濾過

メカニズムと濾材・濾過助剤
表紙
杉本 泰治著

ISBN4-8052-0421-4

A5判

408頁/\6,000+税



概要

初めて濾過を学ぶ人のガイドとなるよう濾過のすべてを網羅し,その全体を史的観点からも見渡せるように構成した.ストレン濾過,深層濾過,ケーク濾過など,それぞれの濾過の機構と濾過助剤のはたらきについては特に重点を置いて解説している.日本で唯一の濾過の本といっても過言ではない.

目次

1 はじめに
 1.1 濾過現象
  1.1.1 濾過操作
  1.1.2 濾過現象とその複合
 1.2 濾過データを読む
  1.2.1 Ruth の実験
   (A) ケーク濾過実験
   (B) 濾過プロット
   (C) 濾材抵抗――Ruth の観察
   (D) 定圧濾過データの解法
   (E) 定圧濾過プロットの実用性
  1.2.2 Hermans-Bredee の閉塞モデル
   (A) Hermans-Bredee 説
   (B) Hermans-Bredee モデルの意義

2 固液分散系
 2.1 濾過の対象
  2.1.1 濾過と固液分散系
   (A) 定義
   (B) 固液分散系の意義
  2.1.2 固形分粒子
   (A) 種類
   (B) 性質
   (C) 不均一系
  2.1.3 液体(分散媒)
   (A) 粘度(流動特性)
  2.1.4 分散液
   (A) 固形分濃度
   (B) 粒子の挙動
   (C) 凝集
   (D) 沈降
   (E) 撹拌の影響

3 濾過機構
 3.1 透過――空隙内の流れ
  3.1.1 Darcy 式
   (A) Darcy 式
   (B) Darcy 式の限界
   (C) 濾過と Darcy 式
  3.1.2 Poiseuille 式
  3.1.3 乱流を含む透過の式
   (A) レイノルズ数
   (B) Fanning 式と摩擦係数
  3.1.4 Kozeny-Carman 式とその性格
   (A) 空隙率
   (B) 粒子の充てん
   (C) 粒状層の比表面積
   (D) Kozeny-Carman 式
   (E) Kozeny-Carman 式の特質と限界
  3.1.5 透過試験
   (A) 透過試験
   (B) 圧密・圧縮透過試験
 3.2 ストレン濾過
  3.2.1 ストレン濾過
   (A) 濾過と漉過
   (B) ストレン濾過現象
  3.2.2 ケーク濾過への移行
   (A) Grace の濾材閉塞実験
   (B) 定圧濾過プロット
   (C) 標準閉塞濾過
   (D) 固形分粒子の漏れ
   (E) ケーク法則濾過・濾材観察
  3.2.3 マイクロ濾過――膜分離
   (A) 濾過と膜分離
   (B) 膜分離
   (C) 膜とストレン濾過
   (D) クロスフロー濾過
 3.3 深層濾過
  3.3.1 深層濾過操作と現象
   (A) 深層濾過
   (B) さまざまな深層濾過
  3.3.2 深層濾過の機構
   (A) 岩崎の業績
   (B) 二つの路線
  3.3.3 現象論的研究の成果
   (A) 濾過式
   (B) 濾過係数λの変化
   (C) 解法
  3.3.4 微視的理論の展開
   (A) 濾材中の粒子沈積
   (B) 沈積に及ぼす表面相互作用の影響
   (C) 濾過成果への粒子沈積の影響
   (D) その他
   (E) 深層濾過の外延
 3.4 ケーク濾過
  3.4.1 ケーク構造
   (A) ケークのモデル
   (B) ケーク観察
   (C) 液圧分布の実測
   (D) ケーク内のしぼり出し作用
  3.4.2 Ruth の正常濾過式
   (A) Ruth への道
   (B) ケーク固形分量(物質収支)
   (C) 濾過速度式
   (D) ケーク濾過期の週末
  3.4.3 ケーク濾過の要素
   (A) 濾過速度
   (B) 濾液量
   (C) ケーク平均比抵抗
   (D) ケーク質量
   (E) ケーク湿乾質量比
   (F) 固形分濃度
   (G) 液体粘度
   (H) 液体密度
   (I) 濾過面積
   (J) 濾過圧力
  3.4.4 ケーク濾過の予測
   (A) 予測原理
   (B) ケーク平均比抵抗の予測――濾過試験
   (C) ケーク平均比抵抗などの予測――部分値からの推定
   (D) 時間と圧力・流速の関係
  3.4.5 ケーク濾過機構の課題
   (A) 濾材抵抗
   (B) ケーク比抵抗の解明

