<毒性試験講座 7> 機能毒性
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福田 英臣編 林 裕造編 和田 攻他編
ISBN4-8052-0327-7
B5判
頁/\13,000+税
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概要
本講座は420名におよぶ第一線の研究者の学際的な協力により,トキシコロジーを最新の視座から体系化し,基礎から実際までを具体的に解説した.1〜3までを「総論」とし,毒性試験の企画,実施,成績の評価に必要な一般的問題と4〜18に入れにくい事項について解説.また,この部門は,毒性試験に直接関与しない人々にも好個の参考になるので,特に記述を平易にした.4〜14までは「基本理論と技術」とし,各試験法の理論的解説と,個々の具体的な手法を専門分野別に記述.15〜18までは「毒性評価の実際」とし,1〜14を基礎にして,与えられた被験物質について毒性試験を企画,実施し,その結果を評価する際の問題点を具体的に解説した.
目次
I 一般薬理試験法
1 総論
1.1 一般薬理試験の毒性評価における役割
1.1.1 一般薬理試験の目的
1.1.2 一般薬理試験の成り立ち
1.1.3 現行の一般薬理試験の問題点
1.1.4 現行の毒性試験の問題点
1.1.5 毒性評価における一般薬理試験の役割
1.2 機能毒性と一般薬理
1.2.1 機能異常を検査することの意義
1.2.2 機能毒性の定義
1.2.3 機能毒性試験のすすめ方
1.3 一般薬理試験の試験計画
1.3.1 試験実施の時期
1.3.2 試験項目の選定
1.3.3 一般薬理試験の規模
1.3.4 動物の選定
1.3.5 試験計画書
1.4 試験の実施と成績の評価
1.4.1 記録
1.4.2 試験結果のまとめと評価
1.5 一般薬理試験報告書・論文のまとめ方
1.5.1 良い報告書の要件
1.5.2 成績のまとめ方と記載の方針
1.5.3 参考文献など
1.5.4 試験成績の公表
2 中枢神経系
2.1 行動薬理学的方法
2.1.1 一般行動に及ぼす影響
2.1.2 自発運動に及ぼす影響
2.1.3 カタレプシー惹起作用
2.1.4 常同行動
2.1.5 攻撃行動
2.1.6 異常行動
2.1.7 筋弛緩作用
2.1.8 けいれん誘発作用
2.1.9 振戦惹起作用
2.1.10 学習行動に及ぼす作用
2.1.11 発生毒性
2.2 電気生理学的方法――特に脳波を中心に
2.2.1 自発脳波に対する作用
2.2.2 脳波覚醒反応
2.2.3 漸増反応
2.2.4 大脳辺縁系後発射
2.3 生化学的方法
脳内アミンの取込みと結合(貯蔵)
3 末梢神経系
3.1 神経−筋接合部
3.1.1 摘出ラット横隔神経筋標本
3.1.2 摘出カエル腹直筋標本
3.2 局所麻酔作用
3.2.1 ウサギ又はモルモット角膜法
3.2.2 モルモット皮内法
3.2.3 伝達麻酔測定法
3.3 神経節
3.3.1 上頸神経節での実験
3.3.2 心臓神経節での実験
3.3.3 下腸間膜神経節での実験
3.3.4 摘出神経節での実験
3.4 摘出平滑筋標本における自律神経支配
3.4.1 摘出精管標本
3.4.2 摘出回腸標本
3.4.3 摘出血管標本
3.5 動脈性圧受容器及び化学受容器反射
3.5.1 動脈性圧受容器反射
3.5.2 動脈性化学受容器反射
4 呼吸器系
4.1 呼吸機能に及ぼす薬物の影響
4.1.1 呼吸機能に対する薬物、毒性物質の作用の解析と評価の基礎
4.1.2 呼吸機能の生理的調節機序
