<毒性試験講座 18> 産業化学物質,環境科学
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福田 英臣編 林 裕造編 和田 攻他編
ISBN4-8052-0338-2
B5判
頁/\9,515+税
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概要
本講座は420名におよぶ第一線の研究者の学際的な協力により,トキシコロジーを最新の視座から体系化し,基礎から実際までを具体的に解説した.1〜3までを「総論」とし,毒性試験の企画,実施,成績の評価に必要な一般的問題と4〜18に入れにくい事項について解説.また,この部門は,毒性試験に直接関与しない人々にも好個の参考になるので,特に記述を平易にした.4〜14までは「基本理論と技術」とし,各試験法の理論的解説と,個々の具体的な手法を専門分野別に記述.15〜18までは「毒性評価の実際」とし,1〜14を基礎にして,与えられた被験物質について毒性試験を企画,実施し,その結果を評価する際の問題点を具体的に解説した.
目次
I 総論
1 産業・環境化学物質の毒性・安全性評価
1.1 産業・環境化学物質の現状
1.2 産業・環境化学物質の安全性評価の基本的な方法
1.2.1 リスト作製とラベリング
1.2.2 汚染状態の把握
1.2.3 リスクの評価
1.3 現在の化学物質管理の法制度
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)
2 産業化学物質の評価法
2.1 化学工場における安全性評価
2.2 化学物質の有害性の調査
2.2.1 新規化学物質の有害性調査
2.2.2 既存化学物質の有害性調査
2.2.3 疫学調査
2.3 化学物質の管理
2.4 環境管理における安全性評価
2.4.1 マテリアルバランス
2.4.2 暴露限界
2.4.3 管理濃度
2.5 健康管理における安全性評価
生物学的モニタリング
3 環境化学物質の評価法および環境基準
3.1 評価法
3.1.1 物理化学性状試験法
3.1.2 環境汚染性試験
3.1.3 生態影響評価法
3.1.4 ヒトの健康影響評価法
3.1.5 評価法の小括
3.2 環境基準
3.2.1 基準の要件と設定
3.2.2 各種の環境基準
3.2.3 環境基準の小括
II 産業化学物質
1 金属類
1.1 概説
1.1.1 環境管理
1.1.2 作業管理
1.1.3 健康管理
1.2 鉛
1.2.1 性状
1.2.2 代謝
1.2.3 毒性
1.2.4 暴露と影響の評価
1.3 四アルキル鉛
1.3.1 性状
1.3.2 代謝
1.3.3 毒性
1.3.4 暴露と影響の評価
1.4 カドミウム
1.4.1 性状
1.4.2 代謝
1.4.3 毒性
1.4.4 暴露と影響の評価
1.5 水銀
1.5.1 性状
1.5.2 代謝
1.5.3 毒性
1.5.4 暴露と影響の評価
1.6 ヒ素
1.6.1 性状
1.6.2 代謝
1.6.3 毒性
1.6.4 暴露と影響の評価
1.7 クロム
1.7.1 性状
1.7.2 代謝
1.7.3 毒性
1.7.4 暴露と影響の評価
1.8 ベリリウム
1.8.1 性状
1.8.2 代謝
1.8.3 毒性
1.8.4 暴露と影響の評価
1.9 マンガン
1.9.1 性状
1.9.2 代謝
1.9.3 毒性
1.9.4 暴露と影響の評価
1.10 亜鉛
1.10.1 性状
1.10.2 代謝
1.10.3 毒性
1.10.4 暴露と影響の評価
1.11 バナジウム
1.11.1 性状
1.11.2 代謝
1.11.3 毒性
1.11.4 暴露と影響の評価
1.12 錫
1.12.1 性状
1.12.2 代謝
1.12.3 毒性
