「クマの畑」をつくりました

素人、クマ問題に挑戦中
表紙
板垣悟著

ISBN4-8052-0759-0

四六判/184頁

\1,600+税



概要

いっこうに減らない農業被害とそれに伴うクマの駆除.人も助かりクマも助かる方法はないものか.考えに考え,クマが荒らし被害が出ている作物デントコーンを山裾の休耕地につくり,そこから里に降りるクマを食い止めようとする「クマの畑」プロジェクトを始めた.「これは餌付けだ」という批判を覚悟でクマ問題を世に問いただす.

目次

はじめに
第1章 森を追われ里へ引き寄せられるクマ
本当は静かで臆病者
森を追われるツキノワグマ
人間が禁断の味を教えた
有害鳥獣駆除
被害現場をたずね歩いて
「駆除」にまつわる問題点
クマ問題は社会問題
「クマ」を守るということ
コラム ツキノワグマのお食事シーン
第2章 ツキノワグマと棲処の森を守る会
ブナ林観察会が教えてくれた
絶滅しそうなのはアフリカゾウやパンダだけではなかった
ツキノワグマのミニスタディ
会名の苦悩−−「守る会」ではまずいのか?
看板の設置
「クマの痕跡」観察会
看板の撤去
全国の知事宛て要望書の送付と成果
クマ駆除権限の委譲阻止
「ツキノワグマを知る集い」と「ヒグマの会」総会への参加
本音で話し合うイベントをめざして
コラム クマハギシーンを想像する
第3章 クマをめぐる保護と対策の現状
クマなんていらない
奥地放獣と調査
クマがいるから手間と金がかかる、だけど……
クマは山の見張り番
「七ヶ宿二号」の放獣
「七ヶ宿二号」の最期
コラム 森とクマの底力
第4章 「クマの畑」−−天使のささやきか、悪魔の誘いか
「クマの畑」の舞台・蔵王山麓
地元住民からの申し出
「クマの畑」には、クマがすでに味を知っているデントコーンをつくる
あなたたちのやっていることは不自然そのものです
反対も賛成も意見は宝、人も助かりクマも助かる畑を目指す
マスコミが味方になってくれた−−テレビに出るような良いグループ?
畑に泊まる
真夜中の畑にクマは来ていた
世界初の映像
真価問われる「クマの畑」
コラム 「クマの日」と「クマの英訳」
第5章 クマを守ることは森を守ること
畑や植樹では間に合わない、今ある森を減らさぬようにしなければ
クマの棲む森にクマタカ発見
クマとサルでは林道を止められない
クマタカの力−−斯くして林道は止まった
縄文の神と恩返し
長老の言葉−−クマは捕ったが、森は壊さなかった
コラム 鯨について
第6章 素人だけど自然保護、素人だから自然保護
デパートの犬
WWFジャパンへの入会
エッ? オオカミを放獣する?
動物を持ち込んだツケは必ずやってくる
うらやましいサル
不確実な生息数
九州の悲劇を繰り返さないために
素人だけどできること、素人だからできること
あとがき