4.1.3 呼吸調節系における呼吸中枢の役割
4.1.4 呼吸系に作用する薬物、毒性物質の作用部位と作用機序
4.1.5 機能毒性試験における中枢性呼吸抑制あるいは呼吸運動麻痺発生の機序
4.2 呼吸運動
4.2.1 呼吸(回)数
4.2.2 肺換気
4.2.3 呼吸運動の定常性
4.2.4 呼吸数と換気量との関係
4.2.5 呼吸運動のパターン
4.3 薬物及び毒性物質の呼吸作用の実験薬理学的分析
4.3.1 薬理学的、毒性学的研究における呼吸機能の指標の選択
4.3.2 呼吸系活動指標の記録法とそれぞれの特長
4.4 呼吸の神経性調節――呼吸反射――
4.4.1 肺迷走神経反射
4.4.2 呼吸反射機構に対する薬物の作用機転
4.5 呼吸調節の体液性因子の測定
4.5.1 呼吸運動の化学的調節
4.5.2 体液性因子の測定法
4.6 薬物の作用及び機能毒性解析に関する一般注意事項
4.7 気道の機能
4.7.1 呼吸器系における気道の役割
4.7.2 生体内気道機能試験
4.7.3 生体内実験
4.8 咳反応
4.8.1 咳反射の経路
4.8.2 試験法の種類と一般的注意
4.8.3 ネコの上喉頭神経電気刺激法とその応用
4.8.4 鎮咳薬の作用とその機序
4.9 痰の性状
4.9.1 痰の産生機序と去痰障害
4.9.2 試験法の種類と一般的注意
4.9.3 亜急性気管支炎ウサギを用いる評価法
4.10 摘出気管標本
4.10.1 筋緊張と薬物に対する反応
4.10.2 試験法の種類と一般的注意
4.10.3 気管切片鎖状標本の作成法とその応用
5 心血管系
5.1 総論的事項
5.1.1 心血管系一般薬理試験のあり方
5.1.2 動物と麻酔
5.1.3 測定及び記録の装置
5.1.4 薬物の投与法
5.2 血圧
5.2.1 血圧測定の意義
5.2.2 血圧測定法
5.2.3 血圧の変動要因
5.3 心拍数
5.3.1 心拍数測定の意義
5.3.2 心拍数測定法
5.3.3 心拍数の変化
5.4 局所血流量
5.4.1 血流量測定の意義
5.4.2 血流量の測定法
5.4.3 血流量測定成績の解釈
5.5 中心静脈圧
5.5.1 中心静脈圧測定の意義
5.5.2 中心静脈圧の測定法
5.5.3 中心静脈圧測定値の解釈
5.6 心拍出量及び心筋収縮力
5.6.1 測定の意義
5.6.2 測定法
5.6.3 変化の解釈
5.7 心筋代謝と生化学
5.7.1 心筋代謝に関する生化学的測定の意義
5.7.2 心筋酸素消費量の測定法
5.7.3 心筋酸素消費量変動の意味
5.8 心電図
5.8.1 心電図検査の意義
5.8.2 心電図記録法
5.8.3 房室伝導の測定
5.8.4 心筋細胞膜電位の測定
5.9 心肺標本及び摘出心・血管標本
5.9.1 摘出標本を用いる意義
5.9.2 摘出標本とその実験方法
5.10 循環反射
5.10.1 動脈性圧受容器反射
5.10.2 動脈性圧受容器からの反射
5.10.3 左心房容積受容器反射
5.10.4 動脈性化学受容器反射
5.10.5 呼吸器からの反射
5.10.6 その他の求心神経を介する反射性応答
5.10.7 循環反射の統合に関連する中枢神経機構
5.10.8 循環反射に関する薬理学的実験における留意事項
5.10.9 循環反射の薬理・毒性薬理学的研究において必要とされる
主な求心、遠心神経の分離方法
6 消化器系
6.1 運動
6.1.1 腸管輸送能
6.1.2 生体位胃腸運動
6.2 摘出実験
6.2.1 モルモット回腸を用いた実験
6.2.2 摘出盲腸紐標本
6.2.3 摘出胃底筋標本
