<毒性試験講座 6> 毒性生化学(下)
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福田 英臣編 林 裕造編 和田 攻他編
ISBN4-8052-0326-9
B5判
頁/\6,000+税
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概要
本講座は420名におよぶ第一線の研究者の学際的な協力により,トキシコロジーを最新の視座から体系化し,基礎から実際までを具体的に解説した.1〜3までを「総論」とし,毒性試験の企画,実施,成績の評価に必要な一般的問題と4〜18に入れにくい事項について解説.また,この部門は,毒性試験に直接関与しない人々にも好個の参考になるので,特に記述を平易にした.4〜14までは「基本理論と技術」とし,各試験法の理論的解説と,個々の具体的な手法を専門分野別に記述.15〜18までは「毒性評価の実際」とし,1〜14を基礎にして,与えられた被験物質について毒性試験を企画,実施し,その結果を評価する際の問題点を具体的に解説した.
目次
IV 臓器毒性の生化学
1 中枢神経系
1.1 カテコールアミンの定量法と代謝回転速度の測定法
1.1.1 カテコールアミンの定量法
1.1.2 カテコールアミンの代謝回転速度の測定法
1.2 セロトニンの定量法と代謝回転速度の測定法
1.2.1 セロトニンの定量法
1.2.2 セロトニンの代謝回転速度の測定法
1.3 γ-アミノ酸(GABA)等アミノ酸神経伝達物質の定量
1.3.1 酵素的微量定量法の原理と概要
1.3.2 具体的試験法
1.3.3 実験例
1.3.4 本法を使用するにあたっての留意点
1.3.5 グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸の定量法
1.4 14C-デオキシグルコースの脳内取込み実験
1.4.1 方法の原理と概要
1.4.2 実験方法
1.4.3 脳内における局所グルコース消費量
1.4.4 14C-デオキシグルコースによる脳局所グルコース消費量測定法の応用
1.5 チロシン水酸化酵素(TH)活性の測定法
1.5.1 方法の原理
1.5.2 具体的な試験法
1.5.3 HPLC-電気化学検出法
1.6 ドーパ脱炭酸酵素(DDC)活性の測定法
1.6.1 方法の原理と概要
1.6.2 具体的な試験法
1.7 ドーパミン水酸化酵素(DBH)活性の測定法
1.7.1 測定の原理と概要
1.7.2 具体的な試験法
1.8 カテコール o-メチル基転移酵素(COMT)活性の測定法
具体的な試験法
1.9 コリンエステラーゼ
ChE 活性測定法
2 末梢神経系
2.1 神経系における神経毒の作用する部位
2.2 末梢神経の構造
2.3 Neuronopathy
2.4 Distal axonopathy
2.5 Proximal axonopathy
2.6 VI. Myelinopathy
2.7 障害の選択性
3 心・血管系“Low flow state”
3.1 REC を応用する微小循環観察の特徴
3.2 REC を応用した微小循環観察の実際
3.3 実験例――インシュリン低血糖時の Low flow state
3.4 生体顕微鏡的 Low flow state 研究の留意点
4 呼吸器系
4.1 毒物の呼吸器系に対する影響
4.1.1 ブレオマイシンの肺毒性
4.1.2 パラコートの肺毒性(主として臨床的観点から)
4.1.3 肺線維症におけるコラーゲン生成
4.1.4 BLM 及びパラコート肺臓炎の早期発見に役立つと考えられる
生化学的レベルでのマーカーについて
4.2 パラコート
4.2.1 毒性(主として動物実験の観点から)
4.2.2 分析法
5 胃腸管
5.1 方法の原理または概要
5.2 具解的な試験法及び実験例
5.2.1 ラット胃粘膜の細胞培養
