<毒性試験講座 15>

医薬品

表紙
福田 英臣編
林 裕造編
和田 攻他編

ISBN4-8052-0335-8

B5判

頁/\10,680+税



概要

本講座は420名におよぶ第一線の研究者の学際的な協力により,トキシコロジーを最新の視座から体系化し,基礎から実際までを具体的に解説した.1〜3までを「総論」とし,毒性試験の企画,実施,成績の評価に必要な一般的問題と4〜18に入れにくい事項について解説.また,この部門は,毒性試験に直接関与しない人々にも好個の参考になるので,特に記述を平易にした.4〜14までは「基本理論と技術」とし,各試験法の理論的解説と,個々の具体的な手法を専門分野別に記述.15〜18までは「毒性評価の実際」とし,1〜14を基礎にして,与えられた被験物質について毒性試験を企画,実施し,その結果を評価する際の問題点を具体的に解説した.

目次

1 抗悪性腫瘍剤
 1.1 抗悪性腫瘍剤の毒性と薬効の関係
 1.2 代表的な抗悪性腫瘍剤の作用機序と毒性
  1.2.1 アルキル化剤
  1.2.2 核酸代謝拮抗剤
  1.2.3 天然物質
  1.2.4 その他
 1.3 抗悪性腫瘍剤の毒性軽減の試み
  1.3.1 昇圧剤併用
  1.3.2 カルシウム修飾剤との併用
  1.3.3 リポソーム封入製剤
  1.3.4 悪性腫瘍特異抗体結合製剤
  1.3.5 日内リズム利用法

2 抗生物質
 2.1 セフェム系抗生物質
  2.1.1 種類
  2.1.2 毒性発現の特徴および機序
 2.2 アミノ配糖体系抗生物質
  2.2.1 種類
  2.2.2 毒性発現の特徴および機序
 2.3 マクロライド系抗生物質
  2.3.1 種類
  2.3.2 毒性発現の特徴および機序
 2.4 テトラサイクリン系抗生物質
  2.4.1 種類
  2.4.2 毒性発現の特徴および機序
 2.5 抗真菌剤
  2.5.1 種類
  2.5.2 毒性発現の特徴および機序

3 化学療法剤
 3.1 サルファ剤
  3.1.1 急性毒性
  3.1.2 反復投与時の毒性
  3.1.3 催奇形性
  3.1.4 ヒトにおける副作用
 3.2 キノロン剤
  3.2.1 急性毒性
  3.2.2 反復投与時の毒性
  3.2.3 生殖毒性
  3.2.4 ヒトにおける副作用

4 ホルモン剤
 4.1 カテコールアミン類
  4.1.1 薬理作用
  4.1.2 毒性
  4.1.3 ヒトに対する副作用
 4.2 脳下垂体後葉ホルモン
  4.2.1 バソプレシン
  4.2.2 オキシトシン
 4.3 ステロイドホルモン
  4.3.1 副腎皮質ステロイドホルモン
  4.3.2 鉱質コルチコイド

5 糖尿病治療剤
 5.1 経口糖尿病剤
  5.1.1 種類
  5.1.2 作用機序
  5.1.3 副作用
  5.1.4 毒性

6 鎮静/催眠/抗痙攣剤
 6.1 鎮静/催眠薬
  6.1.1 薬理作用
  6.1.2 毒性
  6.1.3 ヒトにおける副作用
 6.2 抗痙攣剤
  6.2.1 薬理作用
  6.2.2 毒性
  6.2.3 ヒトにおける副作用

7 向精神薬
 7.1 抗不安薬
  7.1.1 薬理作用
  7.1.2 実験動物における毒性
  7.1.3 副作用
  7.1.4 相互作用
 7.2 抗精神病薬
  7.2.1 薬理作用
  7.2.2 実験動物における毒性
  7.2.3 副作用
  7.2.4 相互作用
 7.3 抗鬱薬
  7.3.1 薬理作用
  7.3.2 実験動物における毒性
  7.3.3 副作用
  7.3.4 相互作用

8 解熱/鎮痛/鎮痙剤
 8.1 解熱/鎮痛薬
  8.1.1 薬理作用
  8.1.2 毒性
  8.1.3 ヒトにおける副作用
  8.1.4 他剤との相互作用
 8.2 麻薬および類縁の鎮痛薬(強力鎮痛薬)
  8.2.1 薬理作用
  8.2.2 毒性
  8.2.3 ヒトにおける副作用
  8.2.4 他剤との相互作用
 8.3 鎮痙薬
  8.3.1 薬理作用
  8.3.2 毒性
  8.3.3 ヒトにおける副作用
  8.3.4 他剤との相互作用