6.3 分泌
6.3.1 唾液分泌測定法
6.3.2 胃液分泌の測定
6.3.3 膵液分泌測定法
6.3.4 胆汁分泌測定法
6.4 潰瘍形成試験
6.4.1 胃粘膜損傷の肉眼的観察
6.4.2 その他の方法
6.4.3 非ステロイド性抗炎症薬の胃粘膜損傷作用
7 腎
7.1 腎臓の解剖及び整理
7.2 実験手技
7.2.1 ラットを用いる実験
7.2.2 イヌを用いる実験
7.3 腎機能試験
7.3.1 腎クリアランス試験
7.3.2 尿検査
7.4 その他の機能試験
8 尿路・生殖器
8.1 膀胱内圧曲線
8.1.1 膀胱の構成と神経支配
8.1.2 膀胱内圧曲線の記録法
8.1.3 内圧曲線の意味
8.2 摘出膀胱筋
8.2.1 ラット摘出膀胱標本の作成法
8.2.2 実験成績の解釈
8.3 摘出輸精管
8.3.1 輸精管の解剖と生理
8.3.2 ラット摘出輸精管の神経−筋標本の作成法
8.3.3 摘出輸精管神経−筋標本の電気刺激による反応
8.3.4 マウス輸精管を用いた麻薬性鎮痛薬の生物検定
8.4 生体位子宮運動
8.4.1 子宮運動とその記録法
8.4.2 ウサギ生体位子宮内圧測定法(バルーン法)
8.5 摘出子宮筋標本
8.5.1 子宮筋の性周期と反応性
8.5.2 性周期の調製と摘出子宮筋標本の作成法
8.5.3 妊娠子宮筋の薬物反応
9 血液
9.1 溶血性
9.1.1 溶血
9.1.2 溶血性試験
9.2 血液凝固に及ぼす影響
9.2.1 血液凝固
9.2.2 血液凝固試験法
9.3 血小板の粘着凝集に及ぼす影響
9.3.1 血小板の機能と活性化機構
9.3.2 血小板の粘着・凝集試験
10 代謝、内分泌
10.1 肝異物代謝能
10.1.1 BSP 排泄試験
10.1.2 ICG 排泄試験
10.2 代謝酵素誘導
肝ミクロソームの薬物水酸化酵素活性の測定
10.3 血糖曲線
10.3.1 測定法
10.3.2 データの解析
10.4 ホルモン測定
10.4.1 生物学的測定法
10.4.2 放射免疫測定法、酵素免疫測定法及び放射受容体測定法
10.4.3 化学的定量法
10.4.4 薬物投与によるホルモン値の変動と毒性試験
11 皮膚毒性
11.1 皮膚一次刺激性試験
11.1.1 皮膚一次刺激試験法(ドレイズ法)
11.1.2 留意点
11.1.3 実験例
11.2 皮膚累積刺激性試験
11.2.1 皮膚累積刺激性試験法
11.2.2 留意点
11.2.3 実験例
11.3 遅延型接触アレルギー性試験(皮膚感作性試験)
11.3.1 感作性物質
11.3.2 動物における感作性試験法
11.3.3 留意点
11.3.4 ヒトにおける感作性試験法
11.4 遅延型接触光アレルギー性試験(光感作性試験)
11.4.1 太陽光線と人工光源
11.4.2 光感作性物質
11.4.3 動物における光感作性試験法
11.4.4 ヒトにおける光感作性試験法
11.5 光毒性試験
11.5.1 光毒性物質
11.5.2 光毒性試験法
11.6 粘膜刺激性試験
11.6.1 眼粘膜刺激性試験法
11.6.2 留意点
11.6.3 最近の動向
11.6.4 眼粘膜刺激性試験を in vitro で評価する方法
11.6.5 他の粘膜刺激性試験法
12 病態モデルによる実験
12.1 抗炎症作用
12.1.1 炎症反応
12.1.2 炎症動物作製上の準備と注意
12.1.3 抗炎症作用試験
12.2 抗潰瘍作用
12.2.1 実験潰瘍の種類と特徴
12.2.2 実験潰瘍による試験操作の基本事項
12.2.3 実験潰瘍各論
12.3 抗高血圧作用
