製剤機械技術ハンドブック

表紙
製剤機械技術研究会編

ISBN4-8052-0667-5

B5判/792頁

\18,000+税



概要

医薬品製剤の製造技術の進歩は著しく,必要とされるガイドラインを含む規則や情報の量は,国際的な進展とともに膨大なものとなっている.本書では,製剤機器の目的と原理,実際の製剤機器,剤形製剤法,添加剤,試験法と試験機器,GMPとバリデーション,ユーティリティー,FA化およびCIM化について具体的に紹介している.

目次

序文

第1章 単位操作と製剤機器

1.1 粉砕
 1.1.1 目的
 1.1.2 原理
 1.1.3 装置の分類
  (a) タンブラー式粉砕機(媒体式)
  (b) 流体式粉砕機(気流式)
  (c) 衝撃式粉砕機(高速回転式)
  (d) その他

1.2 分級
 1.2.1 目的
 1.2.2 原理
 1.2.3 装置の分類
  (a) 内面運動ふるい機
  (b) 振動ふるい機
  (c) 内部撹拌式円筒ふるい
  (d) その他

1.3 混合、撹拌、捏和
 1.3.1 目的
 1.3.2 原理
 1.3.3 装置の分類
  (a) 拡散式ブレンダー(容器回転式)
  (b) 対流式ミキサー(機械撹拌式)
  (c) 気流式ミキサー

1.4 造粒
 1.4.1 目的
 1.4.2 原理
  (a) 粉体の凝集による造粒(Size Enlargemennt)
  (b) 粗大粒子の破砕、溶融液の分散(Size Reduction)
 1.4.3 装置の分類
  (a) 湿式高剪断造粒機
  (b) 回転造粒機(ROTO型)
  (c) 流動層造粒機
  (d) 乾燥造粒機
  (e) 押し出し造粒
  (f) 粉体に圧力の振動をかけるとにより、造粒する方式など

1.5 乾燥
 1.5.1 目的
 1.5.2 原理
  (a) 直接(熱風)加熱
  (b) 間接(伝導)加熱
 1.5.3 装置の分類

1.6 凍結乾燥
 1.6.1 目的
 1.6.2 原理
 1.6.3 装置の分類
  (a) 冷媒直膨システム
  (b) 重複冷凍システム
  (c) 熱媒循環システム(含;集中ブライン方式)
  (d) 三重熱交換式システム

1.7 打錠
 1.7.1 目的
 1.7.2 原理
 1.7.3 装置の分類
  (a) 臼穴への充填方式による分類
  (b) 錠剤成型プロセスによる分類
  (c) その他の特殊操作による分類

1.8 カプセル充填
 1.8.1 目的
 1.8.2 原理
 1.8.3 装置の分類

1.9 充填
 1.9.1 目的
 1.9.2 原理
 1.9.3 装置の分類
  (a) 粉末充填
  (b) 液体充填
  (c) 粘体充填

1.10 コーティング
 1.10.1 目的
 1.10.2 原理
 1.10.3 装置の分類
  (a) コーティングパン方式
  (b) 空気浮遊システム
  (c) 転動コーティング方式

1.11 濾過・圧搾
 1.11.1 目的
 1.11.2 原理
 1.11.3 装置の分類

1.12 乳化分散(ホモジナイザー)
 1.12.1 目的
 1.12.2 原理
 1.12.3 装置の分類
  (a) 高速回転式(局所高剪断ミキサー)
  (b) 高流速式(高圧ホモジナイザー)
  (c) 超音波ホモジナイザー
  (d) 低速回転式(全体撹拌ミキサー)

1.13 滅菌
 1.13.1 目的
 1.13.2 原理
 1.13.3 装置の分類
  (a) 高圧蒸気滅菌法
  (b) 乾熱滅菌法

1.14 蒸留水・精製水
 1.14.1 目的
 1.14.2 原理
 1.14.3 製造方式
  (a) 単効用缶式蒸留水製造装置
  (b) 多重効用缶式蒸留水製造装置

1.15 洗浄
 1.15.1 目的
 1.15.2 原理
 1.15.3 装置の分類
  (a) 連続超音波照射方式
  (b) 連続水平ロータリー方式による洗浄
  (c) 容器保持装置

