先端技術の個人情報保護

生命科学・情報科学・技術倫理の考え方
表紙
奥田孝之著
荒 勝俊著
山野 浩著

ISBN4-8052-0722-1

四六判/248頁

\1,800+税



概要

インターネットの普及を背景とする電子商取引, ゲノム情報の解明から遺伝情報に合わせたテーラーメイド医療や電子カルテによる診療情報交換等, 情報化の進展によるプライバシー侵害の危機的状況を紹介. 技術者や研究者が取り扱う個人情報について基本的な解説を行い,個人情報保護に向け,考え方と対応策を提示した.

目次

第一章 IT/バイオ技術と個人情報
 1・1 IT技術と個人情報
  新しいマーケティング手法と個人情報
  どこまでが個人情報か
  個人情報漏洩の意味を考える
  財産価値をもつ個人情報
 1・2 医療現場におけるプライバシー保護
  ヒト遺伝子(ゲノム)解析によって開かれる未来
   a 髪の毛に残された個人のプライバシー
   b 「無断解析」されていた遺伝子
   c 遺伝子情報漏洩の危機
  遺伝子診断・遺伝子検査のもたらす功罪
  出生前診断の明暗
  遺伝子診断と差別問題
  『知る権利』と『知らないでいる権利』
  「優生政策」の恐怖

第二章 個人情報保護と技術者の倫理
 2・1 e-ビジネスにおける技術者の倫理
  e-コマースの発展と個人情報
  安易な個人情報の取り扱い
 2・2 バイオ研究における科学者・技術者の倫理
 2・2・1 遺伝子情報解析における科学者・技術者の倫理
  科学者、技術者は神を超えるか?
  研究に潜む罠
  遺伝情報と差別
  科学者の倫理観
 2・2・2 遺伝子データの保護
  電子カルテとプライバシー保護
  遺伝子情報の守秘における真の脅威
 2・2・3 ヒト由来の材料と個人情報
 2・2・4 遺伝子特許と個人情報

第三章 ビジネス活動と個人情報
 3・1 e-ビジネスの光に潜む影
  目に見えない情報収集の網
  不正に入手される個人情報
 3・2 バイオビジネス/犯罪捜査活動からみた個人情報保護
 3・2・1 バイオビジネスにおける個人情報の位置付け
  ゲノムビジネスは本当に宝の山かパンドラの箱か?
  ゲノムビジネスにおけるデータベースの保護
  再生医療ビジネスと倫理
 3・2・2 DNA鑑定と倫理
  DNA鑑定で何ができるか
  親子鑑定・犯罪鑑定ビジネスと倫理

第四章 諸外国の個人情報保護制度とわが国の対応
 4・1 海外における個人情報保護制度の動向
  アメリカ
  スウェーデン
  ドイツ
  カナダ
  フランス
  OECDガイドライン
  イギリス
  EUデータ保護指令
 4・2 海外における遺伝子情報の取り扱い
  国際的生命倫理規範の設定
  生命科学研究の振興と倫理的問題に対処するアメリカ
  ヨーロッパにおける遺伝子解析研究の倫理的問題の対処指針
 4・3 わが国の個人情報保護制度の動向とその問題点
  わが国の個人情報保護制度の問題点
  包括的な個人情報保護制度への動き
  個人情報保護における倫理問題
 4・4 情報倫理の視点における個人情報保護

第五章 個人情報の守り方
 5・1 いかにして個人情報を守るか
  個人情報を守るための基本的な事項
  事例に見る個人情報の守り方
  プライバシーマークに注意しよう
 5・2 個人情報/プライバシーを守る技術と体制
  情報セキュリティ技術
  遺伝子情報の保護技術
  組織体制とコンプライアンスプログラム

 付録
 参考文献
 さくいん