1.12.4 暴露と影響の評価
1.13 ニッケル
1.13.1 性状
1.13.2 代謝
1.13.3 毒性
1.13.4 暴露と影響の評価
1.14 ガリウム
1.14.1 性状
1.14.2 代謝
1.14.3 毒性
1.14.4 暴露と影響の評価
2 粉じん
2.1 基礎的事項
2.1.1 粉じんの定義
2.1.2 粉じんの害
2.1.3 粉じん測定の目的および方法
2.1.4 測定の対象となる粉じんの粒径範囲
2.1.5 粉じん測定の内容
2.1.6 粉じん濃度の表し方
2.2 粉じん測定器および測定法
2.2.1 絶対濃度測定法と相対濃度測定法
2.2.2 絶対濃度測定器
2.2.3 相対濃度測定器
2.2.4 粒度分布測定法
2.2.5 粉じんの分析法
2.3 粉じん対策
2.3.1 発じんの防止
2.3.2 粉じんの飛散の抑制
2.3.3 労働者への対策
3 ガス体
3.1 ガス状物質の特殊性
3.1.1 気中濃度と作用強度
3.1.2 生体への作用点とガスの物理的化学的特性
3.2 呼吸器の構造と機能
3.2.1 鼻腔とその役割
3.2.2 気管、気管支および細気管支
3.2.3 肺胞
3.3 ガスの血流移行と体内輸送
3.3.1 血流移行時の Non Check 機構
3.3.2 血液に対する作用
3.3.3 血液−脳神経関門
3.4 ガスの化学的特性と生体作用の特殊性
3.4.1 化学的不活性――単純窒息性
3.4.2 脂溶性
3.4.3 加水分解性
3.5 ガス暴露環境の特殊性
4 有機溶剤
4.1 有機溶剤の生体内移行に関する原則
4.2 有機溶剤の分配比と毒性
4.3 有機溶剤の代謝と毒性
4.4 有機溶剤の代謝と毒性に影響を与える因子
4.4.1 運動(筋肉労作)
4.4.2 混合溶剤
4.4.3 アルコール(エチルアルコール)
4.4.4 栄養(食事)
4.4.5 糖質
4.4.6 アルコールと糖質
5 芳香族ニトロ・アミノ化合物
5.1 総論
5.2 各論
5.2.1 2-アセチルアミノフルオレン
5.2.2 アセト酢酸アニリド
5.2.3 パラアミノアセトアニリド
5.2.4 4-アミノジフェニル
5.2.5 アミノフェノール
5.2.6 アニリン
5.2.7 アニシジン
5.2.8 オーラミン
5.2.9 ベンジジン
5.2.10 クロルアニリン
5.2.11 クロロジニトロベンゼン
5.2.12 クロロニトロベンゼン
5.2.13 4,4'-ジアミノジフェニルメタン(メチレンジアニリン)
5.2.14 ジアニジン(3-3'ジメトキシベンジジン)
5.2.15 ジクロロベンジジン
5.2.16 ジエチルアニリン
5.2.17 4-ジメチルアミノアゾベンゼン
(パラジメチルアノミアゾベンゼン)
5.2.18 ジメチルアニリン
5.2.19 ジニトロベンゼン
5.2.20 4,6-ジニトロオルトクレゾール
5.2.21 ジニトロフェノール
5.2.22 ジニトロトルエン
5.2.23 ジフェニルアミン
5.2.24 マゼンタ(フクシン)
5.2.25 メチルアニリン
5.2.26 4,4'-メチレンビス(2-クロロアニリン),
(4,4'-ジアミノ-3,3'-ジクロルジフェニルメタン)
5.2.27 1-ナフチラミン
5.2.28 2-ナフチラミン
5.2.29 ニトロアニリン
5.2.30 ニトロベンゼン
5.2.31 4-ニトロジフェニル
5.2.32 ニトロフェノール
5.2.33 パラニトロソジメチルアニリン
5.2.34 ニトロトルエン
5.2.35 フェニレンジアミン
5.2.36 ピクリン酸
5.2.37 テトリール
5.2.38 オルトトリジン
5.2.39 トルイジン
5.2.40 メタトルイレンジアミン
5.2.41 2,4,6-トリニトロトルエン
5.2.42 キシリジン