4 濾材・濾過機
 4.1 濾材
  4.1.1 濾材の特性
   (A) 濾材特性
   (B) 用法上の特性
  4.1.2 濾材の種類
  4.1.3 濾材
   (A) 粒状層濾材
   (B) 織物濾材
   (C) 不織濾材
   (D) 多孔質濾材
   (E) 積層濾材
   (F) 穿孔・膜濾材
  4.1.4 濾材の規格・試験
   (A) 規格
   (B) 試験方法
 4.2 濾過機
  4.2.1 濾過機の構成
   (A) 濾材・濾過機・濾過装置
   (B) 濾過機の要件
   (C) 濾過エレメントの要件
  4.2.2 濾過機の種類
  4.2.3 濾過機
   (A) 粒状層濾材型
   (B) 傾斜濾板型
   (C) シート状濾材――フィルタープレス型
   (D) シート状濾材――水平濾板型
   (E) 円筒形エレメント型
   (F) リーフ型エレメント型
   (G) エンドレス濾材――ドラム型
   (H) エンドレス濾材――水平型
   (I) 膜分離型

5 濾過助剤
 5.1 濾過助剤
  5.1.1 濾過助剤の機能
   (A) 空隙作用
   (B) 清澄作用
   (C) 濾材作用
  5.1.2 濾過助剤の特性
   (A) 濾過助剤特性
   (B) 用途上の特性
  5.1.3 ケイソウ土濾過助剤
   (A) ケイソウ土原料
   (B) ケイソウ土濾過助剤の構造
   (C) 濾過助剤特性
   (D) 一般的性質
  5.1.4 パーライト濾過助剤
   (A) パーライト原料
   (B) 膨張パーライト
   (C) パーライト濾過助剤の製造
   (D) 濾過助剤特性
   (E) 一般的性質
  5.1.5 補助用その他の濾過助剤
   (A) 補助用濾過助剤
   (B) 混合濾過助剤
   (C) 特殊加工
   (D) 表面活性
   (E) 再生濾過助剤
   (F) 濾過助剤様の物質
  5.1.6 濾過助剤規格
   (A) 規格項目
   (B) 食品衛生法規格
 5.2 濾過助剤の用法
  5.2.1 濾過操作
   (A) 回分濾過
   (B) 回転ドラム型プリコート濾過
  5.2.2 プリコート
   (A) 回分濾過
   (B) 回転ドラム型プリコート濾過
  5.2.3 ボディフィード
   (A) 濾過助剤品種の選択
   (B) ボディフィード量
  5.2.4 ボディフィード濾過の最適化
   (A) 濾過の最適化計算
   (B) 計算プログラム

6 濾過の適用
 6.1 濾過の選択肢
  6.1.1 選択基準
 6.2 濾過実施例
  6.2.1 濾過の用途
  6.2.2 水処理の濾過
   (A) 砂濾過――上水技術の体系
   (B) 砂濾過の問題点
   (C) 助剤濾過
   (D) 汚泥処理――砂濾過の後始末
   (E) カートリッジ濾過
   (F) 超純水・中水
  6.2.3 工業濾過
   (A) 濾過機の自動化――油脂脱色後の濾過
   (B) 清澄性を求める濾過――ビールの仕上げ濾過
   (C) 難濾過性・高濃度の固形分の濾過――発酵工業
   (D) 大量処理のケーク濾過――パルプ・製紙工業
   (E) 少量・高度処理のケーク濾過――化学工業一般
   (F) 脱蝋・脱色と濾過――石油系潤滑油
   (G) 脱塩の前置濾過――発電ボイラー補給水・復水
   (H) 循環濾過――メッキ液の濾過
   (I) 蒸留と濾過の接点――ドライクリーニング溶剤

 おもな使用記号
 引用文献
 索引