食品衛生学

表紙
新村 寿夫著

ISBN4-8052-0145-2

A5判

340頁/\2,330+税



概要

食品衛生学は科学の進歩に伴い年々講義する内容が増え,どこでも講義時間の不足がいわれている.本書は空白頁を多くとり,学生諸氏が講義を聴きながら空白を埋め,講義の終わるときには,まとまった1冊の本になるよう編集されたユニークな大学・短大向きの教科書である.

目次

1. 食品衛生の概念、飲食に原因する健康障害

2. 食中毒
 2.1 発生の状況
 2.2 自然毒食中毒
  2.2.1 動物性自然毒
  2.2.2 植物性自然毒
 2.3 化学性食中毒
  2.3.1 不許可有害物質の使用
  2.3.2 加工、製造過程中の不純物、有害物質の混入
  2.3.3 器具、容器、包袋材料からの有害物質の溶出
  2.3.4 誤認のための事故
  2.3.5 化学性食中毒の予防

3. 飲食によって起こる慢性の健康障害
 3.1 公害関連有害物質
  3.1.1 水俣病
  3.1.2 新潟水俣病
  3.1.3 イタイイタイ病
  3.1.4 PCB の環境、魚体、人体汚染
 3.2 農薬類の残留と蓄積
  3.2.1 金属含有農薬
  3.2.2 有機塩素剤
  3.2.3 有機リン剤
  3.2.4 環境汚染
  3.2.5 食品の汚染
  3.2.6 人体汚染
  3.2.7 有機塩素剤の毒性
  3.2.8 農薬の規制、対策
 3.3 カビ毒 Mycotoxin
  3.3.1 マイコトキシンの分類
  3.3.2 主なマイコトキシン
  3.3.3 黄変米の毒性
  3.3.4 アフラトキシン Aflatoxin
  3.3.5 主要食品中の有毒カビの分布
  3.3.6 食品のカビフローラと優先種
  3.3.7 食品衛生とマイコトキシン
  3.3.8 マイコトキシンに対する対策
 3.4 細菌性食中毒
  3.4.1 細菌性食中毒
  3.4.2 腐敗中毒(アレルギー様食中毒、プトマイン中毒)

4. 食品の腐敗と微生物

5. 経口伝染病
 5.1 赤痢(細菌性赤痢)
 5.2 疫痢
 5.3 アメーバ赤痢
 5.4 腸チフス
 5.5 パラチフス
 5.6 コレラ
 5.7 エルトール型コレラ(パラコレラ)
 5.8 伝染性下痢症
 5.9 猩紅熱
 5.10 ジフテリア
 5.11 ワイル氏病(黄疸性出血性スピロヘータ病)
 5.12 急性灰白脊髄炎(小児麻痺)

6. 飲食に関係のある寄生虫
 6.1 野菜を感染源とする寄生虫
  6.1.1 回虫
  6.1.2 十二指腸虫
  6.1.3 ギョウ虫
  6.1.4 鞭虫
  6.1.5 東洋毛様線虫
 6.2 獣肉を感染源とする寄生虫
  6.2.1 無鉤条虫
  6.2.2 有鉤条虫
  6.2.3 旋毛虫
  6.2.4 トキソプラズマ症
 6.3 魚介類を感染源とする寄生虫
  6.3.1 広節裂頭条虫
  6.3.2 横川吸虫
  6.3.3 肝臓ジストマ(肝吸虫)
  6.3.4 肺臓ジストマ(肺吸虫)
  6.3.5 アニサキス
 6.4 水を感染源とする寄生虫

7. 滅菌(殺菌)と消毒
 7.1 滅菌(殺菌)
  7.1.1 熱
  7.1.2 光線、放射線照射
  7.1.3 その他
 7.2 消毒
  7.2.1 消毒剤として食品衛生上必要な条件
  7.2.2 石炭酸係数
  7.2.3 各論
  7.2.4 対象、目的別消毒法

8. 食品添加物
 8.1 食品添加物の概念
 8.2 食品添加物の規制
 8.3 添加物の安全性
  8.3.1 毒性とはなにか?
  8.3.2 生体に対する作用から見た毒性
  8.3.3 毒性試験
  8.3.4 毒性の評価
  8.3.5 許容量
  8.3.6 使用基準
  8.3.7 食品添加物規制についての今後
 8.4 食品添加物の代謝
  8.4.1 吸収排泄
  8.4.2 代謝
  8.4.3 第1段階の反応
  8.4.4 第2段階の反応
 8.5 食品添加物各論
  8.5.1 保存料
  8.5.2 殺菌料
  8.5.3 着色料
  8.5.4 調味料
  8.5.5 酸化防止剤

9. 微生物

10. 食品衛生法
  食品衛生法について

付録
 赤潮、水の華
 魚体と水銀
 腸内細菌の作用
 食品添加物一覧