竹を知る本

竹は木か草か
表紙
室井 綽著

ISBN4-8052-0253-X

四六判

260頁/\1,650+税



概要

わが国の美しさを象徴してきた竹薮は今や衰退するばかりだが,逆に欧米では竹の魅力に目が向けられるようになった.本書は竹博士として高名な著者が竹と笹とバンブー,竹とタケの違いなどを説明したあと世界をめぐっての竹の楽しい話,さらには竹細工から食に関することまでそのすべてを語る.

目次

1 タケは地球を救う
 竹と笹とバンブーと
 熱帯多雨林の減少とタケ
 パルプ化への道と展望
  よいタケとは
  日本の失敗
  竹パルプの困難点
  開花問題
  資源に無尽蔵なものはない
 タケは地球を救う

2 タケの紳士録
 タイサンチク
 イエローバンブー
 ホテイチク
 ダイフクチク(ブットチク)
 シチク
 日本・中国タケくらべ
 蔓性のタケ
 シリカを含む強剛竹材

3 珍しいタケ
 ソロバンダケ
 穴のないタケ
 大きな果実のメロカンナ
 天から授かった水筒
 毛むくじゃらのタケ
 節間の長いタケ、短いタケ
 タケの大小ナンバー・ワン
 六岐のお化け筍
 スネーク・バンブー

4 タケは木か、草か
 ミヤコザサは木か、草か?
 一人前のタケとは?
 竹稈はなぜ円筒なのか?
  合理的な形態
  ジグザグは進化の名残り
  生きるための変身
  珍種は消え、また生まれる
 スピード生長の秘密は“中空”か
 タケの根はどこから出るのか?
 一本枝か、日本枝か?
 竹の年齢調べと詐欺行為
 花が咲くと枯れるのか?
 タケはいつ開花するのか?
 忽然と消えた笹
 病気にされたキンメイチク
 黒斑竹の美しさの秘密

5 神聖なタケの神秘な話
 ササの風韻は神のささやき
 タケに寄せる信仰
  鈴木さんのルーツ
  タケにあやかる断食
  赤ん坊を守るタケの刺
  村の中心に聖域のタケ
  一本一本に名入りの竹薮
 竹に学ぶ
  タケと忌詞
  人格形成は筍にみならえ
 すりかえられた竹霊
 聖具と竹細工
 双生矢竹の怪
 エジソンと男山八幡の竹
 牧野博士を酔わせた竹酔日
 真説かぐや姫

6 世界のタケめぐり
 マダケの開花は日本といっしょ
 砂漠の中に
 空港の人気もの
  バンクーバー空港(カナダ)
  ボゴタ空港(コロンビア)
 アメリカはタケブーム
 日本の竹が大好き
 冬枯れ時の緑にあこがれて
  ヨーロッパ一のタケの国
  ヨーロッパのタケの元締
  タケはマスコット
 イギリス人はタケがお好き
 悠久のタケ原生林
 工芸品のタケ戦争
  タケ細工の実習教育
  魚類栽培用のタケ
  動く案山子
  タケの名称すら忘れて
  日本竹細工の敗退
 タケの大輸出国だったが
 タケに始まった中国文化
  火と竹簡の文化
 絹のような竹織物
 タケの宝庫
 静寂なタケに古都を偲ぶ
 自然がつくった大芸術

7 ところ変れば
 中国にみる盆栽の粋
 盆栽と凡栽のちがい
 三千年の暮らしの知恵の結晶
 神を招く穀倉
 竹綱と竹縄
  竹綱
  竹縄
  熱帯の竹縄
  竹の化粧廻し
 竹筒利用の原点をみる
  発酵用具としての竹筒
  タケのお釜
 ほんとの竹飯
 竹紙の効用を伝えて
 タケを生活の支えにして
  タケの筏
  タケの一本橋
 タケを編んで
  陶器竹編
  タケの編板
 竹細工の傑作ポンチュー
 シラス地帯の土止め
 竹炭用の竹林造成

8 筍をおいしく食べる
 注目される食用筍
 筍の旬は四月
 筍のさしみ
 メンマの形を食べる日本人
 外国人と筍料理
 筍のビスケット
 食べやすい筍の缶詰
 中国産の筍に思う

9 動物とタケ
 パンダが絶滅する
  パンダを支えたかぐわしい糞
  レイゼンチクの開花
  パンダが食べる笹は?
 キツツキのとんだ災難
 食通(?)カラスと白子の食害
  マウンテン・ゴリラと筍
 ササとネズミとアセビの繁殖
  ササの開花でアセビが茂る
  笹の再生
  笹の実の魅力
 シャクナゲブームの陰に
 虫害に強いタケ