生活環境論

表紙
江口文陽著
尾形圭子著
須藤賢一著

ISBN4-8052-0728-0

A5判/192頁

\2,000+税



概要

高度な技術に支えられた現代社会における人間生活の様々な問題は, 広い意味の環境問題として統一的視点から検討する必要が生じる. 本書では,地球環境問題をはじめ,農業・林業から,病気と健康,食品,都市環境,家庭環境まで, 具体的な事例を取り上げながら既成の学問体系の枠を超えた形で問題解決の手がかりを探す.

目次

はじめに

第1章 地球環境の現況

1.1 世界の環境問題
 (1) 温暖化
  惑星の大気環境と気温の関係
  温暖化の要因
  温暖化の影響
  世界の温暖化防止への取組み
 (2) オゾン層の破壊
  オゾンホール
  オゾン層はどのようにしてできたか
  オゾン層破壊のメカニズム
  オゾン層破壊の影響と対策
 (3) 熱帯雨林の減退
  森林の役割
  熱帯雨林消失の要因
  熱帯雨林消失の影響
  熱帯雨林消失の影響
 (4) 環境内化学物質
  (a) 環境ホルモン――内分泌作用撹乱化学物質
  奪われし未来――野生生物の異常行動と化学物質
  ウィングスプレッド会議
  ホルモン作用とは
  合成化学物質がホルモン作用を撹乱するメカニズム
  (b) ダイオキシン
1.2 人口増加と環境問題
  人口増加と食糧問題
  人口増加と環境悪化
1.3 おわりに

第2章 農業・林業と自然環境

2.1 自然環境と農林業
 (1) 生命産業としての農林業
 (2) 生態系としての地球
 (3) 持続可能な農林業へ
2.2 21世紀の農業・林業政策
 (1) 自給の重要性
 (2) 持続可能な森林づくり
 (3) 農林業に関わる基本的視点

第3章 生活環境と健康

3.1 現代の健康問題
 (1) アレルギー
  アレルギーとは
  アレルギー性疾患の原因と予防
 (2) 感染症
  感染症の成り立ち
  感染症の最近の動向
 (3) がん
  (a) 悪性新生物の最近の傾向
  胃の悪性新生物
  大腸の悪性新生物
  乳房の悪性新生物
  子宮の悪性新生物
  その他の部位の悪性新生物
  (b) がんの危険因子
  がん発生の危険因子
  食物とがんの関係
  タバコとがんの関係
  アルコールとがんの関係
  ウイルスとがん
  遺伝とがん
 (4) 生活習慣病
  生活習慣病の現状
 (5) 自己免疫疾患
3.2 生活の中の芳香
 (1) 成分利用の変遷
 (2) 日本における木の成分利用
 (3) 木の芳香療法(アロマテラピー)
 (4) 木のアレロパシー
 (5) 温故知新の技術
 (6) 揮発性物質の基礎知識
  精油(エッセンシャルオイル)
  精油の製造法
  希釈濃度
  保存法
  賞香期限
 (7) アロマテラピー
  アロマテラピーとは
  アロマテラピーの歴史
  精油の作用経路
 (8) 生活におけるアロマテラピーの楽しみ方
  芳香浴
  アロマテラピーサロン
 (9) 医療の一環としてのアロマテラピー
3.3 生活の中の音楽
 (1) 音楽の癒し
 (2) 環境音楽
 (3) 生活の中での音楽の楽しみ方

第4章 食品と健康

4.1 食品とその用途
 (1) 食品素材とその活用法
 (2) 食品の機能性を活用するには
 (3) 特定保健用食品
 (4) 流通される輸入食品の検査体制
 (5) 輸入食品から検出されたもの
 (6) 自給率向上と地産地消のすすめ
 (7) 有機JAS規格制度
   有機農業とは
   有機JAS規格とは
   有機JAS規格の意義とは
   有機JASマークを見たことがあるか
   日本の農業の現状
   頑張ってきた日本の有機農業
   それでも日本は有機後進国
   日本の農家は認証制度を乗り越えられるか
   農村に遊びに行ってみよう
4.2 菌食としてのキノコと生理活性
 (1) キノコの歴史
  史実
  栽培法
  栽培種
  生産量
 (2) キノコの食文化
  食材
  世界のキノコ文化
 (3) キノコの生理活性
  抗菌作用
  抗腫瘍作用
  抗ウイルス作用
  降コレステロール作用

第5章 市民活動と都市生活環境

5.1 市民活動をテーマとする理由
5.2 生活環境と市民・事業者意識
 (1) 生活環境をめぐる市民・事業者意識の実態
 (2) 市民・事業者・行政に共通する問題点と解決の方向
5.3 市民活動が重視される時代背景
 (1) 「強兵なき富国」の道、成功ゆえの行き詰まり
 (2) 自己決定・自己責任の原理に基づく協働社会:PartnershipとPublic
 (3) 今、市民活動に求められる新たな役割
5.4 生活環境問題解決を通した地球規模の連携
 (1) 姉妹都市を活用した地域環境政策
 (2) 生活環境改善活動から地球市民のまちづくりへ
5.5 緑ゴミを核とした地域循環のあり方
 (1) なぜ「緑ゴミ」なのか
 (2) 群馬県バイオマス全体の中での緑ゴミの位置づけ
 (3) 緑ゴミを核とした地域静脈循環が日本を救う

第6章 現代社会における家族

6.1 家庭環境の変化と時代背景
 (1) 核家族化と少子化
 (2) 地域社会との関わり(住環境と周辺の環境)
 (3) 情報化社会の発展と普及
6.2 コミュニケーションの重要性
 (1) 子供の“心の発達”
 (2) 幼児・児童虐待
6.3 子供たちの未来

 参考文献
 索引