<地人選書 7> 惑星間塵
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山越 和雄著
ISBN4-8052-0202-5
四六判/224頁
\1,700+税
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概要
惑星間空間にただよう小さな塵(ダスト)は,太陽系の謎を解き明かす重要な鍵を握っている.現在,いろいろな角度から,各種のアプローチがなされている.内容:運動と分布/直接探査/マイクロクレーター/流星と夜光雲/深海底のスフェルール/隕石落下クレーター/宇宙物質の降下/他
目次
第1章 天文観測による惑星間塵の認識
1.1 黄道光と対日照
1.2 太陽の F コロナ
第2章 惑星間塵の運動と分布
2.1 ポインティング・ロバートソン効果とその現象
2.2 ダストの運動と分布
第3章 惑星間塵の直接探査
3.1 はじめに
3.2 検出方法と検出器
(1) マイクロフォン型検出器
(2) 透過型――ガス圧低下の検出――
(3) 透過型――コンデンサー型――
(4) 衝突プラズマ型
3.3 人工衛星による塵物質の回収
3.4 ロケットによる集塵と分析
第4章 ダストの衝突によるマイクロクレーターの生成
4.1 室内におけるシミュレーション実験
(1) (D/T)値の、突入物の速度依存性
(2) (D/T)値の、突入物の密度依存性
(3) (D/T)値の、突入物サイズおよびクレーターサイズ依存性
(4) クレーターと突入物サイズの関係
(5) 突入物の種類と (D/T)値
(6) クレーターサイズと突入物の重量
4.2 月の岩石表面のマイクロクレーター
第5章 流星と夜光雲
5.1 流星の観測
5.2 散在流星と太陽活動との相関
5.3 超高層におけるナトリウム層
第6章 成層圏における集塵とその分析
6.1 NASA のダストカタログ
6.2 極微量試料の取扱いと基礎定数の計測
(1) 重量測定
(2) 面積密度および容積の測定
6.3 ブラウンリー粒子の化学組成の分析
6.4 成層圏の酸化アルミ球粒
6.5 宇宙線重粒子成分の飛跡
6.6 4He の分析
6.7 稀ガスの分析
6.8 ブラウンリー粒子中のマグネシウム同位体比
6.9 波長別透過率特性
6.10 元素の存在パターンによる分類
6.11 ホイスカーひげの発見
第7章 地上ならびに深海底におけるスフェルールの研究
7.1 地球外起源の検証
7.2 地上における集塵試料の分析
7.3 深海底スフェルールの発見と研究の経過
7.4 堆積物中の宇宙線生成核種の測定
7.5 鉄質スフェルールの分析
7.6 ガラス質スフェルールの分析
7.7 コンドライト・スフェルールの分析
7.8 芯核スフェルールの分析
7.9 特異形状スフェルールの分析
7.10 惑星間塵の宇宙線照射年代
(1) 安定核種と放射性核種の組合わせ
(2) 複数の放射性核種の組合わせ
(3) 同位体比異常からの照射年代の出し方
(4) 照射年代の測定結果
7.11 太陽系外起源の検証
(1) 消滅核種の検出
(2) 同位体比異常の検出
第8章 ダスト研究のためのシミュレーション実験
8.1 化学組成の熱変成
8.2 核反応生成物の熱変成
8.3 鉱物学的な室内実験について
(1) 鉄質スフェルールの成因について
(2) ガラス質スフェルールの成因について
(3) シリケイト質スフェルールの成因について
8.4 衝突と破壊に関するシミュレーション実験
(1) はじめに
(2) ダスト加速器
(3) 衝突と破壊の一般則
(4) 分裂片の形状分布
(5) 分裂片のサイズ分布
8.5 化学組成の衝突変成
8.6 ダストの物性に関する室内実験
(1) 赤外領域スペクトルの解析による鉱物種の同定
(2) ダスト表面の荷電粒子照射効果
第9章 隕石落下クレーターより回収される微小粒について
9.1 クレーターから回収される微小粒の分類
9.2 クレーターから回収される微小粒の化学的、鉱物学的分析
第10章 宇宙物質降下の時間変化
10.1 はじめに
10.2 特定の化学種(元素)における濃度の時間変化
10.3 小天体の落下とそれに伴う影響
第11章 惑星間塵研究についての総合的な検討
11.1 起源
11.2 運動と分布
11.3 組成
11.4 寿命
おわりに
注釈
文献
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