1.16 供給
 1.16.1 装置の分類
  (a) 弁(バルブ)
  (b) フィーダー
 (c) 輸送装置

1.17 集塵
 1.17.1 目的
 1.17.2 原理
 1.17.3 装置の分類
  (a) バグフィルター(濾過集塵)
  (b) 2サイクロン(遠心力集塵)
  (c) 沈降ボックス(慣性集塵)
  (d) スクラバ(洗浄集塵)
  (e) 電気集塵機(Electrostatic Precipitator またはコットレル)

1.18 印刷
 1.18.1 目的
 1.18.2 原理
 1.18.3 装置の分類

1.19 検査
 1.19.1 目的
 1.19.2 原理
  (a) CCD固体カメラによる外観検査装置
  (b) 秤量信号による重量選別機
  (c) 差圧信号によるリーク検査機
  (d) 金属片の検出器
  (e) 微生物試験
  (f) ソフトX線による内部検査

1.20 包装
 1.20.1 目的
 1.20.2 原理
  (a) PTP(Press Through Pack)
  (b) 瓶小分包装
  (c) 無菌小分包装

1.21 その他
 1.21.1 目的
 1.21.2 原理
  (a) アイソレータ
  (b) 産業用秤
  (c) 赤外線水分計
  (d) 無線式温度計

第2章 剤形と製剤法

2.1 エアゾール製剤
 2.1.1 エアゾール製剤の特徴
 2.1.2 噴射剤
 2.1.3 原液の製造

2.2 液剤・ローション剤
 2.2.1 内用液剤
  (a) 処方について
  (b) 製造方法の一例
 2.2.2 外用液剤
  (a) 処方について
  (b) 製造方法の一例
 2.2.3 ローション剤
  (a) 処方について
  (b) 製造方法の一例

2.3 軟カプセル剤
 2.3.1 ゼラチン剤皮製造工程
 2.3.2 内容液製造工程
 2.3.3 軟カプセル製造工程
 2.3.4 軟カプセル剤の特徴

2.4 硬カプセル製剤
 2.4.1 硬カプセル
 2.4.2 硬カプセル製剤の特性
 2.4.3 製剤設計
  (a) 粉末または顆粒充填
  (b) 液充填
  (c) バンドシール

2.5 散剤・顆粒剤
 2.5.1 押出造粒法
 2.5.2 高速混合撹拌造粒法
 2.5.3 流動層造粒法

2.6 シロップ剤・懸濁剤
  (a) シロップ剤
  (b) 懸濁剤・乳剤
 2.6.1 設計製剤
  (a) 溶解度
  (b) 製剤の性状と服用性
  (c) 化学的安定性
  (d) 物理的安定性
  (e) 微生物的安定性
  (f) 配合変化
 2.6.2 製造工程とプロセスの変動要因
 2.6.3 懸濁シロップ剤の製造方法
 (a) 分散方法
 (b) 懸濁シロップ剤の製造方法
 2.6.4 内服用液剤の課題
  (a) 定量分取性
  (b) 高浸透圧性
  (c) アルコール含有度
 2.6.5 新しい内服用液剤と新規添加剤
  (a) 徐放性シロップ剤
  (b) 分包シロップ剤
  (c) 新規添加剤

2.7 貼付剤・パップ剤
 2.7.1 貼付剤
 2.7.2 パップ剤

2.8 坐剤
 2.8.1 坐剤の製造法
 2.8.2 製造の各工程

2.9 錠剤
 2.9.1 直接粉末圧縮法
 2.9.2 乾式顆粒圧縮法
 2.9.3 湿式顆粒圧縮法

2.10 錠剤(特殊錠剤)
  (a) 圧縮コーティング錠
  (b) 多層錠
  (c) チュアブル錠
  (d) 発砲錠
  (e) 持続性錠剤
  (f) トローチ
  (g) バッカル剤
  (h) 舌下錠
  (i) 急速崩壊型錠剤(口腔内速崩壊型錠剤)

2.11 コーティング剤
 2.11.1 コーティング錠剤
 2.11.2 コーティング顆粒剤
 2.11.3 無溶媒コーティング

2.12 注射剤(通常製剤)
 2.12.1 溶液注射剤(最終滅菌法)
 2.12.2 溶液注射剤(濾過滅菌法)
 2.12.3 粉末注射剤(凍結乾燥法)
 2.12.4 粉末注射剤(粉末充填法)

