<毒性試験講座 5> 毒性病理学
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福田 英臣編 林 裕造編 和田 攻他編
ISBN4-8052-0324-2
B5判
頁/\22,330+税
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概要
本講座は420名におよぶ第一線の研究者の学際的な協力により,トキシコロジーを最新の視座から体系化し,基礎から実際までを具体的に解説した.1〜3までを「総論」とし,毒性試験の企画,実施,成績の評価に必要な一般的問題と4〜18に入れにくい事項について解説.また,この部門は,毒性試験に直接関与しない人々にも好個の参考になるので,特に記述を平易にした.4〜14までは「基本理論と技術」とし,各試験法の理論的解説と,個々の具体的な手法を専門分野別に記述.15〜18までは「毒性評価の実際」とし,1〜14を基礎にして,与えられた被験物質について毒性試験を企画,実施し,その結果を評価する際の問題点を具体的に解説した.
目次
I 総論
1 病変の分類
1.1 病変の定義
1.2 病変の分類法
1.3 毒性病理学に使われる病変とその特徴
1.4 基本的な病変用語
1.4.1 組織の固有構築および構成細胞の変化
1.4.2 代謝障害・異常形成物や沈着の出現など
1.4.3 循環障害や血液・血管・結合織の関連病変
1.4.4 炎症性病変
1.4.5 増殖性反応
1.4.6 腫瘍
1.5 病変分類の問題点
2 肉眼的観察の要点
2.1 一般的事項
2.1.1 個体の確認
2.1.2 記録の取り方
2.1.3 肉眼観察の順序
2.1.4 大きさ
2.1.5 重さ
2.1.6 色
2.1.7 硬さ
2.1.8 所見の図示と写真撮影
2.2 外表観察
2.3 器官の観察
2.3.1 位置と形
2.3.2 表面
2.3.3 割面
2.3.4 内腔
2.3.5 巣状病変
3 病理標本の見方とまとめ方
3.1 病理標本観察の目的
3.2 所見と診断
3.3 用語
3.4 病理標本観察の手順
3.4.1 病理標本観察の手順
3.4.2 病理標本の正確な観察、まとめのための必要条件
3.5 病変の部位、種類(分類)および程度
3.5.1 病変の部位
3.5.2 病変の種類(分類)
3.5.3 病変の程度
3.6 毒性評価の立場からの病変分類
3.6.1 薬物依存性の有無による分類
3.6.2 生物学的性状による病変の分類
3.7 臓器別にみた検鏡上の留意点および主要病変
3.7.1 神経系
3.7.2 呼吸器系
3.7.3 消化器系
3.7.4 内分泌系
3.7.5 泌尿器系
3.7.6 生殖器系
3.7.7 循環器系
3.7.8 リンパ・造血器系
3.7.9 皮膚・運動器系
4 毒性病理学の方法と実際
4.1 毒性病理学とは
4.2 病理検査の方法と技術
4.2.1 形態学的方法の特徴
4.2.2 病理形態学の技術
4.2.3 電子顕微鏡観察の応用
4.2.4 病理所見の定量化
4.3 病理検査結果の評価
4.3.1 正常と異常
4.3.2 被験物質投与との関係についての評価
4.3.3 病変の生物学的性状に関する評価
4.3.4 病変の多様性についての評価
4.3.5 病理組織学的検査の手順
4.3.6 毒性評価と協力研究
II 各論
1 循環器系
1.1 非腫瘍性病変
1.1.1 正常組織
1.1.2 自発発生病変
1.1.3 薬物誘発性病変
1.2 腫瘍性病変
1.2.1 循環器系腫瘍の分類
1.2.2 循環器系腫瘍の病理
1.2.3 自然発生腫瘍
1.2.4 循環器系腫瘍の誘発
2 造血器系
2.1 非腫瘍性病変
2.1.1 形態学的特徴
2.1.2 造血臓器の加齢性変化
2.1.3 血液および造血機器の毒性変化
2.2 腫瘍性病変
2.2.1 正常組織
2.2.2 マウス白血病
2.2.3 ラット白血病
2.2.4 マウスおよびラット白血病の病理学的所見
2.2.5 白血病の組織発生
3 消化器系
3.1 非腫瘍性病変
3.1.1 消化管
3.1.2 肝臓
3.1.3 膵臓
3.2 腫瘍性病変
3.2.1 消化管
3.2.2 肝臓
3.2.3 膵臓
4 呼吸器系
4.1 非腫瘍性病変
4.1.1 上部気道
4.1.2 肺
4.2 腫瘍性病変
4.2.1 呼吸器腫瘍概説
4.2.2 呼吸器腫瘍の病理所見
5 泌尿器系
5.1 非腫瘍性病変
5.1.1 腎臓
5.1.2 尿管、膀胱および尿道
5.2 腫瘍性病変
5.2.1 腎臓と膀胱の自然発生腫瘍
5.2.2 発がん物質誘発腫瘍およびその初期病変
5.2.3 発がん物質誘発膀胱腫瘍およびその初期病変