5.2.2 Viability の測定
5.2.3 タウロコール酸の Viability に及ぼす影響
5.2.4 PG の効果
5.3 本法を使用するにあたっての留意点
6 胆嚢、膵臓
6.1 胆嚢と膵臓の解剖と機能
6.2 膵腺房細胞の形態と機能
6.2.1 消化酵素の合成、細胞内転送、濃縮、貯蔵
6.2.2 酵素原顆粒の放出
6.3 膵酵素の膵内活性化に対する防御機構
6.4 実験的膵障害
6.4.1 腺房細胞の酵素合成から貯蔵過程に作用する薬物
6.4.2 刺激-分泌系に作用する薬物
6.4.3 膵管内で作用する薬物(膵管内注入実験)
6.4.4 その他の実験膵炎
6.5 エタノールによる膵障害
6.5.1 エタノールの膵に対する間接作用
6.5.2 エタノールの膵に対する直接作用
6.6 膵内分泌障害を来す薬物
6.6.1 アロキサン
6.6.2 ストレプトゾトシン
7 肝臓
7.1 胆汁酸
7.2 ビリルビン
7.3 脂質
7.4 その他の代謝
7.5 ラット初代培養肝細胞を用いた毒性実験
8 腎臓
8.1 腎臓の生理機能概説
8.1.1 腎臓の構造
8.1.2 糸球体における限外ろ過
8.1.3 尿細管における水、電解質の吸収と分泌
8.1.4 尿細管における糖、アミノ酸の吸収
8.1.5 尿細管における有機酸の分泌
8.1.6 尿の濃縮と希釈
8.2 腎の代謝特性
8.2.1 ネフロン内酵素の分布
8.2.2 エリスロポエチンの産生
8.2.3 レニンの分泌
8.2.4 ビタミン D3の活性化
8.2.5 薬物、毒物の代謝
8.2.6 糖の新生
8.2.7 アンモニアの産生
8.3 腎毒性の生化学的検出法
8.3.1 In vivo の方法
8.3.2 In vitro の方法
9 感覚器
9.1 眼
9.1.1 無機物質(inorganic agents)
9.1.2 有機物質(organic agents)
9.2 耳/蝸牛と前庭系
9.2.1 耳の解剖と機能
8.2.2 耳毒性物質の作用
10 皮膚
10.1 角質層における反応
10.1.1 人角質粉末による試験
10.1.2 角質層に対する作用の代用モデル――たん白質に対する作用
10.2 表皮リビング層に対する作用
10.2.1 表皮の剥離
10.2.2 基底細胞の反応
10.2.3 有棘細胞及び顆粒細胞の反応
10.2.4 表皮細胞の形質転換
10.3 真皮マトリックス
11 甲状腺、副甲状腺
11.1 甲状腺と副甲状腺の位置関係
11.1.1 甲状腺・副甲状腺ホルモンの作用
11.1.2 甲状腺ホルモンの生合成
11.1.3 T3、T4の定量
11.2 T3、T4の生合成及び代謝活性の測定
11.2.1 ヨード摂取能測定
11.2.2 ヨウ化チロシン脱ヨード酵素活性
11.2.3 甲状腺摘出法
11.3 副甲状腺ホルモン及びカルシトニンの定量
11.3.1 カルシトニンの定量
11.3.2 副甲状腺ホルモンの定量
12 下垂体−副腎系
12.1 ACTH の定量法
12.1.1 バイオアッセイ法
12.1.2 RIA 法
12.2 ステロイドホルモンの定量法
12.2.1 化学的定量法
12.2.2 RIA 法
12.2.3 コンペティティブプロテインバインディングアッセイ
12.2.4 高速液体クロマトグラム(HPLC)による分離測定
13 硬組織
13.1 ピロリン酸(PPi)と硬組織代謝
13.2 Bisphosphonic acids(Bisphosphonates, BPs)
13.3 Bisphosphonates の臨床的応用と毒性学的な問題点
13.4 HEBP の微量定量法
13.4.1 測定法の原理
13.4.2 測定方法
13.4.3 測定値の精度と回収率
13.4.4 応用例
14 結合組織
14.1 ヒドロキシプロリン定量法の原理及び概要
14.1.1 ヒドロキシプロリン定量法
