< 現代の数理科学シリーズ 3> 彗星と星間物質
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薮下 信編
ISBN4-8052-0173-8
A5判
280頁/\2,600+税
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概要
今なぜ彗星を研究することが重要なのか.「彗星」と「星間物質」にどんな関係があるのか.本書はそれらの疑問に答えるべく日本の8人の天文学者が各分野を分担執筆した.内容:光学観測/統計/分子組成/ダスト/崩壊/力学進化/星間ダスト/星間物質/彗星の起源/他
目次
第1章 彗星の観測
1.1 はじめに
1.2 東京天文台での新天体確認作業
1.3 アマチュアによる彗星観測
1.4 回帰の検出
1.5 天文台での観測
1.6 形状の観測
1.7 発見に見られる最近の傾向
1.7.1 見かけの光度と絶対光度
1.7.2 発見の位置
1.8 彗星と小惑星
1.9 ハレー彗星
第2章 彗星の統計
2.1 彗星の発見
2.2 彗星の数
2.3 彗星の軌道の特性
2.4 彗星発見の確率
2.5 彗星の軌道の分布
2.6 彗星の光度および質量
2.7 惑星摂動による長周期彗星の軌道半長径の変化
第3章 彗星の分子組成
3.1 はじめに
3.2 彗星の構造の概観
3.3 彗星の原子・分子スペクトルの物理
3.3.1 原子のスペクトル
3.3.2 分子のスペクトル
3.4 彗星で観測されている分子種
3.4.1 可視波長における観測
3.4.2 紫外線観測
3.4.3 電波観測
3.5 彗星コマにおける分子過程
3.5.1 分子反応の素過程
3.5.2 コマにおける分子過程と分子分布
3.6 彗星核の氷の分子組成
3.6.1 核分子の推定法
3.6.2 核の氷を構成している分子種
3.6.3 彗星核分子と星間分子
3.7 彗星の形成
第4章 彗星のダスト
4.1 はじめに
4.2 彗星のダストとは?
4.3 彗星のダストはどこから来るのか?
4.4 彗星コマのダスト
4.5 尾のダスト
4.6 彗星の通る道
4.7 そして彗星のダストはどこへ去るのか?
第5章 彗星の崩壊
5.1 はじめに
5.2 彗星核のモデル
5.3 静かな崩壊
5.4 爆発的増光
5.5 核の分裂
5.6 彗星の軌道統計データとの比較
第6章 彗星の力学進化
6.1 はじめに
6.2 予備的説明
6.3 観測データと彗星のオールト雲
6.4 惑星摂動
6.5 彗星の太陽系からの脱出
6.6 周回数の分布
6.7 長周期から短周期彗星への進化
6.8 1/a の分布の進化
6.9 力学進化と観測データ
6.10 角運動量変化の影響
6.11 恒星による彗星軌道の摂動
6.12 むすび
第7章 星間ダストと彗星
7.1 星間ダストの発見
7.1.1 固体物質
7.1.2 星間ガスの存在
7.1.3 星の光を弱める物質
7.1.4 減光の波長による違い
7.1.5 星間ダストの発見
7.2 星間ダストの組成
7.2.1 可視光で見た場合
7.2.2 紫外光で見た場合
7.2.3 赤外光で見た場合
7.2.4 全体的に見た場合
7.3 星間ダストと彗星ダスト
7.3.1 彗星ダスト
7.3.2 彗星ダストの形状
7.3.3 星間ダストと彗星ダスト
7.4 彗星はどこから来たか
7.4.1 オールトの雲
7.4.2 星間ダストの集まる場所
7.4.3 密度波と銀河回転
7.4.4 太陽系にとりこまれる雪の球
7.4.5 おわりに
第8章 星間物質の化学
8.1 はじめに
8.2 星間物質の分類と分布
8.2.1 組成
8.2.2 気相(星間雲)
8.2.3 星間分子
8.2.4 星間ダスト
8.2.5 銀河の中の分布
8.3 星間物質の起源と変遷
8.3.1 補給源
8.3.2 星間ダストの生成
8.3.3 星間原子・分子の反応
8.3.4 星間分子の凝縮
8.4 星間物質と彗星
第9章 彗星の起源
9.1 太陽系内起源説
9.1.1 オールトの彗星雲
9.1.2 彗星と微惑星
9.1.3 どの惑星が放出したか
9.1.4 放出のメカニズム
9.1.5 太陽系内起源説の問題点
9.2 星間空間起源の可能性
9.2.1 オールト雲への彗星の拡散
9.2.2 近日点分布の特異性
9.2.3 彗星の力学進化
9.2.4 グロビュール
参考文献
さくいん
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