<毒性試験講座 9> 吸入毒性
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福田 英臣編 林 裕造編 和田 攻他編
ISBN4-8052-0329-3
B5判
頁/\7,670+税
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概要
本講座は420名におよぶ第一線の研究者の学際的な協力により,トキシコロジーを最新の視座から体系化し,基礎から実際までを具体的に解説した.1〜3までを「総論」とし,毒性試験の企画,実施,成績の評価に必要な一般的問題と4〜18に入れにくい事項について解説.また,この部門は,毒性試験に直接関与しない人々にも好個の参考になるので,特に記述を平易にした.4〜14までは「基本理論と技術」とし,各試験法の理論的解説と,個々の具体的な手法を専門分野別に記述.15〜18までは「毒性評価の実際」とし,1〜14を基礎にして,与えられた被験物質について毒性試験を企画,実施し,その結果を評価する際の問題点を具体的に解説した.
目次
I 総論
1 吸入毒性検査法
2 吸入実験法
2.1 経気道投与実験法
2.2 吸入実験の目的と意義
2.3 吸入実験装置
3 実験動物
3.1 吸入実験用に開発された動物はない
3.2 種差とヒトへの外挿
3.2.1 呼吸器の解剖学的種差
3.2.2 呼吸生理機能の種差
3.3 環境コントロール
4 野外吸入実験
5 暴露量の推定
5.1 量の表現法としての濃度×時間(c×t)
5.2 総吸入量としての量
6 吸入実験の計画
6.1 短期吸入実験
6.2 中間期吸入実験
6.3 長期吸入実験
II 動物実験による吸入毒性試験法
1 吸入暴露法
1.1 試験物質の発生法
1.1.1 試験物質の原材料と吸入時の形状
1.1.2 ガス状物質発生法
1.1.3 粒子状物質発生法
1.2 試験物質の濃度、粒径分布等の測定
1.2.1 ガス状物質の濃度測定方法
1.2.2 粒子状物質の粒径分布の測定方法
1.2.3 エアロゾル濃度の測定方法
1.3 吸入装置と動物管理
1.3.1 吸入装置の原理と基本要素
1.3.2 吸入飼育装置と動物飼育
1.3.3 実験動物の管理
1.4 野外吸入法
1.4.1 野外吸入実験場所の選定
1.4.2 野外吸入チャンバーの維持管理
1.4.3 野外吸入チャンバーの構成と仕様
1.4.4 浄化空気チャンバー(対照群用)の空気浄化法
1.4.5 野外吸入実験例
2 影響検査法
2.1 粒子状物質の呼吸気内沈着とクリアランス
2.1.1 粒子の肺内沈着のメカニズム
2.1.2 粒子の沈着率
2.1.3 粒子のクリアランス
2.1.4 クリアランスのメカニズム
2.1.5 磁性粉体を用いた肺クリアランス機能の測定
2.2 肺機能検査法
2.2.1 肺機能検査の意義
2.2.2 肺機能の基本的概念
2.2.3 肺気量
2.2.4 換気力学(Mechanics of breathing)
2.3 生化学的検査法
2.3.1 肺ホモジネートを用いた検出方法
2.3.2 気管肺胞洗浄液を用いた検出方法
2.4 病理学的検査法
2.4.1 呼吸器の構造と組織学
2.4.2 吸入による呼吸器の障害
2.4.3 病変の評価手法
2.5 その他の生理学的検査法
2.5.1 脳波、筋電図、心電図、体温ポリグラフ測定法
2.5.2 行動学、運動心電図、カテーテル法等
3 影響評価法
3.1 生理学的検査による影響の評価
3.1.1 肺クリアランス(呼吸器クリアランス)による評価
3.1.2 換気能の変化による評価
3.1.3 気道反応性の亢進の評価
3.1.4 その他の生理学的指標による評価
3.2 生化学的検査結果による影響の評価
III ヒト志願者実験法
1 人への実験的負荷研究の意義と歴史
1.1 意義と問題点
1.2 歴史的事項
2 人への実験的負荷方法と影響評価法
2.1 負荷方法
2.1.1 汚染物質発生法
2.1.2 暴露方法
2.2 影響評価方法
2.2.1 自覚症状
2.2.2 肺機能
2.2.3 気道反応性テスト
2.2.4 気道線毛運動機能
2.2.5 血液生化学
2.2.6 感染抵抗性
2.2.7 気管支鏡検査及び気管支−肺胞洗浄
IV 疫学的検査法
1 疫学の方法論と限界
1.1 疫学の目的と方法
1.1.1 目的
1.1.2 方法
1.2 吸入毒性の検査における疫学の役割
1.2.1 職業環境の場合
1.2.2 一般環境の場合
1.2.3 一般環境での疫学情報の活用例
1.3 一般環境での疫学調査の問題点
1.3.1 暴露の評価について
1.3.2 影響の評価について
1.4 疫学調査結果から関連の評価の手順
1.5 疫学調査結果の取扱いの流れ
2 暴露と影響の把握法
2.1 調査地域
2.2 調査対象者
2.3 調査地域の大気汚染状況
2.3.1 暴露の把握について
2.3.2 影響の把握
総括
3 統計的処理
索引
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