×30 IF Bausch and Lomb 6×30 Prism Stereo Oigee Oigelet 3×13.5 C.P. Göerz 8×30 Helinox C.P. Göerz 6×30 CF,4 1/2×20 1/4 CF 東京砲兵工廠 試製手中眼鏡 6×23.5 東京砲兵工廠 国産三七式双眼鏡 6×24 藤井レンズ製造所 Victor 8×20(明治44年発売) 藤井レンズ製造所 天佑号 8×27 藤井レンズ製造所 旭号 6倍 藤井レンズ製造所 天佑号 6×32 藤井レンズ製造所 大和号 6倍 藤井レンズ製造所 Victor No 5a & No 5 6×21 藤井レンズ製造所 Victor No.4 大和号 12×23 日本光学工業 Excel No.5 8×19.5 日本光学工業 旭号 6×15 日本光学工業 Luscar 6×20 日本光学工業 Mikron 6×15 日本光学工業 ノバー 6×42 8.3° 日本光学工業 Orion 6×24 日本光学工業 Orion 8×26 日本光学工業 Polar 6×24 8.3° 東京瓦斯電気工業 A. No.3 8×20 勝間光学器製作所 Glory 8×20 勝間光学器製作所 Glory 6×24 9.3°CF 井上光学工業合名会社 Hell 8×26 Shirokiya(白木屋百貨店)発売 8×21.75 菊水マーク(メーカー不詳) 8×22.5 日本陸軍制式八九式双眼鏡 7×50 7.1° 日本陸軍制式九十式3米測高機付属 10×50 5° 東京光学機械 Magna 6×24 9.5°IF&CF 東京光学機械 Monarch 8×24 CF(蝶型), Queen 8×21 CF,Renox 6×25 8°IF 東京光学機械 Magna 8×30 7.5°→ 8.5° 日本光学工業 Bright 8×24 CF 榎本光学精機 8×32 7.5°Meibo(明眸) Kaikoshaブランド 6×24 N.K&K.T 高千穂光学工業 6×24 9.3° 日本陸軍制式九三式4倍双眼鏡 4×40 10° 日本陸軍制式九四式六糎対空双眼鏡 E.Bush 8×26 Stereo-Bislux Tenno, 日本製 8×21 Mikado(メーカー不詳) J.D.Möller Tourix 6×22 Zeiss Telita 6×18 CF Zeiss Turita 8×24 CF イギリス製 Sterioxem 6×22 CF(メーカー不詳) Hensoldt Jagd-Dialyt 6×42 CF Rodensutock Lumar 6×27 Lemaire Luminous Stereo 6.8.10×25 ソビエト社会主義共和国連邦製 6×30 8.5° Ross 6×30 Stereo Prism Binocular Bausch & Lomb 7×50 Universal Camera 6×30 Wollensak 6×30 M5 The I.S.Starrette 6×30 Colmont Mima 8×25 CF,10×40 CF Kern Alpin 160 6×24 Colmont Maxma 8×30 CF Ross Stepnada 7×30 CF 9.5° Zeiss Deltrintem 8×30 CF 改良型 San Giorgio 6×30 (1940年製造) Harwix Mirakel 3.5×13 約12°,7×18 約6° 満州光学工業 日本陸軍制式双眼鏡 6×24 9.3° 日本海軍制式機上手持ち双眼鏡 5×37.5 10° 東京光学機械 Erde 6×30 11.5° 森川製作所 かとり(香取)号 6×24 9.5° 高林光学(推定) Taka Mod.A 6×24 60° 高林光学 Taka.O.W 8×25 65°CF Koulin 理研光学工業 Olympic 8×24 CF 6° 大和光学製作所 8×30 8.5° 日本海軍制式直視型双眼望遠鏡 15×80 4° 日本海軍制式高角型双眼望遠鏡 15×80 4° 日本海軍の大口径双眼望遠鏡 日本光学工業 50×83×250 1°12′ 44′ 日本陸軍制式15cm変倍双眼望遠鏡 日本陸軍制式航空機搭載用 20×105 3° 日本光学工業 ノバー 7×50 7.1° 東京芝浦電気「東芝」 マツダ 6×24 9.3° 東京芝浦電気「東芝」 サイクルマーク 7×7.1° 日本海軍豊川海軍工廠光学部 7×50 7.1° 日本海軍呉海軍工廠 ・佐世保海軍工廠 7×50 日本陸軍制式二式砲隊鏡 8×26 6° 陸軍制式飛行眼鏡 10×70 7° 東京光学機械 10×50 7.1°改‐1 海軍制式双眼望遠鏡高角型 45°,7.5×60 8° 東亜光学 第2号型 8×30 7.5° 岡田光学精機 船用品 6×24 千代田光学精工 直視型双眼望遠鏡 15×80 4° JAPAN KAIKOSHA K.T. 6×24 9.3° |