現代の数理科学シリーズ 7>

流体力学(上)

表紙
中口 博著
本間 弘樹著

ISBN4-8052-0247-5

A5判

256頁/\3,000+税



概要

20世紀に入って,航空機や流体機械をはじめとした工学の各分野が目覚ましく発展し,それを支えるために流体力学の研究も著しく進んだ.実際に役立つ流体力学は,理論に確かな基礎を置きながら,今なお様々な方面に向けて発展を続けている.本書は新しい流体力学への基礎を与えるものである.

目次

第1章 流体力学の基礎

1 流体静力学
 1.1 流体に働く力
 1.2 流体静力学の基礎方程式
 1.3 重力場に置かれた静止流体
  (a) 液体の深さと圧力
  (b) パスカルの原理
  (c) 圧力の測定
  (d) 液体中の平板に作用する全圧力
  (e) 液体中の曲面板に作用する全圧力
  (f) 浮力
 1.4 一定加速度場に置かれた相対的静止流体
 1.5 表面張力の作用する静止流体
2 連続の式およびエネルギーの式
 2.1 流れの場
 2.2 連続の式
 2.3 ベルヌーイの式
  (a) 水槽からの流出
  (b) 断面積が変化する水平管内の流れ
 2.4 流速および流量の測定
  (a) ピトー静圧管
  (b) ベンチュリ速度計
  (c) その他の流速計
  (d) 流量計
 2.5 管路内の流れ
 2.6 水路の流れ
  (a) 水路のエネルギーの式
  (b) 水路の比エネルギー
3 運動量の法則および角運動量の法則
 3.1 運動量の法則
 3.2 角運動量の法則
 3.3 運動量の法則および角運動量の法則の応用
  (a) 壁に衝突する噴流
  (b) バケットに衝突する噴流
  (c) 急拡大管
  (d) プロペラおよび風車
  (e) 回転する撤水器
  (f) 渦巻きポンプ
  第1章問題

第2章 粘性流体の力学

4 流体の粘性と運動方程式
 4.1 流体の粘性
 4.2 流体の運動方程式
 4.3 粘性流れの簡単な例
  (a) クエットの流れ
  (b) ポワズイユの流れ
 4.4 流れの相似則
5 低レイノルズ数の流れ
 5.1 球の抗力に関するストークスの公式
 5.2 すべり軸受
6 高レイノルズ数の流れ
 6.1 境界層の概念と境界層方程式
 6.2 境界層方程式の近似解法
7 層流と乱流
 7.1 層流、乱流および遷移
 7.2 レイノルズ応力
 7.3 管内の乱流および乱流境界層
  (a) 滑らかな円管および平板
  (b) 表面粗さの影響
8 境界層の剥離と境界層制御
 8.1 境界層の剥離
 8.2 境界層制御
  (a) 抗力低減
  (b) 揚力増大
9 流れの中に置かれた物体の抗力
 9.1 ブラフボディの抗力と後流
  (a) 物体の形と抗力係数
  (b) 後流の構造
  (c) 3次元緩和効果
 9.2 流線形物体の抗力
 9.3 抗力係数とレイノルズ数との関係
 第2章問題

第3章 理想流体の力学

10 理想流体の流れ
 10.1 基礎方程式、非回転流れおよび速度ポテンシャル
 10.2 流れ関数
 10.3 複素速度ポテンシャル
 10.4 等角写像
 10.5 翼型の写像
 10.6 運動方程式とベルヌーイの定理
 10.7 円柱のまわりの流れ
11 渦
 11.1 渦と循環
 11.2 渦の保存定理と渦の発生
 11.3 渦の誘導速度
 11.4 鏡像法
12 揚力
 12.1 クッタ・ジューコフスキーの定理
 12.2 揚力の循環理論とクッタの条件
 12.3 翼型の揚力
13 2次元の翼
 13.1 翼型の形と特性
  (a) 揚力特性
  (b) 抗力特性
  (c) モーメント特性
  (d) 圧力中心
 13.2 翼型系列
  (a) NACA 4字および5字系列
  (b) 層流翼型
  (c) ウォルトマン系列
  (d) 遷音速翼型
 13.3 後退翼とクロスフローの原理
14 3次元の翼
 14.1 3次元翼のまわりの流れ
 14.2 揚力線理論と3次元翼の特性
15 翼列
 15.1 翼列とそれを過ぎる流れ
 15.2 動翼と案内翼
 第3章問題