2.13 注射剤(特殊製剤)
 2.13.1 生体内分解性高分子利用持続性注射剤の概要
 2.13.2 製剤設計・製造法デザイン
 2.13.3 水中乾燥法によるマイクロカプセル製造法
 2.13.4 無菌保証システム
  (a) 製造施設
  (b) 製造設備・機器・器具
  (c) 製造工程
  (d) 原材料
 2.13.5 特殊製剤における今後の展開

2.14 点眼剤
 2.14.1 無菌操作法
 2.14.2 調整

2.15 トローチ剤
  (a) 顆粒圧縮法
  (b) 直接圧縮法
  (c) 湿式成型法(Molding)

2.16 軟膏・眼軟膏
 2.16.1 油脂性軟膏剤
 2.16.2 乳剤性軟膏剤
 2.16.3 水溶性軟膏剤
 2.16.4 眼軟膏剤

2.17 デバイス(キット、経肺・経鼻製剤など)
 2.17.1 オキュサート
 2.17.2 キット
 2.17.3 経肺・経鼻製剤

2.18 漢方・生薬抽出製剤
 2.18.1 はじめに
 2.18.2 原料生薬の加工
 2.18.3 乾燥エキス、軟エキス
 2.18.4 製造管理および品質管理における留意点

第3章 添加剤

3.1 医薬品添加剤
 3.1.1 医薬品添加剤の基本要件
 3.1.2 添加剤の種類と公定書収載の添加剤など
  (a) 添加剤の種類
  (b) 公定書収載の添加剤と使用前例のある添加剤
 3.1.3 新添加剤を配合した製剤の承認申請
  (a) 新添加剤と承認申請
  (b) 新添加剤に必要な添付書類
 3.1.4 添加剤の添付文書への記載義務
 3.1.5 GMPについて
 3.1.6 添加剤と品質規格の国際調和
 3.1.7 おわりに

3.2 SUPACにおける処方変更
 3.2.1 はじめに
 3.2.2 経口固形製剤の区分
 3.2.3 提出書類に関する要求内容
 3.2.4 溶出試験に関する要求内容
 3.2.5 変更のクラス分け
 3.2.6 成分と組成に関する要求内容
  (a) レベル1
  (b) レベル2
  (c) レベル3
 3.2.7 生物薬剤学的背景
 3.2.8 SUPAC-IR/MRの処方変更に対するまとめ
 3.2.9 日本のガイドラインとの比較
 3.2.10 終わりに

第4章 製剤の試験法と試験機器

4.1 製剤試験
 4.1.1 固形製剤
 4.1.2 液剤
 4.1.3 半固形製剤
 4.1.4 パップ剤
 4.1.5 エアゾール剤
 4.1.6 その他の製剤

4.2 包装・検査

4.3 環境など
 4.3.1 エアー
 4.3.2 用水

 メーカー一覧

第5章 GMPとバリデーション

5.1 医薬品GMP概論
 5.1.1 GMP制定の背景と相互承認の動き
 5.1.2 GMPの基本要件
  (a) 人為的な誤りを最小限にする(混同、手違いの防止)
  (b) 医薬品に対する汚染および品質低下を防止する(立地条件として汚染された環境にないこと)
  (c) 高い品質を保証するシステムの設計(品質保証の観点から組織全体の仕組み作りが必要)
 5.1.3 日本のGMP
  (a) GMPへの取り組み
  (b) GMPの概要
  (c) 医薬品GMPと周辺GMP
  (d) GMPIと相互承認
 5.1.4 海外各国のGMP
  (a) WHO-GMPについて
  (b) C-GMP
  (c) EUのGMP
  (d) ASEAN-GMPについて

5.2 製剤機械とバリデーション
 5.2.1 各種バリデーションの関係
  (a) GMP
  (b) バリデーション
  (c) バリデーションの時系列的分類
  (d) 予測的バリデーション
  (e) 変更時バリデーション
  (f) 定期的バリデーション
 5.2.2 装置(設備の適格性確認)
  (a) 設計の適格性の確認
  (b) 据付適格性の確認
  (c) 計測機器のキャリブレーション
  (d) 運転性能適格性の確認
  (e) 稼働性能適格性の確認

