ニューエンジニアリングライブラリー

金属の工業洗浄

表紙
品切れ重版未定

竹内 節三著
日本技術士会監修

ISBN4-8052-0427-3

A5判

224頁/\3,500+税



概要

工業洗浄,特に製造工程内における洗浄の重要性は,製品の精密度,品質向上の高度化とともに増大している.溶剤蒸気洗浄に多用されたフロン113,そして1,1,1-トリクロロエタンの使用禁止によってこの問題にどう対処すべきか.洗浄機械を作る立場から見たこれからの工業洗浄のあり方を解説する.

目次

 はじめに

1. 洗浄方法の種類
 1.1 洗浄とは
 1.2 洗浄剤による方法
 1.3 機械的除去の方法
 1.4 溶剤による方法
 1.5 化学反応を利用した方法

2. 汚れの分類
 2.1 防錆と潤滑油
 2.2 金属成型用潤滑剤
 2.3 作動用潤滑剤
 2.4 油と固形汚れの混合
 2.5 特別な汚れ

3. 金属表面の状態が洗浄に及ぼす影響
 3.1 汚れと洗浄との関係
 3.2 脂肪酸と極性汚れの影響
 3.3 洗浄の要素としての鹸化
 3.4 汚れの重合化の影響
 3.5 微粒子の影響
 3.6 錆と重合化油との混合物の除去
 3.7 洗浄改善のための汚れの改質
 3.8 金属表面の洗浄に与える影響
 3.9 表面の付着性
 3.10 酸化膜・その他の影響

4. 金属洗浄に用いられる薬品
 4.1 界面活性剤(Surfactant)
 4.2 界面活性剤の一般的性質
 4.3 金属イオン封鎖剤(Sequerant)
 4.4 アルカリクリーナー(Alkaline Cleaner)
 4.5 酸性クリーナー(Acidic Cleaner)
 4.6 有酸溶剤(Organic Solvent)
 4.7 乳化溶剤(Emulsifiable Solvents)
 4.8 乳化クリーナー(Emulsion Cleaner)
 4.9 安全衛生管理

5. 水について
 5.1 硬度成分の影響
 5.2 超純水

6. 洗浄方法各論
 6.1 浸し洗浄(Soak or Immersion Cleaning)
 6.2 溶剤浸し洗浄(Solvent Soak Cleaning)
 6.3 スプレー洗浄(Spray Washing)
 6.4 電解洗浄(Electrocleaning)
 6.5 超音波洗浄(Ultrasonic Cleaning)
 6.6 酸化物の除去(Oxide Removal)
 6.7 ゆすぎ(リンス、Rinsing)
 6.8 乾燥(Drying)
 6.9 物理的洗浄または機械的洗浄
 6.10 蒸気洗浄(Vapor Degreasing)

7. 洗浄度の判定方法
 7.1 硬質表面上の一般的テスト法
 7.2 金属のみに用いられる方法
 7.3 製品テスト

8. 洗浄機械設計に当たり考慮すべき点

9. 洗浄機設計に必要な二、三の工学的(熱力学)知識
 9.1 液体の加熱に必要な熱量
 9.2 洗浄物の引上げ速度と液の持ち出し
 9.3 蒸気洗浄特有の凝縮のメカニズム

10. 自動化洗浄機の実例
 10.1 オーバーヘッドコンベヤー式
 10.2 クロスロッド式
 10.3 メッシュベルト式
 10.4 リフト、キャリヤー併用式
 10.5 その他の形式
 10.6 付属機器

11. 工業洗浄における今日的諸問題
 11.1 オゾン層破壊のメカニズム
 11.2 フロン、エタンの削減計画
 11.3 海外、国内のエタン、フロン使用状況
 11.4 洗浄分野における内外の塩素系溶剤の使用割合
 11.5 代替策と代替品の種類
 11.6 フロン代替品による洗浄実例
 11.7 トリクロロエタン代替洗浄例
 11.8 最近の外国誌からの情報
 11.9 既存溶剤使用時の対応

 あとがき
 索引