夜空はなぜ暗い?
オルバースのパラドックスと宇宙論の変遷
概要
宇宙に果てがなく星が数え切れないほどあるとしたら,空のいたるところ星の光で輝くことにならないのか?
天文学者は夜空の闇の謎を長いこと考え,数多くの興味深い解答を提示してきた.
400年以上の歳月が経ち,空間や時間,光の性質,宇宙の構造について,広大な範囲が探索された.
宇宙の闇の謎は解けたのだろうか?
目次
プロローグ
第1章 なぜ夜空は暗いのか
視線論争
謎とパラドックス
二つの解釈
探求の筋道
第I部 謎の起源
第2章 競合する三体系
原子論者とエピクロス派
アリストテレスが秩序を作り出す
ストア派の星々に満ちた宇宙
宇宙の果ての謎
第3章 天球の光
全知全能であらゆるところに存在するもの
ディッグスが宇宙を拡張する
すべての世界は類似している
すべての統一性は失われてしまった
第4章 星界からの報告
多くの新しい星々
魔法使いの天文学者
暗い夜空
第II部 謎の展開
第5章 デカルトの体系
デカルトの宇宙論の興隆と衰退
マグデブルクの実験
天を交差する光
第6章 ニュートンの針とハレーの球殻
『プリンキピア』
ベントレーの書簡
「主張するのを聞いた」
無限の球殻
第7章 星の森
星までの距離
シェゾーの計算
森林による類推
星々の森林
背景限界距離の算出
第8章 もやの立ちこめた森林
ウィルヘルム・オルバース
奇妙な一致
白熱した炉
第9章 世界の上の世界
トマス・ライトの推測
雲のような星々
カントと進化する宇宙
天の構築
第10章 カオスの啓示
新しい天文学
大論争
星雲のカタログ作成
第III部 謎の継続
第11章 フラクタル宇宙
新しい解答
階層的な森林
階層的な宇宙
カール・シャーリエ
階層構造宇宙に関する疑惑
第12章 可視的宇宙
アルゴスの王女イオ
宇宙への影響
二〇〇万光年
第13章 エドガー・アラン・ポーの金色の壁
後退する地平線
まったくの一様性
第14章 ケルヴィン卿が光明を見いだす
ケルヴィンの分析
ケルヴィンの解答
輝く星々の寿命
ケルヴィンの明るい空
第15章 エーテルのない空間、曲がった空間、そして真夜中の太陽
エーテルのない場所
曲がった空間
真夜中の太陽
有限の宇宙
第16章 膨張している宇宙
速度-距離の法則
最初の一〇万年
定常宇宙と暗い夜空
地平とビッグバン
第17章 宇宙の赤方偏移
赤方偏移による解答
定常宇宙における赤方偏移
赤方偏移による解答に対する疑い
第18章 宇宙のエネルギー
不十分なエネルギー
中のロウソクが太陽である箱
膨張する宇宙箱
捕らえどころのない謎
エピローグ
監訳者あとがき
付録1 ディッグスによる宇宙の無限についての説明
付録2 ハレーによる恒星天球の無限についての説明
付録3 シェゾーによる夜空の闇の謎についての説明
付録4 オルバースによる夜空の闇の謎についての説明
付録5 ケルヴィンによる古くて有名な仮説
原注
参考文献
索引
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