9 抗炎症/抗リウマチ/抗痛風剤
 9.1 ステロイド剤(glucocorlicoids)
  9.1.1 薬理作用
  9.1.2 毒性
  9.1.3 ヒトにおける副作用
 9.2 非ステロイド剤
  9.2.1 薬理作用
  9.2.2 毒性
  9.2.3 ヒトにおける副作用
 9.3 消炎酵素剤
  9.3.1 薬理作用
  9.3.2 毒性
  9.3.3 ヒトにおける副作用
 9.4 抗痛風剤
  9.4.1 分類ならびに薬理作用
  9.4.2 毒性
  9.4.3 ヒトにおける副作用

10 α,βアドレナリン受容体遮断剤
 10.1 薬理学的および薬物動態学的特性
  10.1.1 薬理学的特性
  10.1.2 β遮断薬の薬物動態学的特徴
 10.2 動物における特性
 10.3 ヒトにおける副作用
  10.3.1 一般的副作用
  10.3.2 各種臓器系に対する副作用
  10.3.3 プラクトロール症候群
  10.3.4 投与中断症候群
 10.4 薬物相互作用
  10.4.1 Pharmacokinetic interactions
  10.4.2 Pharmacodynamic interactions
  10.4.3 βブロッカーと他剤との併用
 10.5 今後の展望

11 抗ヒスタミン剤/抗アレルギー剤/抗喘息剤
 11.1 薬理作用
  11.1.1 抗ヒスタミン剤
  11.1.2 抗アレルギー剤および抗喘息剤
 11.2 代謝
 11.3 毒性
 11.4 ヒトにおける副作用
  11.4.1 一般的副作用
  11.4.2 他剤との相互作用

12 心臓脈管剤
 12.1 強心剤
  12.1.1 主要な強心剤の薬理作用とその機序
  12.1.2 毒性
  12.1.3 併用効果
 12.2 抗狭心症剤
  12.2.1 主要な抗狭心症剤の薬理作用とその機序
  12.2.2 毒性
  12.2.3 併用効果
 12.3 抗不整脈剤
  12.3.1 主要な抗不整脈剤の薬理作用とその機序
  12.3.2 毒性
  12.3.3 併用効果

13 降圧剤
 13.1 分類と薬理作用
  13.1.1 利尿剤
  13.1.2 交感神経抑制剤
  13.1.3 血管拡張剤
  13.1.4 カルシウム拮抗剤
  13.1.5 アンジオテンシン変換酵素阻害剤
 13.2 臨床における副作用
  13.2.1 利尿剤
  13.2.2 交感神経抑制剤
  13.2.3 血管拡張剤
  13.2.4 カルシウム拮抗剤
  13.2.5 アンジオテンシン変換酵素阻害剤
 13.3 前臨床における毒性試験
  13.3.1 利尿剤
  13.3.2 交感神経抑制剤
  13.3.3 血管拡張剤
  13.3.4 カルシウム拮抗剤
  13.3.5 アンジオテンシン変換酵素阻害剤
 13.4 降圧剤の毒性評価

14 高リポたん白血症治療剤
 14.1 高リポたん白血症とその薬物療法の意義
 14.2 高リポたん白血症治療薬の種類と作用機序
  14.2.1 ニコチン酸誘導体
  14.2.2 Phenoxy isobutyric acid 系化合物および類縁化合物
  14.2.3 長鎖脂肪族系化合物
  14.2.4 その他の合成化合物
  14.2.5 陰イオン交換樹脂
  14.2.6 HMG-CoA reductase 阻害剤
  14.2.7 体内物質またはそれらの誘導体
 14.3 高リポたん白血症治療剤の毒性――(1) 一般毒性
  14.3.1 ニコチン酸誘導体
  14.3.2 Phenoxy isobutyric acid 系化合物
  14.3.3 長鎖脂肪族系化合物
  14.3.4 その他の合成化合物
  14.3.5 陰イオン交換樹脂
 14.4 高リポたん白血症治療剤の毒性――(2) 生殖毒性
  14.4.1 ニコチン酸誘導体
  14.4.2 Phenoxy isobutyric acid 系化合物
  14.4.3 長鎖脂肪族系化合物
  14.4.4 その他の合成化合物
  14.4.5 陰イオン交換樹脂
  14.4.6 HMG-CoA Reductase 阻害剤
 14.5 高リポたん白血症治療剤の毒性――(3) 変異原性
  14.5.1 ニコチン酸誘導体
  14.5.2 Phenoxy isobutyric acid 系化合物
  14.5.3 長鎖脂肪族系化合物
  14.5.4 その他の合成化合物
 14.6 高リポたん白血症治療剤の毒性――(4) 発がん性
  14.6.1 Phenoxy isobutyric acid 系化合物
  14.6.2 その他の合成化合物
  14.6.3 陰イオン交換樹脂
  14.6.4 肝 peroxisome 増殖性高リポたん白血症治療剤の
      発がんプロモーション作用
  14.6.5 肝 peroxisome 増殖性高リポたん白血症治療剤の
      発がん作用機序

