放課後博物館へようこそ
地域と市民を結ぶ博物館
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浜口哲一著
ISBN4-8052-0656-X
四六判/240頁
\1,800+税
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概要
展示室を見学するだけでなく,市民がどんどん活動に参加できる「放課後博物館」の例として,平塚市博物館ができるまでのとその多様な活動(漂着物を拾う会,セミのぬけがら調べなど)を紹介.他に各地の放課後博物館の紹介,自分の放課後博物館の探し方・作り方,学芸員になるにはなど,新しい博物館像につながる情報が満載.
目次
はじめに
I.博物館を作る 準備室の日々
<1> 学芸員を志して
横須賀市博物館との出会い
三浦半島自然保護の会
東京の博物館
自然観察会の仲間たち
清澄山の調査
<2> 学芸員になった日
平塚市博物館準備室
ゼロからのスタート
<3> アクティブな準備室
岡崎上ノ入遺跡の発掘
・始まった発掘調査
・全校生徒に配った発掘ニュース
・稲作研究会の人たち
博物館通信
観察会を始める
・たった四人で初めての観察会
・根付いていった観察会
学芸員との交流
<4> 考え、議論し、そして悩む学芸員
小島さんの博物館観
・地域博物館という考え
・学際性を持つ
・館のテーマは「相模川流域の自然と文化」
・博物館の建築に生かされた小島さんの考え
フィールドとは何か 相模川河口での経験から
・最初のフィールド 相模川河口
・干潟が消える?
・学芸員にとってのフィールドとは?
・二日続けて珍鳥が
社会教育という視点
・金子さんに教わったこと
・鈴木さんに教わったこと
<5> 開館までの道
難航する博物館建設
展示を作る
オープン一カ月前
II.動き出した博物館
<1> 博物館オープン
こぎ着けた開館
博物館の普及活動
最初の特別展
土曜観察会と自然の新聞
小学校とのつながり 秦野の愛鳥教育
さまざまな協力者
<2> 地域の自然を調べる 博物館の調査活動
淡水魚の調査
・慣れない魚の調査に取り組む
・相模川全域の魚を調べる
・頼りになる助っ人
・神奈川県レッドデータ調査
鳴く虫の調査
・『ばったりぎす』に刺激されて
・初記録の直翅類を求めて
・フキバッタのなかま
・鳴く虫暦を作る
・鳴く虫地図を作る
神奈川県植物誌調査
・植物誌調査の始まり
・ひたすら植物を求めて
・カンアオイの謎
・一枚一枚、目を通した二万枚の標本
・『湘南植物誌』を作る
・できあがった『神奈川県植物誌1988』
・次の植物誌を目指して
<3> 新たな活動スタイルを求めて
相模川を歩く会
・歩き継いで源流へ
・冊子の発行
・帰り道
・相模川事典を作る
漂着物を拾う会
・拾う会の始まり
・なぜ、会を始めたか
・続いた発見
・全国の仲間との交流
・特別展「砂浜の発見」
・常設展示室の中で
・マスコミの注目
「みんなで調べよう」が目指した市民参加調査
・取り組んだタンポポ調査
・タンポポ調査から学んだこと
・ツバメからカエルへ
・市民参加調査の進め方
セミのぬけがら調べ
・面白そうなぬけがら調べ
・五千個のぬけがらを集めて
・見つかったクマゼミのから
・土曜観察会で高麗山のセミを調べる
・湘南全域での調査へ
・『セミのぬけがら調べ』の刊行
・ぬけがらの夢を見た全国調査
・できあがったぬけがらコレクション
III.放課後博物館とその活動
<1> 浮かび上がった新しい博物館像
放課後博物館と遠足博物館
つながり合う機能と市民参加
活動を支えるテーマの設定
博物館の資料とその価値
博物館の扱う情報
入場無料も放課後博物館の条件
<2> 各地の放課後博物館
日本の博物館
茅ヶ崎市文化資料館の『自然の新聞』
川崎市青少年科学館の「かわさき自然調査団」
厚木市郷土資料館の「厚木動植物調査会」
横須賀市自然・人文博物館の「水系環境を考える会」
市川自然博物館の展示室
IV.あなたの放課後博物館を見つけるには
<1> 自分の博物館を探す
生活を豊かにする博物館活動への参加
どうやって博物館を探せばよいか
<2> 博物館を訪ねたら
展示室を見よう
特別展に注目
裏方を見る機会があれば
<3> 博物館を使いこなす
刊行物の利用
問い合わせをする
行事に参加する
ボランティアになろう
寄贈という協力
<4> 博物館を作る運動
<5> 学芸員になるには
学芸員の仕事
博物館実習
学芸員への道
<6> 放課後博物館が作る地域の文化
あとがき
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