濾過は語る
技術はいかに進むか
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杉本 泰治著
ISBN4-8052-0467-2
四六判
176頁/\1,600+税
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概要
濾過は人類の歴史とともに始まり,今も身近にある技術である.あまりにありふれているため学問の対象としては意外な感じさえし,ジャーナリズムの話題にもならない地道な技術であるが,濾過技術の発展の様子を探ると,一つの技術と人間社会の多様な相互関連性を見ることができる.
目次
第1章 濾過現象――幼時体験から
母の里の砂濾過(深層濾過)
父がいれた紅茶(ストレン濾過)
歳暮の酒カス(ケーク濾過・圧搾)
濾過の操作と現象
第2章 飲み水のゆくえ――深層濾過
西洋技術の継承
深層濾過の技術
工学的研究の役割
研究の国際関係
浄水技術の広がり
規制的行政の反面的効果
異種技術との接触
人間の顔をした技術
第3章 永久運動への志向――ストレン濾過
ストレン濾過の位置づけ
濾材・濾過機
ストレナーの原理
繊維材料の発展
濾材の閉塞――数学の蜃気楼
夢と科学の関係
第4章 「ドレフュス事件」の顛末――ケーク濾過
孤独な研究者スペリィ
「ドレフュス事件」
ルースのデータと実験式
ルースの理論式の明快
ケーク濾過の未知――ルース式の性格
ケークの性質の解明
数式と文章の関係
安上がりの実験
フロンティアは広がる
第5章 濾過助剤について
濾過と濾過助剤
ケイソウ殻の示唆
参考文献
索引
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