竹の世界Part2

表紙
室井 綽著

ISBN4-8052-0466-4

四六判

280頁/\1,800+税



概要

竹の不思議な生態やバラエティーに富む形態など生物学的な話題から,名前の由来,竹笹の薬効,栽培の仕方,諺や文学,竹製品・竹細工,さらには,ちょっと珍しい筍料理の紹介まで,竹に魅せられ,60年以上竹をあらゆる角度から研究し,世界中の竹を求め歩いた著者が語る,楽しい竹の逸話集.

目次

1 竹の名義
 1 おめでたい竹、嫌われものの竹
 2 タケニグサの語源
 3 篠懸をたずねて大台が原へ
 4 鈴竹の語源
 5 黄稈のウサンチク
 6 藪か薮か
 7 筍の語源

2 生態の不思議
 1 竹ハ木ナリヤ草ナリヤ
 2 アマゾンに草本性のタケを求めて
 3 タケ芝居
 4 親竹思う子竹
 5 クマザサ恐怖症
 6 ネザサが根絶しないわけ――出筍補充性
 7 根笹の雪
 8 季違い筍
 9 竹の忍耐力

3 形態――そのバラエティー
 1 雪白の竹
 2 一番の変わりものはハガワリメダケ
 3 竹の雌雄
 4 台湾には四角い竹がある
 5 世界一の巨竹は?
 6 双子のハチク
 7 赤いホテイナリヒラ
 8 白い竹――アルビノの観賞
 9 タケ斑入りの不思議
 10 ウエダザサの一本斑

4 竹のうそ・ほんと?

 1 筍
  1 初ものは親竹に立てよ
  2 筍は家の畳を突き抜ける
  3 モウソウチクの筍を盗むと手が腐る
  4 竹稈を食べる東洋人
  5 筍の急生長は稈が中空のため
  6 ネマガリダケは雪の重みで曲がる

 2 稈
  1 切るのは夏がよい
  2 竹は月夜に切る
  3 竹は鉈で切るとよい
  4 竹は寅の日に切ると虫がつかぬ
  5 竹と木の箸を使うと器用になれない
  6 箸の一人前は24センチ

 3 花
  1 藪が古くなると開花する
  2 竹の花は60年目に咲く
  3 花は肥料が欠乏して咲く
  4 開花防止には花穂を抜くとよい
  5 モウソウチクの開花周期は120年
  6 マダケの開花は体内の“目覚まし時計”によって起こる

 4 生態
  1 竹ぐらいまっすぐなものはない
  2 親竹より若竹の方が長く伸びる年は台風
  3 竹の生えるところに泉あり
  4 植竹は雌雄交互、または同一穴に植えるとよく出筍
  5 竹を植える日は5月13日
  6 藪の中に象牙を持ち込むと傷つく

 5 竹製品・竹細工
  1 竹が笑う
  2 木元竹末
  3 味のある竹
  4 竹の釣り竿
  5 竹の皮の凧
  6 傘と扇
  7 竹の装訂本
  8 笊で水を汲む

 6 竹の武器
  1 のるかそるか
  2 弾除けの笹
  3 木刀と竹刀
  4 テレビ時代劇『必殺仕掛人』の思い出

 7 竹の栽培
  1 早世モウソウの勧め
  2 挿し竹を活着させるには
  3 街路竹について
  4 長塚節と竹
  5 竹のケイ酸量
  6 昭和天皇アオネザサお買い上げ
  7 銘竹の発掘とその育て方

 8 筍を心ゆくまで味わう
  1 筍の旬
  2 筍をよりうまく
  3 焼きスズコ
  4 赤筍はうまい
  5 雑竹の味
  6 チロシン三転
  7 いただけない筍料理

 9 竹の食文化
  1 駅弁の最初は竹の皮包み
  2 竹林中の弁当
  3 笹てんぷら
  4 銘菓“片シボ竹”最中の由来と味

 10 薬と毒
  1 ハチクの薬効
  2 ササと酒
  3 癌封じの竹酒
  4 餅つきに笹葉
  5 笹の香
  6 タケの毒

 11 動物と竹
  1 ヤブカの習性は変わるか
  2 笹と但馬牛
  3 笹の実は体を冷やし、ニワトリ産卵せず
  4 ゾウの糞で命を拾う
  5 パンダとゾウとわが家と

 12 中国の竹
  1 スポンジダケの髄
  2 楠竹北移
  3 朱竹
  4 尺八の起源と現在

 13 竹に縁のある数
  1 六の不思議
  2 一三は竹の数
  3 たけのこついたち(筍朔日)

 14 神仏と竹
  1 竹の神秘さ
  2 タカダマ(竹玉)の霊力
  3 中足の性神
  4 箕の神事
  5 水口の竹筒
  6 血潮のタケ
  7 竹林の落書き
  8 竹霊の記
  9 鎮守の森の復活案

 15 生活に根づく竹
  1 箸もってこい
  2 笹葺き屋根
  3 煤払い竹(煤竹)
  4 庭の竹
  5 竹のトイレ
  6 イタチごっこの伊豆の竹

 16 茶・華道
  1 竹の切り節のたまり水
  2 再び水揚げについて
  3 柄杓

 17 竹の文化――むかし・いま
  1 竹切りの翁の威光
  2 狂い笹
  3 丁(ひのと)はネマガリダケ
  4 文化の節目は竹にならえ
  5 タケ――あうん
  6 竹笹界における近年の大発見
  7 世界一の竹類植物園