地人選書 4>

あわの科学

表紙
阿部 友三郎著

ISBN4-8052-0190-8

四六判/208頁

\1,748+税



概要

日本では,泡には何かしら,やりきれなさ,切なさ,灰色の暗さがいつもつきまとう.現に「あぶく銭」や「泡沫候補」など,できたかと思っているとすぐなくなってしまうたとえによく使われている.内容:海の泡/泡10題/海の泡と災害/泡沫層の考え方/海水安定泡沫/吸着現象/濡れ/白波発生/他

目次

第1部 海の泡

 1. はじめに
 2. 泡について
  2.1 東洋と西洋
  2.2 泡10題: 日常生活における「あわ」
 3. 海の泡と災害
 4. 海の泡についての予備考察
 5. 海水泡沫の研究
 6. 泡沫層の消え方
 7. 海水泡沫の物理的性質
 8. 泡沫層内の泡粒の頻度分布
 9. 白波発生機構の一考察
10. 泡沫体の性質(吸着現象など)
 10.1 物体の分割と総表面積
 10.2 濡れの現象
11. 海洋観測塔における海泡の観測とその解析
12. 海水安定泡沫
 12.1 海泡による災害
 12.2 海水安定泡沫の物理的性質
 12.3 泡沫係数による泡膜機構の推定
 12.4 安定泡沫の密度
 12.5 泡沫液の表面張力
 12.6 泡沫液の粘性係数
 12.7 泡沫塊の熱伝導度
 12.8 泡沫塊の電気伝導度
13. 海塩微粒子
 13.1 海塩微粒子の観測法
 13.2 塩化物反応フィルムによる方法
 13.3 海塩粒子観測装置
 13.4 第2室戸台風による塩害
 13.5 付着塩分指数
 13.6 付着塩分指数と塩害との関係

第2部 自然と人間

 1. 自然災害と対策
 2. 外濠を科学する
  2.1 濠、湾水の自由振動(静振)
  2.2 静振の観測
  2.3 水塊の運動
 3. 自然現象のしくみ――人工雪と気象の人工制御――
 4. 自然の観測と寺田寅彦先生
 5. ガス爆発事故と基礎研究――近代都市の脆弱性――
 6. 海のすがた
 7. お濠の観測2題
 8. 雨のつくる泡――森谷誠生君の修士論文――
 9. 微細な塵埃と光学的現象

第3部 随想
 1. 人工雪誕生の記念碑と北大
 2. 思い出4題
 3. 模写
 4. 明治初期の青年とその初心
 5. 故後藤幸男先生を悼む
 6. 恩師坪井忠二博士の逝去を悼む
 7. 読書のすすめ3題
 8. 科学する心――ガリレオ・ガリレイ――

 あとがき
 初出誌一覧
 さくいん

 まわり道一覧
 1. 岩石の絶対年代決定法
 2. 新型シェーカーの試作
 3. 新型海水動揺計の試作
 4. 頻度分布の統計論的考察
 5. サイダー液内でのブドウの実の奇妙な挙動
 6. まり藻の鉛直運動
 7. 浮遊選鉱