＜ニューエンジニアリングライブラリー＞

改訂増補

廃棄物のバイオコンバージョン

ゼロエミッションをめざして
表紙
矢田　美恵子著
川口　博子著
佐々木　健著

ISBN4-8052-0681-0

A5判／320頁

\4,500+税

概要

微生物の酵素反応系を利用して付加価値の高い有用物質を生産するバイオコンバージョン（生物変換）は，数あるリサイクル技術の中で今最も期待されている．この技術の発想法，基本から応用までを解説し好評だった本書に，ゼロエミッション技術，環境ホルモンの分解・浄化技術の実例等最新の話題を加え，改訂・増補版とした．

目次

　はじめに

1.　廃棄物とバイオコンバージョン
　1.1　廃棄物とは何か
　　1.1.1　増え続ける廃棄物
　　1.1.2　都市ゴミなど一般廃棄物
　　1.1.3　処分場の現状
　　1.1.4　二酸化炭素排出の問題
　1.2　リサイクル法
　1.3　リサイクルの意義
　1.4　バイオコンバージョンとは
　1.5　今なぜバイオコンバージョンか
　1.6　ゼロエミッション
　参考文献

2.　バイオコンバージョンの基礎とその利用
　2.1　コンポスト
　　2.1.1　コンポストの歴史
　　2.1.2　コンポストの原理と発酵
　　2.1.3　コンポストの効果
　　2.1.4　コンポストの実際
　　2.1.5　機能性コンポスト
　　2.1.6　コンポストの経済性
　2.2　廃棄物処理と SCP 生産
　　2.2.1　有機性廃液からの SCP 生産
　　2.2.2　農林水産廃棄物からの SCP 生産
　2.3　廃棄物の再資源化
　　2.3.1　食品加工廃棄物資源化の実施例
　　2.3.2　水産廃棄物の再資源化
　　2.3.3　林業廃棄物の再資源化
　　2.3.4　廃棄物からの生分解性プラスチック生産
　2.4　廃棄物処理への酵素の利用
　参考文献

3.　バイオコンバージョンによるエネルギー生産
　3.1　メタン発酵
　　3.1.1　メタン発酵とは
　　3.1.2　単相メタン発酵
　　3.1.3　二相式メタン発酵
　　3.1.4　嫌気性固定床法
　　3.1.5　嫌気性流動床法
　　3.1.6　上向流嫌気性汚泥ブランケット法
　　3.1.7　メタン発酵の応用
　3.2　水素生産
　　3.2.1　水素エネルギーとは
　　3.2.2　微生物による水素生産
　　3.2.3　光合成微生物による水素発生
　　3.2.4　廃棄物からの水素生産
　3.3　エタノール生産
　　3.3.1　廃棄物からの燃料用エタノール生産
　　3.3.2　エタノール生産のための微生物の育種改良
　3.4　バイオ燃料の創製
　　3.4.1　植物油のディーゼル燃料化
　　3.4.2　廃食油の有効利用
　　3.4.3　脂質の分泌生産
　　3.4.4　微細藻類による燃料用油生産
　　3.4.5　微生物による石油生産
　参考文献

4.　ニューバイオコンバージョン
　4.1　油汚染の浄化処理技術
　　4.1.1　海洋汚染油の浄化
　　4.1.2　クウェート石油汚染土壌処理技術
　　4.1.3　産業廃油・生活廃油の分解処理
　4.2　光合成細菌によるバイオコンバージョン
　　4.2.1　光合成細菌の分類
　　4.2.2　有機性廃棄物からの菌体生産
　　4.2.3　ビタミン B12の蓄積
　　4.2.4　5-アミノレブリン酸の生産
　4.3　藻類によるバイオコンバージョン
　　4.3.1　微細藻類による有用物質生産
　　4.3.2　マリンバイオテクノロジー
　4.4　バイオレメディエーション
　　4.4.1　バイオレメディエーションとは
　　4.4.2　バイオレメディエーション技術
　　4.4.3　バイオレメディエーションのケーススタディ
　　4.4.4　微生物脱臭
　4.5　金属のリサイクル
　　4.5.1　金属のリサイクルの必要性
　　4.5.2　微生物の利用
　　4.5.3　動植物の利用
　　4.5.4　生体系物質の利用
　　4.5.5　酵素の利用
　4.6　環境ホルモン汚染と浄化
　　4.6.1　「環境ホルモン」の歴史的背景
　　4.6.2　環境ホルモン（内分泌攪乱化学物質）とは
　　4.6.3　汚染の実態
　　4.6.4　バイオ技術による環境ホルモンの分解、無毒化
　　4.6.5　環境ホルモンの化学的分解
　参考文献

5.　バイオコンバージョンの将来展望
　5.1　遺伝子組換え技術
　　5.1.1　遺伝子組換え技術の意義
　　5.1.2　遺伝子組換え技術の原理
　5.2　バイオリアクター
　　5.2.1　バイオリアクターとは
　　5.2.2　バイオリアクターの形式による分類
　　5.2.3　通気方式による分類
　　5.2.4　固定化法
　　5.2.5　バイオリアクターの基礎
　　5.2.6　廃棄物バイオコンバージョンへのバイオリアクターの利用
　　5.2.7　フォトバイオリアクター
　　5.2.8　バイオリアクターの応用
　5.3　分離精製（ダウンストリームプロセッシング）
　　5.3.1　バイオ生産物分離の特性
　　5.3.2　分離精製プロセス
　　5.3.3　廃棄物バイオコンバージョンにおける分離精製
　　5.3.4　廃水処理への膜分離の応用
　参考文献

　おわりに
　増補にあたって
　索引