<鉄鋼技術の流れ 5>

薄板連続圧延

世界一を目指した技術者達の記録
表紙
蒲田 正誠著
日本鉄鋼協会監修

ISBN4-8052-0519-9

A5判/308頁

\4,500+税



概要

薄板製造の中心的役割を果たしてきたタンデム圧延機を用いた連続圧延は,1970年以降,わが国で冷間圧延工程の完全連続化,連続鋳造と熱延工程の連続化など,革新的技術開発が行なわれた.本書はこれらの技術を技術史的視野から総合的に解説し,今後の技術開発の基礎となる考え方をまとめた.

目次

1.パススケジュール計算
 1.1 概論
 1.2 パワーカーブを用いたパススケジュール計算法
  1.2.1 仕上げ圧延のパススケジュールの計画法
  1.2.2 動力曲線式の定式化
 1.3 圧延理論を基にしたパススケジュール計算法
  1.3.1 圧延動力配分率を制約条件とする計算法
  1.3.2 圧延荷重配分率を制約条件として計算する手法
 1.4 パススケジュールの最適化I
    ダイナミックプログラミングの適用
  1.4.1 ダイナミックプログラミングの多段決定過程理論による定式化
  1.4.2 ダイナミックプログラミングの特徴
  1.4.3 境界条件と制限条件
  1.4.4 数値計算法
  1.4.5 評価関数
 1.5 パススケジュールの最適化II
    ファジィ多目的計画法の適用
  1.5.1 多目的計画問題としての定式化
  1.5.2 決定変数
  1.5.3 目的関数
  1.5.4 制約関数
  1.5.5 ファジィ多目的計画法による最適パススケジュール
  1.5.6 最適パススケジュールの計算
 1.6 パススケジュールの最適化III
    エキスパートシステムの適用
  1.6.1 エキスパートシステム導入の背景
  1.6.2 現状モデルの精度限界
  1.6.3 エキスパートシステムの利点
  1.6.4 エキスパートシステム
  1.6.5 適用結果
 1.7 パススケジュール計算の総括

2.連続圧延における静特性解析
 2.1 概論
 2.2 冷間圧延の静特性解析
  2.2.1 基本方程式
  2.2.2 冷間圧延の影響係数計算法
 2.3 熱間圧延の静特性解析
  2.3.1 基本方程式
  2.3.2 熱間圧延の影響係数計算法
 2.4 静特性解析の総括

3.連続圧延における動特性解析
 3.1 概論
 3.2 冷間圧延の動特性解析
  3.2.1 基本方程式
  3.2.2 線形計算法
  3.2.3 非線形計算法
 3.3 熱間圧延の動特性解析
  3.3.1 基本方程式
  3.3.2 解析から得られた結果
 3.4 動特性解析の総括

4.連続圧延理論の応用(I) 主として板厚制御に関する検討
 4.1 概論
 4.2 定常圧延時板厚制御システム
  4.2.1 冷間タンデム圧延の板厚制御
  4.2.2 熱間タンデム圧延の板厚制御
  4.2.3 板厚制御改善に対するハード技術の進展
  4.2.4 最近の板厚制御の進展方向
 4.3 非定常圧延時板厚制御
  4.3.1 加減速時板厚制御
  4.3.2 走間板厚変更技術と連続化技術
  4.3.3 コイル先端部及び後端部オフゲージ減少制御
 4.4 連続圧延理論を応用して開発されたその他の板厚制御技術
 4.5 板厚制御の総括

5.連続圧延理論の応用(II)
   主としてクラウン・形状・エッジドロップに関する検討
 5.1 概論
 5.2 単スタンド圧延における形状,クラウン,エッジドロップ特性
  5.2.1 材料の変形特性の概要
  5.2.2 エッジドロップに関する考察
  5.2.3 ロールの変形挙動
 5.3 製品の形状クラウンを考慮した連続圧延理論
 5.4 単スタンド圧延における板クラウン簡易計算法
  5.4.1 張力のフィードバックによる形状安定化機構
  5.4.2 熱延における板クラウンの簡易式
 5.5 クラウン制御ミルの配置問題
 5.6 クラウン・形状,エッジドロップ制御法
  5.6.1 板クラウン制御法
  5.6.2 形状制御
  5.6.3 エッジドロップ制御
 5.7 クラウン・形状・エッジドロップの総括

資料
 資料1 油圧圧下開発小史 野村 進
 資料2 完全連続式冷間タンデム圧延機の開発 鎌田正誠
 資料3 HCミル物語 梶原利幸