クゥとサルが鳴くとき

下北のサルから学んだこと
表紙
松岡史朗著

ISBN4-8052-0650-0

A5判/240頁

\2,200+税



概要

「世界最北限のサル」の生息地・青森県下北郡脇野沢村に移り住み,野生ザルの撮影・観察をライフワークとする著者が,豊富な写真と温かい文章で群れ社会のドラマを描く.サルの世界の子育てや介護,ハナレザル,障害をもつサルの生き方など,新しいニホンザル像が見えてくる.また,野生生物と人間の共存の可能性について問う.

目次

カラー口絵

プロローグ

第1章 世界最北限・下北半島のサル
 奇跡のサル
 北緯四一度の意味
 山のサルと海のサル
 ここが違う北限のサル
  COLUMN 「カ行」がサルの鳴き声?

第2章 群れと遊動
 サルは友達
 個性豊かな群れ
 なぜ、群れるのか?
 ハナレザル
 気ままな遊動
 サルたちの地図
  COLUMN サブグルーピング

第3章 サルもさるもの
 森は楽しいレストラン
 体重測定
 〈クゥ〉とサルが鳴くとき
 こころを伝える鳴き声
 グルーミング

第4章 春うらら
 南風に誘われて
 母なるもの
 可愛らしさの秘密
 ふたごは育つか ――フータとゴーの物語

第5章 サル流、夏の過ごし方
 昼寝が一番
 水遊び
 河童伝説

第6章 胸騒ぎな秋
 紅顔の美少年
 誘いのテクニック
 燃え上がるあの瞬間

第7章 厳冬に生きる
 シベリアおろし
 宿命
 冬を楽しむ
  COLUMN ベビーの死亡率

第8章 生きるということ
 顔の傷はオスの勲章?
 ハンディキャップ
 老い
 生と死

第9章 サルを撮る
 フィールドサインを見逃すな
 自由と誇り
 自然体で近づこう

第10章 サルのこころ、人のこころ
 サルあれこれ問答
 もしも、サル語が話せたら

エピローグ ――サルに恋して――

 あとがき
 付録(下北A群の推移/下北南西域のサルの食べ物リスト)
 写真解説
 著者紹介
 見返し(下北A-85群、A-87群の家系図)