15 潰瘍治療剤
 15.1 制酸剤
 15.2 副交感神経遮断薬(抗コリン薬)
 15.3 ムスカリン M1受容体拮抗薬
 15.4 ヒスタミン H2受容体遮断薬
 15.5 粘膜防御増強剤
  15.5.1 プロスタグランジン製剤
  15.5.2 カルベノキソロン、甘草製剤
  15.5.3 テルペノイド類、その他
 15.6 その他の抗潰瘍薬

16 利尿薬
 16.1 炭酸脱水酵素阻害剤
  16.1.1 薬理作用
  16.1.2 毒性
  16.1.3 ヒトにおける副作用
 16.2 ループ利尿剤(high ceiling 利尿剤)
  16.2.1 薬理作用
  16.2.2 毒性
  16.2.3 ヒトにおける副作用
 16.3 チアジド系利尿薬
  16.3.1 薬理作用
  16.3.2 毒性
  16.3.3 ヒトにおける副作用
 16.4 アルドステロン拮抗剤
  16.4.1 薬理作用
  16.4.2 毒性
  16.4.3 ヒトにおける副作用
 16.5 カリウム保持利尿薬
  16.5.1 薬理作用
  16.5.2 毒性
  16.5.3 ヒトにおける副作用
 16.6 キサンチン系利尿剤
  16.6.1 薬理作用
  16.6.2 毒性
  16.6.3 ヒトにおける副作用

17 輸液用製剤
 17.1 試験実施上の留意点
  17.1.1 投与期間
  17.1.2 投与速度
  17.1.3 投与量
  17.1.4 使用動物
  17.1.5 対照製剤
  17.1.6 剖検および病理組織学的所見
 17.2 投与方法の実際
  17.2.1 末梢静脈内投与法
  17.2.2 中心静脈内投与法(持続注入法)

18 医薬品添加物
 18.1 総論
  18.1.1 医薬品添加物の役割
  18.1.2 医薬品添加物の安全性
  18.1.3 薬効成分とのかかわり
 18.2 各論
  18.2.1 無機化合物
  18.2.2 高分子化合物
  18.2.3 粘着剤
  18.2.4 溶剤/溶解補助剤
  18.2.5 乳化剤/界面活性剤/油脂類
  18.2.6 保存剤
  18.2.7 抗酸化剤(酸化防止剤)
  18.2.8 矯味剤
  18.2.9 矯臭剤
  18.2.10 着色剤

19 医療用具およびその材料
 19.1 種類
  19.1.1 医用材料の種類
  19.1.2 医療用具の種類
 19.2 医療用具の基準および JIS 規格
 19.3 医療用具または医用材料の安全性評価試験
  19.3.1 ISO
  19.3.2 BS
  19.3.3 USP
 19.4 厚生省により定められている基準の試験

20 外用剤
 20.1 クリーム/軟膏
  20.1.1 日本薬局方における軟膏剤
  20.1.2 クリーム/軟膏の生産量およびその実体
  20.1.3 クリーム/軟膏の現状
  20.1.4 経皮吸収の問題
  20.1.5 臨床的副作用の問題
  20.1.6 クリーム/軟膏の毒性試験

 20.2 パップ剤
  20.2.1 安全性の評価
  20.2.2 基礎試験と臨床試験の相関性
 20.3 坐剤
  20.3.1 直腸粘膜の形態
  20.3.2 直腸の循環系と吸収動態
  20.3.3 製剤学的基礎知識
  20.3.4 直腸投与実験方法および条件の設定
  20.3.5 ラットを用いた FT-207 坐剤の直腸内および
      各種投与ルートによる毒性試験結果例
  20.3.6 臨床応用の例

21 化粧品
 21.1 化粧品の毒性評価とは
  21.1.1 化粧品原料のための毒性評価
  21.1.2 化粧品のための毒性評価
 21.2 毒性評価のための化粧品科学
  21.2.1 皮膚洗浄剤
  21.2.2 化粧水
  21.2.3 乳液/クリーム
  21.2.4 パック
  21.2.5 ファンデーション
  21.2.6 口紅/ほほ紅
  21.2.7 アイライナー/マスカラー/アイシャドー/まゆずみ
  21.2.8 ネイルラッカー
  21.2.9 パーマネントウェーブ液
  21.2.10 染毛剤
  21.2.11 整髪料
  21.2.12 毛髪洗浄剤
  21.2.13 ヘアリンス
  21.2.14 歯磨剤
 21.3 効能効果の範囲より見る毒性評価

 索引