ニューエンジニアリングライブラリー

香料の物質工学

製造・分析技術とその利用
表紙
湖上 国雄著
日本技術士会監修

ISBN4-8052-0491-5

A5判/416頁

\6,000+税



概要

最近の香料技術は膨大かつ細分化され,全貌がつかみにくい.本書は,香料の定義や歴史,合成・分析方法,用途,使用法規を取り上げ,香料技術の全体像を簡潔にまとめた.第一線の実際業務に役立つよう,特に合成香料とニューケミカルに重点を置き,実例を多く示し,文献も豊富に掲載した.

目次

 はじめに

1. 香料の分類と用途
 1.1 香料の概念
 1.2 香料の分類
 1.3 調合香料の分類と用途

2. 匂いと化学構造
 2.1 匂いの感覚
 2.2 匂いと官能基および部分構造
 2.3 官能基の種類と分子の大きさ
 2.4 同族体の匂いの異同
 2.5 幾何異性体および光学異性体

3. 天然香料
 3.1 香料の取得法
  3.1.1 抽出法
  3.1.2 蒸留法
  3.1.3 圧搾法
  3.1.4 脱テルペン、セスキテルペン精油法
 3.2 動物性香料
 3.3 植物性香料
  3.3.1 植物性香料の分類
  3.3.2 主要な植物性香料の原料・産地・抽出方法・成分・用途

4. 合成香料
 4.1 合成香料の歴史
 4.2 香料合成技術の発達
 4.3 合成香料の分類
 4.4 香料合成によく用いられる主要反応
  4.4.1 合成反応
  4.4.2 転位反応
 4.5 テルペン系化合物の合成・工業化
  4.5.1 ピネンからの合成(Glidden Process)
  4.5.2 アセチレンからの合成(Roche Process)
  4.5.3 イソプレンからの合成(クラレ法)
 4.6 香料の生産・輸入・輸出統計

5. 香料分析技術の進歩と合成技術の発達
 5.1 香料成分の分析
 5.2 匂いセンサー
  5.2.1 ガスクロマトグラフィー(GC)と
     ガスクロマトグラフィー直結マススペクトロメトリー(GC-MS)
     による精密分析法
  5.2.2 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
  5.2.3 赤外分光計(IR)
  5.2.4 核磁気共鳴(NMR)
  5.2.5 その他の分析機器
  5.2.6 分析結果の評価
 5.3 香気採取法――香料成分の分離と濃縮
  5.3.1 香気採取法および分析の実際
  5.3.2 コンピューターを利用した香料分析
 5.4 香料分析技術の今後

6. 合成香料の性状、製法、および用途
 6.1 ローズ系化合物
 6.2 ジャスミン系化合物
 6.3 イリス系化合物
 6.4 サンダルウッド系化合物
 6.5 モノテルペノイド系化合物
 6.6 アンバー系化合物
 6.7 ムスク系化合物
 6.8 合成ムスク
 6.9 天然フレーバー香気成分(I)
 6.10 天然フレーバー香気成分(II)
 6.11 天然フレーバー香気成分(III)
 6.12 天然植物性香料香気成分(I)
 6.13 天然植物性香料香気成分(II)
 6.14 天然植物性香料香気成分(III)
 6.15 非天然香気成分(I)
 6.16 非天然香気成分(II)
 6.17 ニューケミカルズ(I)
 6.18 ニューケミカルズ(II)
 6.19 よく使用されるニューケミカル
 6.20 合成香料の展望と問題点

7. 食品香料
 7.1 食品香料とは
 7.2 食品香料の役割
 7.3 食品香料の分類
 7.4 食品香料の形態
 7.5 フレーバー成分の生成機構
  7.5.1 酵素的生成機構
  7.5.2 非酵素的フレーバーの生成
 7.6 食品香料の分析と調合
  7.6.1 食品香料の調合
  7.6.2 食品香料の用途
 7.7 食品香料研究・開発の動向
  7.7.1 天然に近いフレーバーの開発
  7.7.2 フードテクノロジー
  7.7.3 食品香料に用いられる合成香料の開発

8. 調合香料(フレグランス)
 8.1 最近の匂いの傾向
 8.2 香料調合の方法と実際

9. その他の香料
 9.1 飼料フレーバー
 9.2 誘引剤
 9.3 忌避剤
 9.4 工業用香料
 9.5 香りのアロマテラピー的活用

10. 香料の使用規制法規と安全性
 10.1 香粧品香料
 10.2 食品香料
  10.2.1 食品香料(着香料)の規制
  10.2.2 わが国における食品香料の規制
  10.2.3 アメリカにおける規制
  10.2.4 国際的機関

 あとがき
 事項索引
 物質名称索引
 人名・会社名索引