現代の数理科学シリーズ 6>

グラフ理論への道

表紙
N.L.ビッグス他著
一松 信訳
秋山 仁他訳

ISBN4-8052-0237-8

A5判

336頁/\3,400+税



概要

本書はグラフ理論の基礎を築いた数学者たちのオリジナル論文をもとに構成されている.この分野への入門テキストとしても最適.内容:道/閉路/木/化学的グラフ/オイラーの多面体公式/四色問題−初期の歴史/種々の曲面上の地図の彩色/代数学と位相幾何学からのアイディア/他

目次

第1章 道
 ケーニヒスベルクの橋の問題
 一筆書きパズル
 迷路

第2章 閉路
 ナイト周遊
 カークマンと多面体
 20点ゲーム

第3章 木
 木に関する最初の研究
 無限木の個数計算
 ラベルつき木の個数計算

第4章 化学的グラフ
 化学におけるグラフの公式
 異性体
 クリフォード、シルベスターと「グラフ」という術語
 数え上げ、ケーリーからポリャへ

第5章 オイラーの多面体公式
 正多面体研究の歴史
 平面的グラフと地図
 オイラーの公式の一般形

第6章 四色問題――初期の歴史
 四色問題の起源
 定理の「証明」
 ヒーウッドと5色定理

第7章 種々の曲面上の地図の彩色
 曲面の染色数
 隣接領域
 単側曲面

第8章 代数学と位相幾何学からのアイディア
 回路の代数
 平面的グラフ
 平面性とホイットニーの双対性

第9章 四色問題――1936年までの発展
 問題の再定式化の第一段階
 可約性
 バーコフ、ホイットニーと染色多項式

第10章 グラフの因子分解
 正則グラフとその因子
 3‐正則グラフに関するペテルセンの定理
 もう一つの異なる解釈: 対応

 付録1. 1936年以後のグラフ理論
 付録2. 伝記
 付録3. 文献: 1736‐1936
 訳者あとがき
 さくいん

抜粋論文の一覧

1A オイラー(1736) 位置の幾何学に関する問題に対する解
1B ヒールホルツァー(1873)
   繰り返しや途切れなしで線システムをたどる可能性について
1C リスティング(1847) トポロジーの初歩
1D タリー(1895) 迷路の問題

2A ファンデルモンド(1771) 位置の問題に関する注意
2B カークマン(1856) 多面体の表現について
2C ハミルトン(1859) 20点ゲーム

3A ケーリー(1857) 木とよばれる解析的形態の理論について
3B ジョルダン(1869) 線の集合について
3C ケーリー(1881) 木とよばれる解析的形態について
3D プリューファ(1918) 置換に関する一定理の別証

4A フランクランド(1866) グラフによる記号
4B ケーリー(1874) 異性体についての数学的理論について
4C シルベスター(1878) 化学と代数学
4D ポリャ(1935) 置換群上の一般組合せ問題と有機化合物の異性体の数の計算

5A オイラー(1750) クリスチャン・ゴールドバッハへの手紙
5B コーシー(1813) 多面体に関する研究‐初歩的考察
5C リューリエ(1812) 多面体の計量に関する研究

6A ケーリー(1879) 地図の色分けについて
6B ケンペ(1879) 4色の地理学上の問題について
6C テイト(1880) 地図の色分けに関する注意
6D ヒーウッド(1890) 地図の塗り分け定理

7A ヒーウッド(1890) 地図の塗り分け問題
7B ヘフター(1891) 隣接領域の問題について
7C ティーツェ(1910) 単側面上の地図塗り分け問題に関するいくつかの注意

8A キルヒホッフ(1847)
   ガルヴァノ流(電流)の線形分布の研究から転じた方程式系の解について
8B ヴェブレン(1916) 線形グラフ
8C クラトウスキー(1930) 非平面的曲線の位相的問題について
8D ホイットニー(1932) 非分離的な平面グラフ

9A ヴゥブレン(1912) 合同方程式の位置解析への一応用
9B バーコフ(1912) 地図を彩色する方法の数に関する行列式公式
9C フランクリン(1922) 四色問題
9D ホイットニー(1932) 数学中の一つの論理的展開

10A ペテルセン(1891) 正則グラフの理論
10B ペテルセン(1898) テートの定理について
10C フリンク(1626) ペテルセンの定理の一証明
10D ケーニヒ(1916) グラフとその行列式および集合論への応用について