14.1.2 本法を使用するにあたっての留意点
14.1.3 実験例
14.2 ウロン酸定量法の原理及び概要
14.2.1 ウロン酸の定量法(Bitter-Muir の方法)
14.2.2 本法を使用するにあたっての留意点
15 骨格筋
15.1 骨格筋の機能発見過程
15.2 筋無力症(myasthenia)様症候群とその他の神経筋伝達障害
15.3 ミオトニー
15.4 アセチルコリンエステラーゼ阻害
15.5 悪性高熱
16 血球
16.1 全血球系の障害
16.2 赤血球系の障害
16.2.1 特徴
16.2.2 赤血球増加症
16.2.3 貧血
16.3 白血球系の異常
特徴
16.4 血小板系の異常
16.4.1 特徴
16.4.2 数の変動
V Toxicokinetics
1 Toxicokinetics の考え方とその意義
1.1 Toxicokinetics とは
1.2 Toxicokinetics の意義
1.3 投与量の決定
2 実施方法の概要
3 薬物の体内動態解析法
3.1 体内での薬の挙動の数学的取扱い
3.2 吸収の評価
3.3 クリアランスの考え方、消失の評価
3.4 非線形薬物速度論−臨床用量への外挿の問題点
4 治療係数
VI 毒性試験で繁用される分析機器
1 GC-MS
1.1 質量分析装置(マススペクトロメーター)
1.2 ガスクロマトグラフ装置
1.3 GC-MS 分析法
1.3.1 前処理法
1.3.2 誘導体化法
1.3.3 その他
2 高性能液体クロマトグラフィー
2.1 装置
2.1.1 溶媒補給瓶
2.1.2 送液ポンプ
2.1.3 サンプル注入器
2.1.4 分析カラム
2.1.5 検出器
2.1.6 レコーダー
2.1.7 マイクロプロセッサー
2.2 HPLC の原理
2.2.1 固定相−移動相の化合物分配
2.2.2 HPLC のパラメーター
2.3 定量分析
3 Chemiluminescence(化学発光)
3.1 化学発光と発光体−活性酸素と化学発光増感剤
3.2 化学発光の取扱い
3.3 化学発光の毒性化学、毒性生理学的応用
3.4 化学発光測定装置の構成と毒性実験のための装置の製作
3.5 市販化学発光測定機器
4 フローサイトメーター・セルソーター
4.1 装置の原理と概要
4.2 FCM・CS の応用
4.3 単層培養細胞核の DNA 量及び細胞周期回転異常の検出法
4.3.1 試薬
4.3.2 ニワトリ血球染色法
4.3.3 哺乳類培養細胞染色法
4.3.4 FCM による測定
4.3.5 結果の解析法
4.4 実験例
4.5 FCM・CS の留意点
5 NMR(核磁気共鳴)
5.1 核磁気共鳴
5.1.1 核の磁性と共鳴条件
5.1.2 回転座標系とパルス FT NMR
5.1.3 測定で得られる量
5.2 応用例
5.2.1 分子間相互作用
5.2.2 化学交換と温度変化
5.2.3 常磁性試薬
5.2.4 滴定
5.3 二次元 NMR
5.4 13C-NMR
5.5 毒性たん白、オリゴペプチド研究への NMR の応用
6 ESR(電子スピン共鳴)
6.1 原理
6.2 装置測定法
6.3 ESR の応用
7 細胞内カルシウム微量測定
7.1 細胞内カルシウム濃度測定法
7.2 蛍光カルシウム指示薬による細胞内カルシウム濃度測定法
7.3 実際の測定法
7.4 本法を使用するにあたっての留意点
8 ラジオクロマトグラフィー
8.1 ラジオ薄層クロマトグラフィー
8.2 ラジオガスクロマトグラフィー
8.3 ラジオ高速液体クロマトグラフィー
8.4 同期加算型放射能検出器
ラジオガスクロマトグラフィーへの適用
8.5 薬物代謝研究における応用
6-keto PGF1αの代謝研究
トリプトファンの代謝プールと交替速度
薬物代謝パターン分析
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