12.3.1 原理
12.3.2 高血圧モデル動物
12.3.3 無麻酔下の血圧測定
12.4 抗糖尿病作用
12.4.1 糖尿病と病態モデル動物
12.4.2 抗糖尿病作用の一般薬理試験法
12.4.3 合併症の試験法
12.5 抗脂血作用
12.5.1 動物種選択の必要性
12.5.2 コレステロール代謝実験法
12.5.3 肝臓からのトリグリセリド分泌測定法
II 機能毒性試験法
1 中枢及び末梢神経系
1.1 神経学的観察――検査法
1.2 電気生理学的実験法
1.2.1 脳波、脊髄反射、末梢神経の活動電位の測定法
1.2.2 脳・神経電気的活動の定量的解析評価
2 感覚器
2.1 眼科学的検査法
2.1.1 視覚器の構造と特異性
2.1.2 視覚器の検査法
2.2 聴覚検査
2.2.1 化学物質による聴覚障害
2.2.2 聴覚障害の検査
2.3 その他の感覚検査(嗅覚、味覚、触覚、振動覚、痛覚)
2.3.1 嗅覚
2.3.2 味覚
2.3.3 体感覚
3 呼吸・循環器系
3.1 心血管系の徴候診断
3.1.1 症状の示す心血管系の異常
3.1.2 心血管系病態における徴候
3.2 心電図
3.2.1 心電図で知り得ること
3.2.2 心電図記録の技術的問題
3.2.3 毒性試験における心電図検査の実際
3.2.4 実験動物の循環機能正常値
3.2.5 心電図検査に現われる徴候
3.3 呼吸器系の徴候診断
3.3.1 呼吸運動のターンの変化と異常
3.3.2 換気変化
3.3.3 呼吸反射の関与する変化
3.3.4 呼吸中枢神経機構における化学的神経伝達過程関連物質
3.3.5 呼吸器系の異常を示す症状
4 消化器系
4.1 消化管の機能・生理
4.1.1 消化管の運動
4.1.2 消化液の分泌(消化と吸収)
4.1.3 肝臓の機能(肝機能)
4.1.4 膵臓の機能
4.2 消化器に障害を引起こす薬物
4.2.1 胃腸粘膜障害
4.2.2 膵臓障害
4.2.3 肝臓障害
4.2.4 胆嚢系障害
4.2.5 下痢と便秘
4.3 薬物の副作用
4.3.1 抗がん剤の副作用
4.3.2 抗菌剤の副作用
4.3.3 抗炎症剤の副作用
4.3.4 中枢神経系に作用する薬物の副作用
4.3.5 循環系に作用する薬物の副作用
4.3.6 糖尿病、痛風、リウマチ、アレルギーに使用する薬の副作用
4.3.7 消化器に作用する薬物の副作用
4.4 消化器系に及ぼす薬物の副作用の実験的検索方法
4.4.1 消化管粘膜障害誘起作用
4.4.2 膵・胆嚢系への有害作用
4.4.3 肝機能障害
4.4.4 消化管運動の異常
4.4.5 動物実験の限界
5 腎機能と尿検査
5.1 概論
5.1.1 毒性試験における腎機能検査の意義
5.1.2 試料採取
5.1.3 検査の諸条件、変動要因
5.2 腎障害の徴候診断
5.2.1 観察される全身症状
5.2.2 尿に現われる徴候
5.2.3 血液化学検査所見
5.3 腎機能検査とその異常
5.3.1 毒性試験における腎機能検査
5.3.2 腎機能検査の方法と意義
6 代謝・内分泌
6.1 代謝――化学物質の代謝と肝毒性の発現
6.1.1 解毒の化学
6.1.2 薬物性肝機能
6.1.3 化学物質による職業的肝障害
6.1.4 肝毒性物質暴露労働者の健康管理
6.2 内分泌機能に対する毒性物質の検索
6.2.1 ホルモン生合成能の試験
6.2.2 ホルモン分泌量の測定
6.2.3 ホルモン作用を変化させる物質
索引
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