ハーシェル天体ウォッチングThe Herschel Objects and How to Observe Them
概要天文趣味の分野で日本は、ここ30年以上、天体写真撮影が大きな人気を保ってきました。しかし、星空観望の醍醐味は、星の並びを順々に辿りながら目標天体を視野に導く素朴な過程にこそあるといえます。その途中での星空が魅力的なことも少なくありません。本書は偉大な眼視観測者であったハーシェルの発見した星雲星団の中から、アマチュアの機材で見やすい天体を、ハーシェル自身の観測コメントと共に紹介しています。その彼のコメントを思い浮かべながら「ハーシェル天体」を眺めることは、それがたとえ見慣れた天体であっても新たな魅力の発見につながるはずです。著者ジェームズ・マラニーJames Mullaney, F.R.A.S. 天文学に関する著述家・講演家・コンサルタント。500編以上の記事と、5冊の本を著し、肉眼・双眼鏡・望遠鏡によるその天体観測記録は20,000時間を超える。ピッツバーグのブール・プラネタリウムおよびポピュラー・サイエンス研究所学芸員、その後、デュポン・プラネタリウムの館長を歴任。ピッツバーグ大学のアレゲニー天文台の天文スタッフ、さらに『スカイ・アンド・テレスコープ』『アストロノミー』『スター・アンド・スカイ』各誌の編集者として勤務。カール・セーガンのテレビ番組「コスモス」に貢献した。2005年2月には、権威ある王立天文学会の会員に選出された。Double and Multiple Stars and How to Observe Them (2005)、A Buyer’s and User’s Guide to Astronomical Telescopes and Binoculars (2007)の著書がある。 訳者角田玉青Tamao Tsunoda 1963年東京生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程前期2年の課程修了(心理学専攻)。現在、日本ハーシェル協会でホームページを担当。訳書には『ビクトリア時代のアマチュア天文家――19世紀イギリスの天文趣味と天文研究』、『星を追い、光を愛して――19世紀科学界の巨人、ジョン・ハーシェル伝』(いずれも共訳、産業図書刊)がある。 目次◎第1部 ウィリアム・ハーシェルの生涯、望遠鏡、星表 第1章 はじめに 第2章 ハーシェルの望遠鏡 第3章 ハーシェルのカタログとクラスについて 第4章 観測のテクニック ◎第2部 ハーシェル天体の見どころ探検 第5章 クラスTの見どころ――明るい星雲 第6章 クラスWの見どころ――惑星状星雲 第7章 クラスXの見どころ――きわめて大型の星雲 第8章 クラスYの見どころ――きわめて密集した多数の星からなる星団 第9章 クラスZの見どころ――大小の星からなる密集した星団 第10章 クラス[の見どころ――雑然と散在した星団 第11章 クラスUとVの例――暗い星雲と非常に暗い星雲 第12章 ハーシェルが見落とした見どころ 第13章 「消えた」ハーシェル天体 第14章 むすび 付録1 ハーシェル・クラブ 付録2 ハーシェル文献選 付録3 ハーシェル天体615個の目標リスト 原著James Mullaney, The Herschel Objects and How to Observe Them (Springer, 2007) |