6 内分泌系
6.1 非腫瘍性病変
6.1.1 内分泌系の構成とその障害
6.1.2 実験動物でみられる内分泌系の非腫瘍性病変
6.1.3 薬物に相関した内分泌系の非腫瘍性病変
6.2 腫瘍性病変
6.2.1 甲状腺
6.2.2 下垂体(実験的下垂体腫瘍)
6.2.3 副腎
6.3 内分泌領域における免疫組織化学
6.3.1 免疫組織化学の種類、原理
6.3.2 内分泌臓器の免疫組織化学
7 生殖器系
7.1 非腫瘍性病変
7.1.1 雄
7.1.2 雌
7.2 腫瘍性病変
7.2.1 雄
7.2.2 雌
8 神経系
8.1 非腫瘍性病変
8.1.1 神経系の組織学的検索部位と解剖学的名称
8.1.2 アーティファクト(artifact)
8.1.3 自然発生病変
8.1.4 中毒性病変の分類
8.2 腫瘍性病変
8.2.1 神経系腫瘍の分類
8.2.2 神経系腫瘍の病理
8.2.3 神経系腫瘍の自然発生
8.2.4 神経腫瘍の誘発
9 皮膚・運動器系・感覚器系
9.1 非腫瘍性病変
9.1.1 皮膚
9.1.2 運動器系
9.1.3 感覚器系(目)
(耳)
9.2 腫瘍性病変
9.2.1 皮膚・皮膚付属器および軟部組織
9.2.2 運動器系
9.2.3 感覚器系
付録
1 病理標本作製手技
1.1 固定法
1.1.1 固定の原理と手順
1.1.2 各種固定液
固定の際に問題の多い臓器と問題点 Q & A
1.2 脱灰法
1.2.1 脱灰操作の要点
1.2.2 脱灰完了を知る方法
1.2.3 各種脱灰法
脱灰の際の問題点 Q & A
1.3 包埋法
1.3.1 パラフィン包埋法(embedding in paraffin)
1.3.2 自動包埋装置による脱水、包埋
包埋の際に問題の多い臓器と問題点 Q & A
脱水(脱脂)、包埋の際の問題点 Q & A
1.4 薄切、伸展、乾燥
1.4.1 切削の原理
1.4.2 薄切の基礎知識
1.4.3 替刃式ミクロトーム刀
1.4.4 ミクロトーム
1.4.5 薄切法
1.4.6 伸展、乾燥
1.4.7 薄切後の処置
1.5 染色法
1.5.1 染色の一般論
1.5.2 染色の一般的注意
1.5.3 染色の前後
1.5.4 ヘマトキシリン・エオジン染色
1.5.5 結合組織の染色法
1.5.6 脂肪染色
1.5.7 多糖類染色
1.5.8 アミロイド染色
1.5.9 中枢神経組織染色
1.6 内分泌細胞の染色――鑑別染色と免疫組織化学――
1.6.1 グリメリウス(好銀性染色) Grimeliu's method
1.6.2 ヘルマン・ヘレルストローム法(好銀性染色)
Hellman-Hellerstroem's method
1.6.3 フォンタナ・マッソン法(銀還元性染色)
Fontana-Masson's method
1.6.4 Gomori のアルデヒド・フクシン染色
1.6.5 Paget らのアルデヒド・チオニン染色
Aldehyde-Thionine-PAS-Orange G
1.6.6 Solcia らの鉛・ヘマトキシリン染色
Lead-Hematoxylin stain
1.6.7 膵ラ氏島三重染色
Triple Staining of cell types in islet of Langerhans of pancreas
1.6.8 酵素抗体 ABC 法(アビジン‐ビオチン‐ペルオキシダーゼ複合体法)
Avidin-biotin-peroxiderse complex method
2 透過型電子顕微鏡試料作製法
2.1 実質臓器の試料作製法
2.1.1 試料採取
2.1.2 固定
2.1.3 脱水
2.1.4 包埋
2.2 血液細胞(遊離細胞)の試料作製法
2.2.1 固定法
2.2.2 超薄切
3 病理標本の整理・保管
3.1 病理標本の識別管理方法
3.1.1 解剖から標本作製までの対応
3.1.2 標本の識別区分――ラベリング体系――
3.1.3 評価のための検索――ファイリング・システム――
3.1.4 標本の保管――一次保管と最終保管――
3.1.5 検索
3.2 標本作製の管理と標本保管の管理―― GLP 規制の遵守――
3.2.1 試験計画書との一致性
3.2.2 標準操作手順書(SOP)の位置づけ
3.2.3 解剖から標本作製までの管理
3.2.4 標本検索の容易さと正確性
3.3 GLP に対応した病理標本作製・保管管理
――コンピュータ・システムの一例――
3.3.1 システムの概要
3.3.2 システムの機能
3.3.3 作業実施とその運営について
3.3.4 システムの効果
索引
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