デジタルストレス

パソコンに蝕まれる現代人
表紙
鐸木能光 著

ISBN4-8052-0692-6

四六判/256頁

\1,400+税



概要

コンピュータに代表されるデジタル技術は人間を幸福にしただろうか? パソコンが使えずリストラされる中高年,メールのやり取りから平気で人を殺傷する若者.デジタル革命に呑み込まれ表現力や個性を失った芸術や文化−−デジタルの便利さと引き替えに,何かが狂ってしまった.本書は現代文明の盲点を捉え,その対処法を解明する.

目次

はじめに

第一章 デジタルストレスの時代
 ◎デジタルアレルギー世代の苦悩
 ◎パソコンを使えない管理職の下で働くストレス
 ◎パソコンソフトに振り回されるストレス
 ◎マイクロソフト帝国に支配されるストレス
 ◎ウィンドウズユーザーとマックユーザーそれぞれのストレス
 ◎マイクロソフトが目指した「インターネットテレビ」型パソコン
 ◎コンピュータ社会が生んだ新たなヒエラルヒー

第二章 デジタル通信時代が生んだ新たなストレス
 ◎ストレスは電子メールにのってやってくる
 ◎ネット恋愛の罠
 ◎メール依存症への道
 ◎WEBの日記で心を晒す人々
 ◎あなたのインターネット・ジャンキー度測定テスト
 ◎サイバースクワッティングとドメイン狂想曲
 ◎WEBで復讐をする人々
 ◎インターネットの愉快犯たち
 ◎どんな画像も手に入る「自由」の堕落と恐怖

第三章 デジタル技術が文化を破壊する
◆音楽の現場から
 ◎今でもアナログレコードにはかなわない
 ◎デジタル録音技術大衆化の功罪
 ◎コンピュータによって失業したミュージシャンたち
 ◎音楽のデジタル配信と著作権
◆美術や映像の現場から
 ◎原画を「ファイルで納品」の恐怖
 ◎デジタルカメラは銀塩カメラを超えたか?
 ◎特撮技術の進歩が映画の中身も変えた
 ◎ハードの高性能化についていけないゲーム業界
 ◎映像処理技術が作り出す嘘の情報
◆文芸の現場から
 ◎文字コードに振り回された文学者たち
 ◎ミステリー小説はゲームソフトに勝てるのか?

第四章 デジタルストレスの正体を探る
 ◎DNA情報はデジタル情報か?
 ◎デジタルペットは人の心を癒せるか?
 ◎達人の技や経験はデジタルで管理できるか?
 ◎デジタル社会に生まれる「見えない汚染」の恐怖
 ◎「変換」したことで得られるものと失われるもの

第五章 デジタル文化とうまくつきあうために
 ◎インターネットは最後の荒野(フロンティア)
 ◎通勤地獄からの解放と価値の多様化
 ◎退職後のインターネット
 ◎田舎暮らしの勧め
 ◎そして再びアナログへ

 おわりに
 索引