海はめぐる

人と生命を支える海の科学
表紙
日本海洋学会編

ISBN978-4-8052-0834-2

A5判/232頁

\3200+税

概要

海洋学のエッセンスを一冊の本に凝縮。海の誕生、生物、地形、海流、循環、資源といった海洋学を学ぶ上で基礎となる知識だけでなく、観測手法や法律といった、実務レベルで必要な知識までカバーしました。海洋学の初学者だけでなく本分野に興味のある人すべてにおすすめします。日本海洋学会が設立70周年記念出版。

日本海洋学会
1941年1月28日に海洋学の進歩と普及を図ることを目的として設立された学会。会員数約2000名、海洋学関連の学術組織としては日本最大。

目次

1.宇宙はめぐる
  1.1 宇宙の始まりと星の一生
  1.2 誕生した初期の太陽に炙られた星間塵だった頃の地球
  1.3 地球誕生
  1.4 海洋の誕生
  1.5 還元環境下の海に生物誕生
  1.6 酸化環境の出現
  1.7 生物が彩りを与えた最近の地球環境と海

2.海底はめぐる
  2.1 海底の地形
  2.2 固体地球のアシソスタシー
  2.3 海底の堆積物
  2.4 深海の生物

3.海水はめぐる
  3.1 海水の流れと大気の流れ
  3.2 表層の流れ
  3.3 深層の流れ
  3.4 海水の性質の分布と循環

4.熱もめぐる
  4.1 太陽から届く熱(放射エネルギー)と吸収
  4.2 海面での熱収支
  4.3 海洋中の熱輸送


5.栄養塩はめぐる
  5.1 栄養塩(Nutrients)とは?
  5.2 海洋の一次生産と栄養塩
  5.3 制限要因(limiting factor)とRedfield比
  5.4 栄養塩類の分布
  5.5 栄養塩の供給、取り込み、分解
  5.6 栄養塩はめぐる

6.炭素もめぐる
  6.1 海洋中の炭素の存在形態:DIC・DOC・PIC・POC
  6.2 DICの化学平衡と海洋中における濃度決定要因
  6.3 生物によるPOC形成と生物ポンプ
  6.4 生物ポンプの地理的・季節的不均衡と海洋表層の二酸化炭素分圧
  6.5 その他の生物ポンプ(1):DOC
  6.6 その他の生物ポンプ(2):PIC
  6.7 グローバル炭素循環:海洋・大気・陸域・地殻間の炭素収支
  6.8 グローバル炭素循環の不均衡と気候変動

7.生物もめぐる
  7.1. はじめに
  7.2 .海という生活圏
  7.3 .海に棲む多様な生物の区分について
  7.4. 海洋生態系の概念の発達
  7.5.海洋生態系の機能と構造

8.観測船はめぐる
  8.1 はじめに
  8.2 海洋観測の種類と意義
  8.3 海洋観測の歴史
  8.4 観測機器

9.エネルギーはめぐる
  9.1 はじめに
  9.2 海洋エネルギー / 資源開発の現状
  9.3 資源開発に向けての課題
  9.4 課題克服に向けて

10.電磁波はめぐる
  10.1 リモートセンシング
  10.2 電磁波によるリモ−トセンシング
  10.3 音波によるリモ−トセンシング

11.法律はめぐる
  11.1 海洋の活動と法律
  11.2 国連海洋法条約
  11.3 海洋基本法
  11.4 いくつかの関係法令

12.船もめぐる
  12.1 はじめに
  12.2 船の輸送形態 ?貨物を例として?
  12.3 安全な船を造る
  12.4 安全な運航