独創が生まれない
日本の知的風土と科学
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S.K.ネトル著 桜井 邦朋著
ISBN4-8052-0339-0
四六判
184頁/\1,500+税
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概要
なぜ日本から独創的な科学が生まれないのか.日本人科学者には,科学を生み出した欧米の知的伝統とは相容れない日本的風土の中で育まれた行動様式があると著者たちは分析する.科学に国境はないと言われるが,実際には,科学者の生まれ育った祖国が顔をのぞかせているのである.
目次
まえがき
プロローグ
1 科学者の一日――日本では
仕事にべったり
効率の測れぬ世界
仕事の範囲
2 心理的安定度と自信
気になる周囲
情緒不安定
欠如せる自信
3 事実を見る眼と思考の論理
徹底しない攻め
思考の論理
議論下手
4 数式とイデオロギー
法則思考――定石があるか
イデオロギーの優先
数式信仰
5 関心の広さとプロ意識
関心の狭さ
専門家意識
プロとなわばり――競争をさける
6 独立指向と従属指向
独創への道
安心を買う
失敗を憂う
7 科学の発展法則
法則の無謬性
科学史の有効力
発見の非論理性
8 科学教育と思考力
教育と記憶力
記憶と思考力
知識の重圧
9 個人と国家
帰属先とムラ意識
亡国の民か――国家不在
国家と個人の位置
10 論文の作法
英語と日本語
タテからヨコへ
論理不在の論文
11 科学の思考と風土
文化と自信
足をひっぱる
知的風土と科学
エピローグ
あとがき
注および引用文献
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