天体物理学の基礎

表紙
桜井 邦朋著

ISBN4-8052-0452-4

A5判

216頁/\2,800+税



概要

20世紀における宇宙の探究は,19世紀までの伝統的な天文学の世界から「天体」物理学の領域へ拡大している.本書では,宇宙の基本的構成要素である星の構造やその進化を中心にして,天体物理学の基礎を最新の研究成果も交えて解説する.大学学部レベルのテキストとして最適.

目次

 まえがき
 プロローグ――天体物理学とは

第1章 星からの放射とその分析
 星からの放射とその分析
 星からの熱放射
 線放射――輝線と吸収線
 星からの非熱放射
 分光分析法――原子・分子のスペクトル

第2章 星の大気
 平衡状態にある大気
 輻射平衡と輻射の輸送
 電離平衡にある大気
 対流不安定
 大気の外延と星風

第3章 星の分類と統計
 ヘルツシュプルング‐ラッセル図
 スペクトル分光
 主系列の星々
 巨星と矮星
 星の種族

第4章 星の内部構造とエネルギー源
 輻射平衡にある星
 星の内部構造――輻射の輸送から見た
 星のエネルギー源
 星内の対流
 白色矮星の構造

第5章 主系列星としての太陽
 太陽大気の構造
 太陽の内部
 エネルギー源とニュートリノ放射
 太陽活動
 太陽圏と地球

第6章 脈動する星
 変光星の分類
 ウォルフ‐ライエ星
 セファイド型変光星
 おうし座 T 型星とフレア星
 連星系

第7章 星間空間のガス雲と磁場
 星間空間の概念
 星間ガス雲とその運動
 濃密なガス雲――暗黒星雲
 星間磁場
 天の川銀河の構造

第8章 星の誕生と進化
 原始星とその誕生
 主系列星
 エネルギー源の変遷と進化
 進化の道筋
 惑星系の形成

第9章 爆発する星
 超新星と新星
 超新星の爆発機構
 新星の現象
 星の進化と重元素の合成
 星からのニュートリノ

第10章 高エネルギー放射と宇宙線
 高エネルギー宇宙物理学とは
 超新星からの電波
 X 線放射天体
 ガンマ線放射天体
 宇宙線

第11章 相対論的天体物理学
 一般相対論と天体
 シュヴァルツシルドの時空
 超新星爆発に伴う中性子星の形成
 ブラックホール
 ブラックホールの検出――重力波

 エピローグ――天の川銀河の構造と星々

 参考となる図書
 索引