<毒性試験講座 13>

発がん性

表紙
福田 英臣編
林 裕造編
和田 攻他編

ISBN4-8052-0333-1

B5判

頁/\6,311+税



概要

本講座は420名におよぶ第一線の研究者の学際的な協力により,トキシコロジーを最新の視座から体系化し,基礎から実際までを具体的に解説した.1〜3までを「総論」とし,毒性試験の企画,実施,成績の評価に必要な一般的問題と4〜18に入れにくい事項について解説.また,この部門は,毒性試験に直接関与しない人々にも好個の参考になるので,特に記述を平易にした.4〜14までは「基本理論と技術」とし,各試験法の理論的解説と,個々の具体的な手法を専門分野別に記述.15〜18までは「毒性評価の実際」とし,1〜14を基礎にして,与えられた被験物質について毒性試験を企画,実施し,その結果を評価する際の問題点を具体的に解説した.

目次

1 発がん性試験法
 1.1 発がん性試験の意義
 1.2 発がん性試験の目的
 1.3 医薬品申請における対象
 1.4 試験計画時の検討事項
 1.5 被験物質に関する事項
  1.5.1 被験物質の選択
  1.5.2 被験物質の品質管理
  1.5.3 被験物質の管理
  1.5.4 環境汚染物質の影響
 1.6 動物に関する事項
  1.6.1 試験物の選択(種及び系)
  1.6.2 飼料及び飲料水
  1.6.3 飼料の分析
  1.6.4 飼育ケージ
  1.6.5 換気、温度、湿度、非常用電力
 1.7 投与経路に関する事項
  1.7.1 投与方法の決定
  1.7.2 経口投与
  1.7.3 系皮投与
  1.7.4 経気道曝露(気管内投与を含む)
  1.7.5 体内投与
  1.7.6 他の曝露経路
 1.8 投与用量設定の予備試験
  1.8.1 予備試験の種類と期間
  1.8.2 短期予備試験(反復投与予備試験)
  1.8.3 亜慢性予備試験(反復投与予備試験)
  1.8.4 体重変動と無作為化
  1.8.5 データ分析
  1.8.6 病理学的検査
  1.8.7 代謝と動態研究
  1.8.8 用量設定
 1.9 発がん性本試験
  発がん性試験の計画及び実施
 1.10 統計解析
  1.10.1 生存率の検定
  1.10.2 腫瘍発生率の検定
  1.10.3 用量相関
  1.10.4 蓄積対照データの利用
  1.10.5 統計学的検定所見の解釈
   付・厚生省医薬品毒性試験ガイドライン

2 前がん病変を指標とする中期発がん性試験
 (1) 短期及び長期発がん性試験の現状
 (2) 中期発がん性試験法の必要性
 (3) 中期発がん性試験法の開発
 (4) 中期発がん性試験法の種類と現状
  (A) 単独投与法
  (B) 発がん二段階法
 (5) 発がん物質の臓器特異性に関連した問題
 2.1 中期スクリーニング法
  2.1.1 A 系マウス肺腺腫試験
  2.1.2 乳腺腫瘍試験
  2.1.3 皮下注射試験
 2.2 二段階発がん試験法
  2.2.1 皮膚
  2.2.2 肺
  2.2.3 胃
  2.2.4 腸
  2.2.5 肝
  2.2.6 膵
  2.2.7 腎
  2.2.8 膀胱
  2.2.9 乳腺
  2.2.10 甲状腺

3 変異原性試験と発がん性
 3.1 変異原性と発がん性との相関性
 3.2 変異原性試験の実施に関する国際的動向
 3.3 突然変異原性の強さと発がん性評価
 3.4 発がん性評価の立場からみた変異原性試験の問題点

4 化学物質の発がん性評価
 4.1 有害性確認 hazard identification
  4.1.1 長期発がん性試験の概要
  4.1.2 最大耐量(Maximum Tolerance Dose, MTD)投与の意義と問題点
  4.1.3 長期発がん性試験の解釈
  4.1.4 腫瘍の病理診断
  4.1.5 統計学的手法
   (注)統計学者が実験者(病理学者)のために用意している統計手法
  4.1.6 偽陰性及び偽背陽性の回避
  4.1.7 微細な前駆病変・関連病変の解析
  4.1.8 発がん物質の作用機序と発がん性試験
  4.1.9 げっ歯類の腫瘍とヒトの腫瘍との関連性
  4.1.10 生物学的総合判断
 4.2 曝露評価 exposure-response assesment
  4.2.1 曝露評価
  4.2.2 モニタリング
  4.2.3 モデル化
  4.2.4 人工環境(microcosms)
  4.2.5 ヒト側の要因
 4.3 用量作用評価
  4.3.1 発がん物質の活性の程度による動物実験結果の評価
  4.3.2 数学モデルの一般概念
  4.3.3 種差
 4.4 リスク判定(総合評価) risk characterization
  4.4.1 総合評価における問題点
  4.4.2 総合評価の手順

 索引