<鉄鋼技術の流れ 10>

鉄鋼の迅速分析

速さ,精度,信頼性への挑戦
表紙
佐伯正夫著
日本鉄鋼協会監修

ISBN4-8052-0607-1

A5判/192頁

\3,000+税



概要

分析技術は鉄鋼技術の進歩を確かめ,次の発展への礎となってきた.現在の鉄鋼分析,特に迅速分析では,最新の機器で瞬時に多くの情報が提供される.迅速分析の経過に集約された技術の本質を明らかにするため,発展の過程を戦後のわが国における鉄鋼技術の流れの中で体系化して考えてみた.

目次

1.日本の鉄鋼分析の現状
 1.1 はじめに
 1.2 鉄鋼製造における分析
  1.2.1 製造工程と分析の関係
  1.2.2 鉄鋼迅速分析の新技術
  1.2.3 分析の品質保証,試験所認定
 1.3 研究開発における分析
 1.4 新規事業における分析
  1.4.1 新規事業分野での分析
  1.4.2 社外分析事業の推進
 1.5 共同活動
  1.5.1 共同活動の必要性と全体像
  1.5.2 主な組織の活動状況

2.戦後50年間の鉄鋼分析技術の流れ
 2.1 はじめに
 2.2 戦後復興期(1945〜1958年)
    迅速化学分析の時代
  2.2.1 概況
  2.2.2 鉄鋼分析技術の流れ
 2.3 高度成長期(1959〜1974年)
    迅速機器分析の導入と定着の時代
  2.3.1 概況
  2.3.2 鉄鋼分析技術の流れ
 2.4 成熟期(1975〜1990年)
    分析・解析の高性能化・システム化の時代
  2.4.1 概況
  2.4.2 鉄鋼分析技術の流れ

3.スパーク放電発光分光分析技術の流れ
 3.1 はじめに
  3.1.1 概要
  3.1.2 発光分光分析法の構成要素
  3.1.3 発光分光分析法の歴史
  3.1.4 戦後50年間の時代区分
 3.2 常圧型写真測光式発光分光分析の時代(1945〜1958年)
  3.2.1 時代背景と技術課題
  3.2.2 学振法の決定
  3.2.3 問題点
  3.2.4 欧米では光電測光式へ
 3.3 真空型光電測光式発光分光分析の導入と定着の時代(1959〜1974年)
  3.3.1 時代背景と技術課題
  3.3.2 光電測光式の導入
  3.3.3 光電測光式の立ち上げ
  3.3.4 光電測光式の定着
  3.3.5 新技術の萌芽
 3.4 発光分光分析の発展の時代(1975〜1991年)
  3.4.1 時代背景と技術課題
  3.4.2 パルス分布測定法(PDA法)の開発と発展
  3.4.3 新しい放電条件と発光装置の開発
  3.4.4 分析精度の向上と微量域への拡大
  3.4.5 分析の自動化,システム化
 3.5 発光分光分析の新展開の時代(1992年〜)
  3.5.1 時代背景と技術課題
  3.5.2 鋼中微量C,N,Oの定量
  3.5.3 鋼中酸化物系介在物の定量

4.スパーク放電以外の発光分光分析技術の流れ
 4.1 はじめに
  4.1.1 概要
  4.1.2 光源の種類と特徴
  4.1.3 スパーク放電以外の代表例
 4.2 ICP発光分光分析技術
  4.2.1 概要
  4.2.2 主な適用例
  4.2.3 今後の課題
 4.3 グロー放電発光分光分析技術
  4.3.1 概要
  4.3.2 主な適用例
  4.3.3 今後の課題
 4.4 レーザー発光分光分析技術
  4.4.1 概要
  4.4.2 主な適用例
  4.4.3 今後の課題
 4.5 フレーム発光分光分析技術
  4.5.1 概要
  4.5.2 主な適用例
  4.5.3 今後の課題
 4.6 レーザー気化ICP発光分光分析技術
  4.6.1 概要
  4.6.2 主な適用例
  4.6.3 今後の課題

5.鉄鋼迅速分析における今後の課題
 5.1 はじめに
 5.2 今後の発光分光分析の技術課題
  5.2.1 基礎研究の充実
  5.2.2 各種の光源の比較評価
  5.2.3 装置の分光系や測光システムの革新
  5.2.4 トレーサビリティの確立
  5.2.5 溶鋼,鋼材からのサンプリングや試料調製法の見直し
 5.3 欧州における鉄鋼分析技術の進歩
  5.3.1 鉄鋼分析技術の現状と協力体制の必要性
  5.3.2 ECSCの研究開発プロジェクト
  5.3.3 CETAS(欧州鉄鋼分析委員会)と国際会議
  5.3.4 今後の方向
 5.4 鉄鋼迅速分析法の研究開発の進め方
  5.4.1 科学技術戦略に立脚し効率的な研究開発
  5.4.2 産学官の協力体制
  5.4.3  分析装置メーカーや外国との協力体制
  5.4.4 鉄鋼分析研究者や技術者への期待

資料
 資料1 最近の鉄鋼分析法の進歩 宗宮尚行
 資料2 製鋼技術の発展に伴う管理分析の推移と問題点
     前川静弥
 資料3 発光分光分析の展望 広川吉之助