<地人選書37> アインシュタイン「神話」大衆化する天才のイメージと芸術の反乱
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A.J.フリードマン著 C.C.ドンリー著 沢田 整訳
ISBN4-8052-0297-1
四六判/376頁
\2,500+税
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概要
プロメテウスであり,ミューズでもあるアインシュタインと現代文化との関係を明らかにした.本書の特徴のひとつは物理学という限られた領域の「革命」が大衆化されるときの「ねじ曲げられ」方を具体的に追及し,特に文学,中でも英語圏の作品に対して与えた直接的・間接的影響を詳細にたどった.
目次
はじめに
序章
第1章 物理学における新しい概念の大衆化
一般大衆が変化に気づく
表紙のアインシュタイン
アインシュタイン――大衆の人気者
同時に起こる芸術の反乱
第2章 ニュートン力学と文学
ルネサンス以前の考え方
第一革命
時計仕掛けの宇宙
詩人たちがニュートンに魅了される
世界観としての決定論
より広い範囲での影響
ニュートンの力の限界を探る
光の問題
第二のニュートン現わる
マクスウェル後の物理学者のプログラム
第3章 アインシュタインの革命
エーテルの復活
エーテルは普遍的座標系か?
マイケルソン‐モーレーの測定
アインシュタインの解決
なぜアインシュタインの仮定はおかしいか
普遍的現在という神話
一般相対性理論
新しい物理学の教訓
第4章 アインシュタイン、ミューズとなる
ミューズへの詩人たちの積極的反応
ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ
アーチボルト・マクリーシュ
ルイス・ズーコフスキー
チャールズ・オルソン
より慎重な反応
ロバート・フロスト
エズラ・パウンド
T. S. エリオット
E. E. カミングス
相対性理論に対する小説のアプローチ
ローレンス・ダレル
ウラジミール・ナボコフ
ヴァージニア・ウルフ
ウィリアム・フォークナー
ジョイスのユリシーズ
フィネガンズ・ウェイク
その他の実験
第5章 第二の革命
光に関するもう一つの問題
ぼやけた宇宙
アインシュタイン、レジスタンスの旗手となる
量子論が物理学を越えていく
量子論、文学に入り込む
散文の構造
主観‐客観の混合
比喩としてのゲーム
第6章 描かれた神話
E=mc2 の由来と意味
爆弾の製作はどのようにして始められたか
原子エネルギーは最初どのように小説の中に登場したか
爆弾、実用化される
神話が歴史の中に溶ける
小説とノンフィクションにおける神話
その後の小説と戯曲における神話
不可避
知性の化身としてのアインシュタイン
文化の周辺におけるイメージ
神話的イメージの地位
付録
刊行にあたって
謝辞
原注
索引
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