証人席の微量元素
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ジョン・レニハン著 山越 幸江訳
ISBN4-8052-0380-3
四六判
264頁/\2,200+税
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概要
微量元素は「微量」であるがために多くの役目を果たせなくてはならない.ある時は有害物質として,またある時は必須の物質として矛盾したり重複したりする役目である.微量元素が生体に及ぼす効果は目覚ましく,無駄なく効率のよいもので,あたかも見事に設計された神の創造物を思わせる.
目次
はじめに
序章
第1章 髪の毛と史実
化学が国王を殺したのか?
髪の毛の構造と性質
分析結果を解釈するには
洗髪は汚染物を取り除くのか、それとも、付着させるのか
ニュートンは気違いだった?
古代の髪の毛
気味の悪い習慣
小さなプリンセス
ナポレオン皇帝毒殺の実状
ロバート・バーンズの死について
環境汚染――過去よりもきれい?
髪の毛と健康
第2章 人はみな草だ
シップハム村の騒ぎ
チェルノブイリ原発事故のその後
微量元素分析と探鉱
水と健康
硬水? それとも、軟水?
水と心臓疾患
暴かれた元凶
汚染問題のパラドックス
オイル漏れ
汚染源を追跡する
大気汚染
リセプターモデリング
そんなに希ではない希土類元素
オゾン層
北極地方の大気汚染
恐竜の最後
埋もれた宝
第3章 体内の微量元素
必須の微量元素
鉄
沃素
ドヤ街の死者
有益な不純物
人間の栄養におけるコバルトの役割
銅代謝
脊椎湾曲症と多発性硬化症
ペルシャの一寸法師
不足しても十分?
偉大なる発見
インシュリンと糖尿病
手がかりとなったニンニクの臭い
セレンと心臓病
セレンの過剰と欠乏
多数の犠牲者を出した推断のミス
その他の元素
バナジウム
必須(?)有毒元素
豊富に存在する「微量」元素
モリブデン
フッ化物のはなし
微妙な判決
カテーテルによる微量元素の注入
どれだけ取れば十分か?
微量元素間の相互作用
イタイイタイ病
必須?非必須?
第4章 水銀とヴィーナス
高貴な身分の歯医者
水銀と錬金術師
水銀の産出と産業利用
水銀の循環
食品中の水銀
医薬品と水銀
性病と水銀
海賊兼医者
育児にも登場した水銀
化粧品と水銀
第5章 日常生活の中の鉛
ローマ帝国の没落
毒の陶器
名高い疝痛
探検隊の失踪
鉛と知能
鉛の供給源
鉛の摂取量を減らす
汚れた水
第6章 ジョッキに盛られた死
多芸な元素
危険な飲み物
よく効く薬
毒薬
砒素を食らう者
毒に殺られた大使
有毒ガス
砒素とガン
第7章 証人席の化学者
黒衣の寡婦
北極で殺人が行なわれたのか?
発砲したのはだれだ?
弾丸の鉛の分析
大統領の暗殺
シンバイオニーズ解放軍のフィールド・マーシャルをだれが殺したのか?
巧妙な手口の犯罪
偽のスコッチウイスキー
偽造画
古代のガラス
硬貨の分析
科学器具の骨董品
キャプテン・ドレークの遺した碑?
ドレークの陶器?
後記――かけらをかき集める
訳者あとがき
自然界に存在する元素の表
参考となる文献
索引
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