宇宙の広さは測れるか
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吉田 正太郎著
ISBN4-8052-0216-5
A5判
376頁/\3,800+税
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概要
恒星,散開星団,球状星団,惑星状星雲,銀河,銀河群,銀河団,超銀河団,クェーサーなど,すべての天体について,距離の計測法を,原理だけでなく実際の観測にはどんな問題点があるかを具体的に解説.また恒星から銀河団までの各天体の距離,位置,光度などを50の表にまとめ文献を明示した.
目次
まえがき
本書の特色
おもな外国雑誌の略字
第1章 恒星の距離がわかるまで
1.1 天文単位とは
1.1.1 天文単位の使いかた
1.1.2 連星系の軌道要素と天文単位
1.1.3 天文単位の測りかた
1.2 太陽系の範囲はどこまでか
1.3 地動説と年周視差
1.4 レーマーの業績
1.5 グリニジ天文台の創設と大英恒星目録
1.6 恒星の固有運動の発見
1.7 光行差と章動の発見
1.8 ベッセルが年周視差の検出に成功
1.9 リジル・ケントとベガの年周視差
1.10 年周視差測定のその後
1.11 連星の発見
1.12 現代の重量観測
第2章 三角視差測定の実際
2.1 恒星の距離測定に関する用語
2.1.1 相対視差と絶対視差
2.1.2 恒星の距離の単位
2.2 三角視差測定の問題点
2.2.1 恒星の空間運動
2.2.2 視差を観測する時期
2.2.3 大気差
2.2.4 エマルジョン・シフト(Emulsion shift)
2.2.5 レンズの収差と光軸調整
2.2.6 ナイト・エラー(Night error)
2.2.7 偶然誤差
2.2.8 外部誤差
2.3 三角視差の写真観測の実際
2.4 アメリカ各天文台の三角視差観測
2.5 リジル・ケント系
2.6 織女星の距離と光度
2.7 赤色微光星の距離を測る USNO の研究
2.8 明るい星、近い星、明るくて近い星
2.8.1 明るい恒星の距離
2.8.2 近距離の恒星
2.8.3 明るくて近い星
2.8.4 星の距離の表からわかること
第3章 星団の距離を測る
3.1 ヒヤデス星団と、ヒヤデス・スーパー・クラスター
3.2 ヒヤデス星団研究史
3.2.1 L. ボスの「おうし座星流」
3.2.2 ファン・ブェレンの研究
3.2.3 その後の研究
3.3 ヒヤデス星団の距離を測る
3.3.1 ヒヤデス星団の距離は、なぜ重要か
3.3.2 消点(集束点)を知って距離を求める
3.3.3 ヒヤデス星団の距離の最新の値
3.4 いろいろな散開星団
3.4.1 プレヤデス星団
3.4.2 かみのけ星団
3.4.3 ペルセウス2重星団
3.4.4 遠い散開星団 NGC3105
3.5 近すぎる星団
3.5.1 おおぐま・シリウス星流
3.5.2 さそり・ケンタウルス星流
3.6 散開星団の CM 図
3.7 散開星団の ZAMS 合わせ
3.8 散開星団ルプレヒト44の距離
3.9 セファイド周期光度関係の検定
3.10 球状星団とは
3.11 球状星団の距離と、こと座 RR 型変光星
3.12 球状星団の最近の研究
3.12.1 古い種族の天体としての球状星団
3.12.2 銀河系の中心方向に近い球状星団
3.12.3 新しく確認された球状星団
3.12.4 球状星団 M15 の CM 図と測光目録
3.12.5 球状星団の核心部の観測
3.13 ほかの銀河のなかの球状星団
3.13.1 ろ(炉)座系のなかの球状星団
3.13.2 アンドロメダ大星雲のなかの球状星団
3.13.3 ケンタウルス A のなかの球状星団
3.13.4 M87 のまわりの球状星団
3.13.5 球状星団の所属
3.13.6 球状星団のなかの星の所属
3.14 散光星雲の距離
3.15 惑星状星雲の距離
第4章 セファイドで銀河の距離を知る
4.1 80年前の大型星野カメラ
4.2 マゼラン雲のなかの変光星
4.3 宇宙を測量する手がかりをつかむ
4.4 マゼラン雲のその後
4.5 アンドロメダ大星雲にセファイド発見さる
4.6 バーデとスウォープの M31 予備調査
4.7 ガポシュキンの M31 区域II測定
4.8 M31 区域IVの研究
4.9 M31 の変光星のまとめ
4.10 M31 の形状
4.11 M31 の紫外、赤外、電波観測
4.12 M33 の距離がわかるまで
4.13 ローカル・グループの測量
4.14 ある矮小銀河
4.15 セファイド法のまとめ
4.16 セファイドとは
第5章 セファイドを使わない宇宙測量
5.1 セファイドから最輝星へ
5.2 ファン・デン・バーグの名案
5.3 M101 の距離
5.4 B2 銀河群と B3 銀河群
5.5 そのほかの銀河群
5.6 水素のスペクトル
5.7 ドップラー効果と電波スペクトル線プロフィール
5.8 タリー・フィッシャー関係
5.9 HII領域の実直径
5.10 距離指標としての超新星
5.11 超新星の赤外測光
5.12 おとめ座銀河団
5.13 おとめ座銀河団の距離
5.13.1 電波プロフィールから
5.13.2 銀河の光度階級から
5.13.3 HII領域の大きさから
5.13.4 超新星から
5.13.5 球状星団から
5.13.6 視線速度の比から
5.13.7 星像の解像程度から
5.13.8 おとめ座銀河団の距離のまとめ
5.14 炉座銀河団
5.15 単独銀河とペア銀河
第6章 はるかなる時空
6.1 ハッブルの定数
6.1.1 ハッブルの法則
6.1.2 ド・ボークルールの H0 の値
6.1.3 サンデージとタムマンの H0 の値
6.1.4 H0 の値のまとめ
6.2 うみへび座第1銀河団とは
6.3 うみへび座第1銀河団の新研究
6.4 もっと遠い銀河団
6.5 局部超銀河団 LSC
6.6 かみのけ座銀河団
6.7 超銀河団の分布
6.8 ペルセウス・うお超銀河団とピシーズ・ボイド
6.9 クェーサーとは
6.10 最遠の天体
最新の観測と研究
索引
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