5.3 プロセスバリデーション
 5.3.1 バリデーション基準について
 5.3.2 プロセスバリデーションのタイプ
 5.3.3 経口固形製剤とプロセスバリデーション
  (a) 混合工程
  (b) 造粒工程
  (c) 滑沢剤混合
  (d) 打錠工程
 5.3.4 無菌製剤とプロセスバリデーション
  (a) 高圧蒸気滅菌法のバリデーション
  (b) 乾熱滅菌法のバリデーション
  (c) 培地充填のバリデーション
 5.3.5 洗浄バリデーション
  (a) 洗浄方法
  (b) サンプリング方法
  (c) 分析方法

5.4 コンピュータバリデーション
 5.4.1 なぜコンピュータバリデーションが必要か
 5.4.2 コンピュータ利用の歴史と今後
 5.4.3 コンピュータ利用の対象とリスク

5.5 キャリブレーション
 5.5.1 医薬品GMPの要求事項と校正の基礎
  (a) 医薬GMPの要求事項
  (b) 校正の基礎
  (c) 校正用標準器
 5.5.2 各種計測機器のキャリブレーション
  (a) 温度計器のループキャリブレーション要請の一例
  (b) 圧力計器のキャリブレーション
 5.5.3 分析機器の校正
  (a) pH計のキャリブレーション
  (b) 導電率計器の単体キャリブレーション要領

第6章 ユーティリティー

6.1 製造用水
 6.1.1 製造用水の種類と基準
  (a) 医薬品に求められる水
  (b) 製造用水の種類と用途
  (c) 日本、米国における水の基準とその比較
 6.1.2 製造用水供給システムの概要
  (a) 構成機器の概要
  (b) 構成機器の比較
  (c) システムの構成例
 6.1.3 細菌管理
  (a) 精製水の細菌管理
  (b) 注射用水の細菌管理
 6.1.4 バリデーション
  (a) 設計時におけるバリデーション
  (b) 据付時におけるバリデーション
  (c) 試運転時におけるバリデーション
  (d) 日常のバリデーション
 6.1.5 メーカー一覧

6.2 空調設備
 6.2.1 医薬品製造工場の計画
  (a) 人・物の動線計画
  (b) バリアシステム
 6.2.2 空調設備とその維持管理
  (a) 環境条件
  (b) 清浄度維持および交差汚染防止
  (c) ハザード系空調システム
  (d) 空調設備のバリデーション
  (e) 省エネルギーおよび環境保護
 6.2.3 無菌室の滅菌と薫蒸システム

 空調関連設備機器メーカー一覧

第7章 生産ラインとFA・CIM化

7.1 製剤工場FA・CIM化の背景
 7.1.1 製剤工場としての特殊性
  (a) GMPと汚染防止
  (b) バリデーション強化と生産管理データの自動記録
  (c) クローズド化による作業環境の向上
  (d) 熟練作業員減少への対応と作業標準化
 7.1.2 FA化を推進する技術的背景
  (a) コンピュータの信頼性向上と低廉化
  (b) 自動マテハン機器の開発
 7.1.3 FA化への一般的要求
  (a) 生産性向上要求
  (b) 作業員に対する省力化要求

7.2 FA化計画の手順
 7.2.1 コンセプト
 7.2.2 FA化計画手順
 7.2.3 FA化計画の要因
  (a) コストバランス
  (b) FA化と建築計画
 7.2.4 計画案の評価
 7.2.5 詳細検討
  (a) フレキシビリティーへの対応
  (b) メンテナンス計画

7.3 固形製剤工場FA化ラインと構成例

7.4 FA化の要素技術
 7.4.1 容器(コンテナ)の選択
 7.4.2 生産機械への供給システム
  (a) 上階投入方式
  (b) リフター投入方式
  (c) ニューマ投入方式
 7.4.3 立体自動倉庫(AS/RS)
 7.4.4 自動搬送装置
 7.4.5 容器洗浄装置

7.5 生産情報管理とCIM化
 7.5.1 CIM化構築時の設計情報
 7.5.2 システムのユニット化と階層化
 7.5.3 バージョン管理と変更管理

 付録
 索引