描いて見よう身近な植物

表紙
小野木三郎 著

ISBN978-4-8052-0846-5

四六判/240頁

\1,800+税

概要

植物のことをよく知るためには、スケッチすること、つまり「描いて、見る」ことが効果的です。ありのままを正確に写すことに専念し、我流、個性的な描き方で十分です。本書は著者が定年退職後に描いた600枚以上の植物画から59枚を選び、その植物にまつわるエピソードや自然観察や自然保護ついてのエッセイを添えたものである。

著者紹介
小野木 三郎(おのぎ さぶろう)

1939年岐阜県各務原市生まれ。岐阜大学学芸学部生物学科卒業。岐阜県内の小・中学校教諭、岐阜県博物館学芸員、高山短期大学飛騨自然博物館学芸員を歴任。(財)日本自然保護協会の「自然観察指導員講習会」講師として全国各地を回ったり、山楽山歩(山を楽しみ山を歩くがモットー)の海外の山旅も2011年8月の「カムチャツカ花見旅」で41回目を数え、国内外での自然観察活動に余念がない。
全身緑一色の衣類で身をつつみ、“みどりむし”振りは徹底し、ダジャレ連発のオノギ節にはファンも多い。写真、絵、文章を一手に手がける「自然観察マップ」も好評で、「北アルプス岐阜県側」「乗鞍岳」「御嶽山」「舟山」等がある。山の歌の作詞も手がけ、リピート山中さんのCD「山の歌集、孤高の人〜加藤文太郎のうた〜」の10曲中4曲を書いている。

主な著書
「歩いて眺めて考えて」教育出版文化協会
「北アルプス山楽山歩」教育出版文化協会
「いちにの山歩」地人書館
「山の花学」東京新聞出版局
「飛騨の自然讃歌」岐阜新聞出版局
「森は学校」岐阜新聞出版局
「大白川ブナ原生林」(写真集)岐阜新聞出版局
「花かおる乗鞍岳」ほおずき書籍

現在は、楽老自遊人(らくろうじゆうじん)を自称しつつも、
◎乗鞍岳と飛騨の自然を考える会副会長
◎各務原市シデコブシを守る会会長
◎岐阜県博物館協会顧問
◎高山市及び岐阜県の環境審議会委員
を務めている。

目次

はじめに
私の植物画のいろは
 絵手紙のすすめ……描いて見ましょう
 私の植物精密画法

第1部 春から初夏へ
1 フクジュソウ  春を告げるめでたい花
2 ナズナ  お浸しがうまい野草
3 ショウジョウバカマ  陽春を告げる花
4 オオイヌノフグリ  コバルト色の宝石
5 オランダミミナグサ  足を運べ! 野外に
6 マンサク・マルバノキ  まず咲くか豊年満作か?
7 ハハコグサ・チチコグサ  国民性表した情緒ある名前
8 カタクリ  はにかみ屋の美少女
9 アセビ  鈴なりの壺形の花
10 コバノミツバツツジ  紅紫色の美しいツツジ
11 シデコブシ・コブシ・タムシバ  迎春・報春の名花木
12 タンポポ  都会に増える西洋種
13 タチツボスミレ  墨入れ壺に似た花
14 ミズバショウ・ザゼンソウ  人気者と嫌われ者
15 イチリンソウ・ニリンソウ  素朴に咲く白い花
16 スズラン  野生種が忘れられた白い鈴
17 ノアザミ  紫紅色の頭花がきれい
18 ホンシャクナゲ  華麗で優美な名花木

第2部 夏
19 ササユリ  手入れをし、関わりを持つ自然の大切さ
20 クマガイソウ  乱獲されたランの王者
21 レンゲツツジ  高原を彩る赤い炎
22 タマアジサイ  控えめでつつましやかに咲く
23 シラカバ  旅情をそそる白い肌
24 ヤマボウシ・アメリカヤマボウシ  実をよく見よう!
25 ユウスゲ  一日花のユリの仲間
26 ヒメジョオン・ハルジオン  帰化植物の代表選手
27 ゴゼンタチバナ  氷河期の渡来種
28 ギンリョウソウ  木陰に咲くロウ細工
29 イワタバコ  谷間の岸壁に自生
30 ヤナギラン  高原風物詩の一級品
31 アレチハナガサ  南米からの帰化植物
32 フシグロセンノウ  ままごとの「おぜん」

第3部 晩夏から秋、冬へ
33 ツリフネソウ  はじけ飛ぶ黒い種子
34 ウメバチソウ  草原に輝く純白の星
35 フジアザミ  頭花からタワシを連想
36 ワレモコウ  寂しげに咲く秋の野草
37 サワギキョウ  美しく憂愁な湿地の花
38 リンドウ  鮮やかな青紫の花
39 ハナイカダ  葉の真ん中に花
40 アオキ  地域的な多様性に富む!
41 ムラサキシキブ  花よりも艶やかな実
42 ノコンギク  素朴で可憐な野菊
43 ツルリンドウ  風変わりな赤い実
44 ミズナラ  忘れ去られた薪炭林
45 ブナ  日本的な美≠フ世界
46 オオシラビソ  タイガ(北方針葉樹林)の日本出張所
47 ヤブツバキ・ユキツバキ  太平洋側と日本海側の対応種
48 アカマツ  日本の松は二葉かな

あとがき
索引
著者紹介