帰ってきたカワセミ

都心での子育て プロポーズから巣立ちまで
表紙
矢野 亮著

ISBN4-8052-0512-1

A5判/176頁

\1,800+税



概要

都心に残された貴重な森,自然教育園(東京都港区)には毎年のようにカワセミが繁殖をしている.一目その姿を見たときからカワセミの虜となった著者は,夜明け前から日没後まで,狭い観察小屋の中でカワセミの生態・行動を追い続けた.都会でたくましく生きるカワセミの感動と発見の記録.

目次

序章 東京のカワセミ
 「飛ぶ宝石」カワセミ
 帰ってきた東京のカワセミ
 都心のオアシス「自然教育園」
 私はナチュラリスト
 カラー口絵

第1章 はじめての出会い
 空色の小さなもの
 そっとしておきたい
 新居はゴミ捨て場
 ブラインドの中から
 残された一羽の雛
 オスの失踪

第2章 衝撃の1冊
 資料集め
 『気分はカワセミ』
 岐阜県関市へ
 コンクリートブロックの人工巣
 再び旭川へ
 人工飼育成功

第3章 三年ぶりのカワセミ
 迎賓館のカワセミ
 繁殖地の整備
 ビデオ機器の導入
 二人の助っ人

第4章 カワセミの繁殖パターン
 調査時間は4242時間
 繁殖パターン

第5章 巣作りとプロポーズ
 カワセミの巣穴
 巣穴はほぼ横直線
 巣作り
 第二回目の繁殖の巣作り
 熱愛カップル
 メスが主導権
 大忙しのプロポーズ
 街の中は嫁不足

第6章 産卵と抱卵
 産卵数はメスの行動から推定
 産卵までの一連の行動
 産卵前夜は巣泊まり
 産卵中の抱卵
 オスの方が抱卵時間は長い
 夜はメスが抱卵する
 抱卵期の一日の活動時間
 交替のパターン
 迎賓館「新館」
 抱卵は一日六交代制
 規則正しい朝夕の交替
 抱卵時間は434時間31分

第7章 雛への給餌
 難問に挑戦
 槇原に負けるな!
 親鳥の添寝は10日間
 昼の保温は5日間
 エサの大きさ
 エサの種類
 金魚泥棒
 給餌はオスが中心
 エサ運びの間隔
 エサ運びは早朝と夕方に多い
 行動は日の出前より日の入りまで
 親の運んだエサは1364匹
 エサの重さ
 巣立ち前のダイエット

第8章 巣立ち
 巣立ちの朝
 巣立ちのパターン
 巣立ちの朝に地獄を見た

終章 子育て生中継
 子育て生中継
 公園めぐり
 雛たちのための一つの提案

 あとがき
 参考文献
 索引

コラム(調査こぼれ話)
1 操作のアンチョコ
2 「水」は怖い
3 シジュウカラの間借り
4 朝一番早いのはヒグラシのお兄さん
5 新発明「ヘビ捕り器」
6 止まり木に来たお客さん

観察ノート
1 造巣期
2 求愛期
3 抱卵期
4 育雛期