<毒性試験講座 12>

変異原性,遺伝毒性

表紙
福田 英臣編
林 裕造編
和田 攻他編

ISBN4-8052-0332-3

B5判

頁/\6,990(品切)+税



概要

本講座は420名におよぶ第一線の研究者の学際的な協力により,トキシコロジーを最新の視座から体系化し,基礎から実際までを具体的に解説した.1〜3までを「総論」とし,毒性試験の企画,実施,成績の評価に必要な一般的問題と4〜18に入れにくい事項について解説.また,この部門は,毒性試験に直接関与しない人々にも好個の参考になるので,特に記述を平易にした.4〜14までは「基本理論と技術」とし,各試験法の理論的解説と,個々の具体的な手法を専門分野別に記述.15〜18までは「毒性評価の実際」とし,1〜14を基礎にして,与えられた被験物質について毒性試験を企画,実施し,その結果を評価する際の問題点を具体的に解説した.

目次

1 変異原性試験の役割
 (1) 発がん性物質のスクリーニングとしての役割
 (2) 遺伝毒性試験としての役割
 (3) 薬物代謝機構究明への役割
 (4) 天然物由来の変異原性究明への役割
 (5) 抗変異原・発がん性物質の検索への利用
 (6) 環境モニタリングへの役割

2 変異原性・遺伝毒性試験法
 2.1 in vitro 変異原性試験
  2.1.1 Rec assay
   (A) Rec assay の原理
   (B) 試験方法
  2.1.2 ファージ・インダクテスト
   (A) 実験法
   (B) 結果
  2.1.3 umu テスト
   (A) 検出の原理
   (B) 試験菌株とプラスミド
   (C) 培地の作成
   (D) S 9 Mix の調製
   (E) S 9 の最適量
   (F) 試験菌株の保存
   (G) umu テスト
   (H) 最近の知見と問題点
  2.1.4 微生物変異原性試験
   (A) サルモネラ復帰変異試験法
   (B) 代謝活性化
   (C) 大腸菌復帰変異試験法
  2.1.5 酵母を用いる試験
   試験法
  2.1.6 培養細胞を用いる突然変異試験
   (A) 動物細胞突然変異検出法の小史
   (B) 遺伝子座
   (C) 突然変異試験法の実際
  2.1.7 培養細胞を用いるUDS 試験
   (A) UDS 試験
   (B) UDS 測定の実際
   (C) in vitro UDS 試験の評価と展望
  2.1.8 培養細胞を用いる SCE 試験
   (A) SCE 試験法の原理
   (B) SCE の検出法
   (C) SCE 分染法
  2.1.9 培養細胞を用いる染色体異常試験
   (A) 染色体異常試験法のプロトコール
   (B) 染色体標本作製法
   (C) 顕微鏡観察
   (D) 染色体異常の分類と記録
   (E) 試験結果の判定
  2.1.10 細胞形質転換試験
   (A) 細胞形質転換とは
   (B) 細胞形質転換の実験系
   (C) 定量法の実際
   (D) 細胞形質転換試験の毒性試験としての評価
 2.2 体細胞を用いる in vivo 変異原性試験
  2.2.1 ムラサキツユクサの雄しべ毛試験
   (A) ムラサキツユクサの性状
   (B) ムラサキツユクサの突然変異検出系統
   (C) 突然変異検出に用いる色素系
   (D) 変異原処理と検出方法
   (E) 突然変異の検出限界
   (F) ムラサキツユクサにおける誘発突然変異率の変動要因
  2.2.2 ショウジョウバエのスポットテスト
   (A) ショウジョウバエの発生と体細胞突然変異
   (B) 体細胞テストの基本的手順
   (C) 翅毛スポットテスト
   (D) 眼色スポットテスト
   (E) 翅毛及び眼色スポットの特徴
  2.2.3 動物個体経由及び経胎盤テスト
   (A) 経胎盤テスト
   (B) 体細胞突然変異を指標にした宿主経由変異原性検出法
  2.2.4 UDS 試験
   (A) 生体内での DNA 修復の検出
   (B) 不定期 DNA 合成
   (C) 器官培養法を用いた UDS の検出法
   (D) 生体内での UDS の検出
   (E) 生体内−器官培養併用法
  2.2.5 SCE 試験
   (A) In vivo SCE 試験の実際
   (B) SCE の観察と計数
   (C) 細胞増殖動態の解析
   (D) In vivo SCE 試験の特徴
  2.2.6 小核試験
   (A) 小核試験のプロトコール
   (B) 標本作製法
   (C) 観察法
   (D) 結果の統計学的評価法
  2.2.7 生体内染色テスト
   (A) 実験材料と方法
   (B) 染色体標本作製法
   (C) 染色体の観察
   (D) 代表的化学発がん剤と化学構造類似の非発がん剤による試験系の検討
   (E) 連続投与による検出感度増強の検討
  2.2.8 マウススポットテスト
   (A) 実験方法
   (B) 観察
   (C) 変色斑の判定
   (D) 結果の判定
   (E) 試験報告書に記載すべき事項
 2.3 生殖細胞を用いる変異原性試験
  2.3.1 ショウジョウバエによる染色体試験
   (A) 試験法の原理
   (B) 実際の試験
   (C) データの解析
   (D) 特徴
  2.3.2 ショウジョウバエによる伴性劣性致死試験
   (A) 試験法の原理
   (B) 実際の試験
   (C) データの解析
   (D) 特色
  2.3.3 染色体試験
   (A) 動物及び対象細胞
   (B) 検体投与
   (C) 処理時間
   (D) 標本作製法
   (E) 染色体観察
   (F) 判定の結果
  2.3.4 マウス相互転座試験
   試験の実際
  2.3.5 優性致死試験
   (A) 優性致死
   (B) 試験方法
   (C) 結果の評価
   (D) 試験報告書に記載すべき事項
  2.3.6 マウス特定座位試験
   (A) 歴史
   (B) 試験方法
   (C) 化学物質による特定座位試験の結果
   今後の動向

 索引