< ニューエンジニアリングライブラリー>
アコースティックエミッションの理論と実際
−非破壊検査におけるフラクタル評価法−
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仲佐 博裕著 日本技術士会監修
ISBN4-8052-0476-1
A5判/308頁
\4,500+税
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概要
固体が塑性変形あるいは破壊する際,蓄積されたひずみエネルギーの解放により生ずる弾性波としてのアコースティックエミッションをとらえ,いつ,どこで,どのような頻度で発生しているかを総合的に調べ,非破壊的に構造物の健康診断,探傷検査・監視をする聴診器技術のすべてを解説する.
目次
はじめに
1 アコースティック・エミッション(AE)
1.1 AE 法とその特徴
1.2 AE 法の方法論
1.3 AE 法の応用
2. AE 技術の基礎
2.1 AE 特性の基本パラメーター
2.1.1 波形、周波数成分、最大振幅
2.1.2 発生頻度、エネルギー分布
2.1.3 時間差
2.2 各種材料の AE 特性と影響因子
2.2.1 各種材料の AE 特性
2.2.2 AE 特性への影響因子
2.3 構造材料の損傷過程における AE 特性
2.3.1 過大変形
2.3.2 疲労と応力腐食割れ
3. AE 計測技術
3.1 AE 信号の検出技術
3.2 信号増幅・調整技術
3.3 信号処理技術
3.4 データ表示・記録技術
3.5 AE 計測システム化技術
4. AE 源の位置標定技術
4.1 AE 源位置標定法
4.2 2次元 AE 位置標定法の実際とその標定精度の評価
4.2.1 平面位置標定法
4センサー標定法
3センサー標定法
菱形配置の4センサー簡易型標定法
4.2.2 標定誤差の導入と標定精度の評価法
4センサー標定法の標定精度評価
3センサー標定法の標定精度評価
4.2.3 マルチセンサー配置における標定方法
4.3 3次元 AE 位置標定法の実際とその標定精度の評価
4.3.1 3次元位置標定法と画像表示法
4.3.2 3次元内実体の AE 位置標定法
4.3.3 3次元中空体の AE 位置標定法
直方体
円筒体
円錐体
円環体
球面体
4.3.4 各種構造要素複合体の AE 位置標定法
分岐管
径違い管
曲り管
円筒形貯蔵容器
球形容器
圧力容器
5. フラクタルと AE 振幅分布特性
5.1 フラクタルの基礎
5.2 フラクタルとフラクタル次元の実例
5.2.1 幾何学図形
5.2.2 物理・化学的現象
5.2.3 地学・宇宙
5.2.4 生物・医学、その他
5.3 フラクタルとしての AE 振幅分布
6. AE 振幅分布の測定・信号処理・データ解析技術
6.1 AE 振幅分布とその緒情報
6.2 AE 振幅分布の測定と信号処理
6.3 AE 振幅分布のデータ解析
7. AE 現象の物理的意義とその応用
7.1 構造材料の損傷
7.1.1 損傷の発生起因
7.1.2 過負荷による損傷
7.1.3 破壊力学と破壊靱性試験
7.1.4 疲労損傷
7.1.5 環境誘因の損傷
7.1.6 腐食と侵食による損傷
7.1.7 高温における損傷
7.1.8 放射線照射による損傷
7.1.9 水素に関係する損傷
7.1.10 非金属材料の損傷
7.2 AE の発生起因と AE 振幅分布の持つ意義
7.2.1 AE の発生起因
7.2.2 フラクタルとしての AE 振幅分布の持つ意義
7.3 AE 法による構造物の健全性診断の基礎と試験手順
7.3.1 AE 法による構造物健全性診断方法
7.3.2 構造物診断のための AE 試験手順
8. 小形材料試験への応用――材質試験データ
8.1 小形材料試験片の AE 振幅分布特性
8.2 鋼材の脆化診断
8.2.1 加工脆化に伴う AE 特性
8.2.2 疲労亀裂を持つ鋼材試験片の AE 特性
8.2.3 低温試験時の AE 特性
8.2.4 原子炉圧力容器鋼の照射脆化診断
8.3 火力発電所冷却水タンク部材の材質診断
8.3.1 タンク母材と溶接材の AE 特性
8.3.2 腐食生成物付着部材の AE 特性
9. 大形材料試験への応用――構造部材データ
9.1 母材部と溶接欠陥の AE 特性
9.2 隅肉溶接部の AE 特性
9.3 重ね継手溶接部の AE 特性
9.4 二次起因の AE 発生源
10. 構造要素試験への応用――損傷データ
10.1 配管要素の疲労損傷過程の AE 特性
10.2 ステンレス鋼管の応力腐食割れ過程の AE 特性
10.3 半球形圧力容器モデルに対する内圧繰返し試験過程の AE 特性
11. 構造物試験への応用――探傷と監視データ
11.1 鋼製圧力容器の水圧破壊
11.2 冷却水タンク
12. 実構造物監視・診断への応用
12.1 供用前耐圧試験
12.2 供用期間中検査
12.3 運転中連続監視
13. AE 特性データベース
13.1 配管構造要素試験時の損傷発生
13.2 大形石油タンクの貯油過程の AE 特性
13.3 ステンレス鋼管応力腐食割れ試験の連続監視
13.4 海底トンネルにおける AE 測定
索引
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