<鉄鋼技術の流れ 2>

取鍋精錬法

多品種・高品質鋼 量産化への挑戦
表紙
梶岡 博幸著
日本鉄鋼協会監修

ISBN4-8052-0536-9

A5判/258頁

\4,200+税



概要

製鋼技術の流れをある程度表現することも考え,転炉法と連続鋳造法を結びつける上で重要な役割を果たす取鍋精錬法の発展と,取鍋で実行されている主要な冶金操作の技術発展について記述した.年表的記述はできるだけ避け,技術の流れがわかるように,技術思想史的にまとめるように留意した.

目次

1.取鍋精錬法(二次精錬法)の意義
  −製鋼プロセスにおける取鍋精錬法の位置づけ−
 1.1 取鍋精錬法の必要性
 1.2 取鍋精錬法の定義
 1.3 工業化されている取鍋精錬法

2.取鍋精錬法の発展
  −多品種・高品質鋼量産化への挑戦 1861〜−
 2.1 溶鋼製鋼法の誕生
    −取鍋精錬法の萌芽 1861〜1920−
  2.1.1 真空脱ガス法の芽生え
  2.1.2 スラグ精錬の誕生
  2.1.3 合併法の発展(分割精錬法の芽生え)
 2.2 高純化、高清浄度化技術の胎動
    −精錬法の物理化学の進歩 1920〜1945−
  2.2.1 欧米における状況
  2.2.2 日本の状況
 2.3 取鍋精錬法の誕生
    −酸性操業の終焉、取鍋精錬による特殊鋼の生産方式の確立 1945〜1990−
  2.3.1 Bochumer法(流滴脱ガス法)の誕生・発展
  2.3.2 取鍋脱ガス法(タンク脱ガス法)の発展、多機能化
 2.4 量産鋼用取鍋精錬法の誕生、発展
    −“転炉・取鍋精錬”から成る製鋼法の誕生 1955〜1975−
  2.4.1 DH法(真空吸い上げ脱ガス法)の誕生、発展
  2.4.2 RH法(循環脱ガス法)の誕生、発展
  2.4.3 簡易取鍋精錬法(真空装置を用いない)の実用化
 2.5 取鍋精錬法の定着
    −“粗精錬・取鍋精錬・連続鋳造”から成る現代製鋼法の発展、1970〜1995−
  2.5.1 DH法・RH法の機能向上、多機能化
  2.5.2 簡易取鍋精錬法の発展
  2.5.3 脱燐法の発展(分割精錬法の誕生)
 2.6 取鍋精錬法の展開
    −21世紀の製鋼法(取鍋精錬法)1995〜−
  2.6.1 取鍋精錬法の改善方向
  2.6.2 現状の製鋼工程を簡略するための取鍋精錬法の課題
  2.6.3 21世紀の製鋼法

3.取鍋精錬技術の発展
 3.1 脱ガス(脱水素・脱窒素)技術
  3.1.1 脱水素
  3.1.2 脱窒(素)技術
 3.2 減圧下での脱炭技術
  3.2.1 真空精錬法が導入された頃の脱炭技術
  3.2.2 極低炭化のためのRH法での脱炭技術
  3.2.3 ステンレス鋼の減圧下での脱炭技術
 3.3 脱酸技術、介在物の形態制御技術
  3.3.1 脱酸技術
  3.3.2 介在物の形態制御技術(酸化物系介在物)
 3.4 脱硫技術
  3.4.1 脱硫反応
  3.4.2 脱硫速度
  3.4.3 硫化物系介在物の形態制御
  3.4.4 取鍋脱硫法における操業実績
 3.5 取鍋精錬の発展を支えた技術
  3.5.1 攪拌技術
  3.5.2 関連技術