6 プラスチック関連物質
6.1 プラスチックの種類・製造と毒性
6.1.1 プラスチックの種類
6.1.2 プラスチックの製造と毒性
6.2 プラスチックおよびその関連物質の毒性と毒性評価の実際
6.2.1 プラスチック・モノマー
6.2.2 付加剤
6.2.3 熱分解産物
7 発がん物質
7.1 職業がんの歴史的変遷と特徴
7.2 発がん物質の種類と評価
7.2.1 国際癌研究機関(IARC)における評価
7.2.2 わが国における評価と国際比較
7.3 発がん物質の安全性評価
7.3.1 動物実験による発がん性評価と問題点
7.3.2 短期検索法による発がん物質の評価
7.3.3 化学物質の構造活性相関からみた評価
7.4 疫学的手段による評価
7.4.1 評価の具体例
7.4.2 疫学的手法の価値と評価
III 環境化学物質
1 大気汚染物質
1.1 日本における大気汚染と生体障害に関する報告
1.1.1 宇部市の大気汚染
1.1.2 四日市の大気汚染
1.2 外国における大気汚染と生体障害に関する報告
1.2.1 Pennsylvania 州での大気汚染
1.2.2 スモッグによる眼の刺激
1.2.3 環境中の一酸化炭素による心臓動悸の訴え
1.3 火山活動による大気汚染と生体障害に関する報告
1.4 環境汚染による生体障害の特徴
1.4.1 環境汚染と住民の健康調査
1.4.2 環境汚染より起こる生体障害の起こり方
1.4.3 環境汚染の疫学的評価
1.4.4 環境汚染と疫学調査の実際
1.4.5 疫学調査の信頼性
1.5 環境汚染に関与する立法行政手順
1.6 非感染性非特異性疾患
環境疫学と呼吸器疾患
1.7 英国における最近の知見
1.8 生体影響の評価、撹乱要因の処理(慢性閉塞性肺機能障害の場合)
1.8.1 考慮すべき撹乱要因
1.8.2 標準化による撹乱要因の影響の排除
1.8.3 撹乱要因の影響を十分排除できない場合の結果の解釈
1.8.4 既喫煙者における生体影響
1.9 大気汚染に関連すると思われた肺疾患
1.9.1 慢性気管支炎
1.9.2 気管支喘息
1.9.3 喘息性気管支炎
1.9.4 肺気腫
2 水質汚染物質
2.1 水圏の汚染化学物質
2.1.1 有害物質の取りあげ方
2.1.2 汚染の可能性をもつ化学物質
2.2 毒性試験法
2.2.1 化審法における毒性試験
2.2.2 水生環境に係る試験法
2.3 特定汚染物質の毒性と影響評価
2.3.1 有毒金属
2.3.2 有害性有機塩素化合物
2.3.3 合成洗剤
2.4 水圏の化学物質汚染によるヒト環境の安全性
2.4.1 ヒト環境評価の意義
2.4.2 水質環境基準
3 土壌汚染物質
3.1 土壌汚染の特色
3.1.1 はじめに
3.1.2 土壌汚染物質の分析
3.1.3 土壌から植物体への重金属の移行
3.1.4 土壌汚染対策と今後の問題点
3.2 ヒ素
3.2.1 ヒ素化合物の化学的性質と用途
3.2.2 ヒ素の生体影響
3.2.3 ヒ素による環境汚染と環境評価
3.3 カドミウム
3.3.1 カドミウムならびにカドミウム化合物の化学的性質と用途
3.3.2 カドミウムならびにカドミウム化合物の代謝と毒性
3.3.3 カドミウムによる環境汚染と環境評価
3.4 銅
3.4.1 銅化合物の化学的性質と用途
3.4.2 銅の生体影響
3.4.3 銅による環境汚染と環境評価
3.5 クロム
3.5.1 クロム化合物の化学的性質と用途
3.5.2 クロムの生体影響
3.5.3 クロムによる土壌汚染と環境評価
3.6 その他の化学物質
3.6.1 放射性物質
3.6.2 PCB
3.6.3 フタル酸エステル
索引
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