銀河の発見
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R.ベレンゼン他著 高瀬 文志郎訳 岡村 定矩訳
ISBN4-8052-0134-7
B5判
216頁/\2,800+税
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概要
本書の魅力はB5判に著名な天文学者の写真や伝記を豊富に収載し,歴史的な論文や学者間の手紙が随所に挿入されていることである.また一般の天文書では銀河系の大きさや渦巻星雲の本質と距離決定などは確立した方法や数値だけを記述しているが,本書はそれらの論争過程に重点を置き記述した.
目次
序言へのまえがき
序言
I 宇宙の大きさ
まえがき
1. 初期の宇宙論
哲学的モデル
科学的モデル
2. 距離決定の技術の進展
古典天文学的な方法
分光術
ケフェウス型変光星
3. 1900−1920年代の銀河系理論
カプタイン宇宙
シャプレーの銀河模型
反対論と島宇宙説
4. 天文学の大論争
論争に至るまでの出来事
論争の重要性
論争
証拠事実
論争の余波
あとがき
II 銀河系の天文学
まえがき
1. 銀河系のモデル、1900−1920
イーストンの渦巻モデル
星数調査から求めたモデル
球状星団の分布に基づくシャプレーのモデル
2. 銀河回転
不可解な展開: 高速度星
リンドブラッド‐オールトの銀河回転理論
3. 星間物質の吸収と銀河系の大きさ
初期から知られていた吸収の証拠
吸収の間接的証拠
一般吸収の確認
あとがき
III 銀河系外星雲
まえがき
1. 渦巻星雲の視線運動
渦巻星雲の視線速度の発見
星雲の本質解明への手がかり: I
2. 渦巻星雲の回転運動
分光学の結果
固有運動の結果
星雲の本質解明への手がかり: II
大論争への影響
3. 渦巻星雲をめぐる矛盾
分光学的問題
理論的な問題
位置測定の問題
ファン・マーネンの答え
4. 渦巻星雲中のセファイド
周期‐光度関係
星雲中のセファイドの発見
星雲の本質解明への手がかり: III
5. 渦巻星雲の本質
矛盾の解決
ファン・マーネンの誤差の原因
回転の向き
6. 星雲の進化
星雲の分類
理論的見地からの議論
現況
あとがき
IV 現代宇宙論の誕生
まえがき
1. 宇宙論の諸問題
オルバースのパラドックス
ニュートン力学の不首尾
2. 相対論的宇宙論: 最初の試み
アインシュタインの重力理論
アインシュタインの静止宇宙論
曲がった時空
ド・シッター宇宙
アインシュタインとド・シッターの宇宙論に関する諸問題
3. 膨張する宇宙
静止モデルの破綻
観測
理論との相互作用
膨張モデル
4. 赤方偏移の解釈
後退速度とする解釈
その他の解釈
あとがき
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